前川喜平さんのお話

前川喜平さんの講演会が開かれると知り、昨日(10月4日)浦和へ行ってきました。
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前川さんの飾らぬ人柄がそのまま伝わってくる2時間半でした。

時間に限りがあるので詳細はお話しにならないことも多かったけれど、教育行政官としての信念、誇り、政治との軋轢の中での苦渋、挫折…いろんなものを感じました。
夜間中学、フリースクール、不登校…光が当たらず文科省が切り捨ててきた人たちに、個人としてずっと向き合ってきた人なのだということもよくわかりました。

「憲法26条が定める学習権は、全ての基本的人権を実現するためのベースになるものであり、子どもたちの教育の機会不平等は許してはならない」
「今の日本の最大の問題は、格差と貧困。大事な解決策は教育の機会均等」
「高校無償化は民主党政権下での画期的なことであり、給付型の奨学金は安倍内閣が実現した大事な政策」
「貧困は金さえあればいいわけではない。こどもたちを支える人、信頼できる大人の存在=ソーシャル・キャピタルが何より大事」
「アメリカの真似はほどほどにした方がいい。アメリカの憲法には日本の13条(生存権)の規定も 26条(学習権)の規定もない」
「高校の数学必修の国は殆どない。制度が落ちこぼれを作り、わざわざ自己肯定感を落としてはいないか。本当に意味あることを勉強させましょう」
「等しく、とは、一人ひとりに相応しい教育を全ての子どもに保障すること。一人ひとりの違いを大切にすることが、一人ひとりの子を個人として尊重することになる」
「退任の際のメールにLGBTのことを記したが、いかなる少数者も軽んじられることのない社会をつくらなければいけないと思っている」

小学校1年生の35人学級は実現したものの、学習指導要領の改定で授業時数が大幅に増えたにもかかわらず教員の増員が全く図られなかったことや、国立以外の公立学校の教員には時間外手当が無いことによる現場の疲弊にも心を痛めておられました。

終始、柔和な表情と語り口でしたが、加計学園問題を問われた時は「あれは国家権力の私物化です」と言い切って、内実にも言及してくれました。こんな人をあんな形で葬ろうとしたこの国のトップや官房長官らの愚劣さには改めて失望と怒りが込み上げます。

予定をだいぶオーバーして散会となり、帰路へ。
南浦和駅の乗換通路の立ち食いそばは旨いので必ず寄る…という学生時代からの刷り込みがふと蘇り、ちょっと寄り道してきました。お店はもちろん替わってましたが、何となく懐かしい味がした…気がします。
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