「健康」をあらゆる政策の基盤に据えて発展を続けるまち・大府市

※個人facebookの投稿と同じ内容です

厚生委員会の視察2日目は、WHO(世界保健機関)の健康都市連合の一員である愛知県大府市へ伺い、「健康・長寿のまちづくり~日本一元気な健康都市おおぶ」について学んできました。
朝9時半過ぎに市役所到着後、円形で大変美しい議場を見せていただいてから、早川高光議長さんから、大府市と大府市議会についての丁寧なご説明を加えた歓迎のご挨拶をいただきました。
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「歓迎」の看板には大府市のキャラクターのおぶちゃんと共に東村山市のひがっしー、用意された電子黒板には私たち委員会の顔ぶれを映してくださったりして、こんなに細やかな準備をいただけたことにまず感動。
視察をお願いするということは、先方は通常の業務に加えて見返り無しにやってくださることが通常なので、本当に頭が下がります。
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今回、ご担当&ご説明くださったのは、大府市健康文化部の今村昌彦部長さん、阪野嘉代子健康増進課長さん、福祉子ども部高齢障がい支援課主任の久野倫太郎さん。
そして議会からも所管の委員長さんが同席することにしている、ということで、厚生文教委員会の山本正和委員長さんが議会からの視点に立ったお話をしてくださいました。
行政視察を受けているのは仕組み上は議会で、うちも含めて多くの議会では議長が歓迎の挨拶をするだけだと思うのですが、このやり方はとてもよいと思いました。

さて本題です。
日本一、と言うからには、市政のあらゆる分野にわたって、「健康」を念頭に置いた取組みが浸透していました。
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その対象は妊娠期から母子保健、小中学生~高齢者とすべての年代をもちろん網羅しており、健康保険組合がしっかりしている大企業勤務ではない青年層、壮年層には、協会健保とタッグを組んで事業所へ市が出かけて行って一緒に健康づくりを行う「企業チャレンジ」を実施。
健康づくりの意識高揚と自発的な取組みのために学校や幼稚園・保育園年長児を中心に「健康づくりチャレンジカレンダー」を配布して参加を促し、関心の低い層には、健康関係の講座やイベントに参加したり健診・検診を受けると市内の協力店で使えるポイントがもらえる「おおぶ一生元気ポイント」で背中を押し…。
市役所6階の食堂には「サガミ」、駅前のカフェには「タニタ」を入れて健康な食事や情報を提供。
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どうしてここまでの施策が進められるのかといえば、健康づくりを進める組織体制の本気度がスゴイ。
東村山市では健康福祉部、教育委員会、地域創生部に散在している健康増進のセクション、文化振興のセクション、スポーツ推進のセクションが、大府市では全て「健康文化部」に配置。
高齢者と障害者の健康については福祉子ども部に配置。
そしてなにより、企画政策部の中に「健康都市推進課」を置いて、全庁的な取組みの旗振り&コーディネート役を担っているのです。

これは別に自治体間の優劣の問題ではなく、考え方、政策の組み立て方の違いであるわけですが、ここまで徹底してやることにより、40年以上にわたって市長が何回か替わろうとも軸は全くぶれずに施策展開をしてきた成果が着実に表れていることがよくわかりました。

これらの歩みの中で、国立長寿医療研究センターが他の自治体との競争の末に大府市に構えられたことで、国としての基礎研究やデータ集積のチカラがそのまま自治体として活用できていることや、健康関連の大手企業やベンチャー企業との連携が進んでいること等、大府市特有の事情も大きく影響しています。
また、人口は約9万人と東村山市(15万人)の6割でありながら、市民税収入は183億7,500万円と、東村山市(205億1,200万円)とほぼ遜色なく、市の歳入に占める市民税収入の割合は62.6%ですので、東村山市の37.7%とは比較にならない財政の強さがあることは、いかんともしがたい点ではあります。※数字はいずれも28年度決算値
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今日も長くなってしまいました。

認知症対策も、東村山市も頑張って取り組んでいるわけですが、大府市の「認知症不安ゼロ作戦」は対象者への基礎調査(健康チェック)がしっかり行われ、それによるデータ集積の結果が対策へ活かされているので、経験則や感覚的な捉えでないことに大きな意味があると思いました。
在宅医療・介護連携は、「東村山市さんの方が進んでいますよ」とご担当はおっしゃっていましたが、地域包括ケアシステムの構築の最大のカギとなると言われる問題なので、大府市も含めた他自治体の動向にこれからも学んでいくことが大事だと感じました。
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2日間の厚生委員会視察。各委員がどう受け止めたのかが気になるところですし、議会として今後の東村山市政にどう反映していけるのか、については委員間で意見交換をしなければと思います。
委員会としての報告書は、12月議会の頃には市議会HPにアップすることになっています。
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昨年の3自治体(大阪府東大阪市、大阪府大東市、兵庫県明石市)もそうでしたが、市民の皆さんの税金を使って行かせていただく以上は、より先進的で高いレベルで施策の実現に取り組んでいる自治体を選んで、予備学習もしっかりした上で伺い、直接お聴きしなければ&見なければわからないことに切り込んで学ぶべきだと考え、初めての厚生委員長としての責任を感じながら2年間の視察を実施したつもりですが…さてどうだったのでしょう。

日々の業務で忙しい中ご対応いただいた各自治体のご担当の方、議会事務局の方、そしてうちの議会事務局に心より感謝です。

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