最前線を学べる場に感謝!~全国学童保育指導員学校

今日(6月4日・日)は午前中に社会福祉協議会で開催された福祉バザーに少しお邪魔した後、大東文化大学板橋キャンパスへ向かいました。
全国学童保育指導員学校に参加するためです。
本当は最初から行って基調講演も聴きたかったのですが、学童保育をめぐる最新の情報が得られる第20分科会「学童保育と指導員をめぐる情勢と課題」だけでも…との思いで東武練馬駅からの道を急ぎました。
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3時間の前半は、全国学童保育連絡協議会会長の木田保男さんによる厚労省の動きや全国のデータ等、最新事情のお話。
そして後半は、分科会に集まった30名ほどの方たちから、それぞれの自治体での実情が語られました。

現場からSNSにアップした投稿を整理して以下記します。
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第20分科会の「学童保育と指導員をめぐる情勢と課題」@大東文化大学板橋校舎に参加中です。
講師は全国連協会長の木田保男さん。
以下、メモ。

学童保育は今、大きな歴史的な節目にある。
地域格差解消をどう進めるのか
法的根拠ができたことで、これをどう活用していくのか。
何も変わってない、という行政職員いるが、そんなことはない。

必要とする家庭は一気に膨れ上がってきている
全国で2万7,938か所107万6,571人(前年比5万9,142人増)
この5年で1.24倍、30万人増えている。
分割をしっかりやろうという自治体と、大規模を容認する自治体に分かれている。
71人以上が1300を超える。
2つに分かれているが机上だけで、実態は一体となっている自治体も多い。

全国で1万5千人以上の待機児童がいるが、保育所と違って受け入れ義務ではなく、努力義務。そもそもこの数字が待機児童と言えるかどうか、法律上はある。もっといるのではないか。例えば横浜市は待機児童はいない、というが、とうか。

企業が運営する学童が400か所増えた。
儲けを前提とした企業参入は全国連協としては好ましいものではないと考えている。

国の運営指針の「専用区画」は「専用室」とすべき。

学童保育は、子どもの生活の場の補償と、保護者の働く権利の補償が目的。

指導員の資格と配置は従うべき基準だが、施設については参酌すべき基準であり、市町村が条例で定めることになっている。
長い運動により、児童福祉法に法制化できたことは本当に大きなこと。
だが、政府は保育所は施設という位置づけに対して、学童は事業という位置づけのまま。

学童連協があるかないかで、自治体の姿勢は大きく異なっている。

学童保育への国の29年度予算725.3億円、これはすごい額と言える。
2014年は332億円だった。

国の学童保育に対する29年度予算のポイントは…
1.施設整備費の国庫補助率嵩上げ(28年度から継続)…国庫負担分は従来は1/3だったが1/2になっているので、都と市は1/3ずつではなく1/6ずつ持てばよくなっている。対象事業者もNPO法人へ拡大。

2.運営費補助基準額の増額(拡充)…28年度は児童数40名の場合、年額374.4万円だったが、29年度は430.6万円と56.2万円の増額。

3.放課後児童支援員の経験等に応じた処遇改善(新規)…勤務年数や研修実績に応じて増額。一律1人年額12万4千円、概ね5年以上の放課後児童支援員で一定の研修を受講した者には1人年額24万8千円、10年以上で所長的な立場には37万2千円。

4.長期休暇期間中の受け入れ支援(新規)…夏・冬・春休みだけ学童保育を利用する子どもの受け入れを支援。費用の一部(1支援あたり1万7千円)を補助

5.賃貸借で実施する学童保育の防災対策(拡充)…民家やアパートを借りて実施の場合、安全性確保の改修等を補助

6.障害児受入れ強化推進事業の拡充

その他の課題)
・父母会作りませんということをウリにしている事業者いるが、それでよいのか?子どもたちにとっての質の改善、充実、指導員の社会的地位の向上は、保護者と指導員が一緒に運動して実現してきた。学童保育が保護者にとって居場所になっているのか?

・公立公営の非正規職員の処遇が立ち遅れている。

・今年度の改善分は補正予算組んで対応求められる。遡及適用も厚労省担当課は否定していない。

【最後に私の感想】
都内や関東近県の学童保育で働く指導員さんたちが大勢参加されていて、20の分科会どこもこうして学び合いが続いています。
保護者や研究者もいて、私のような立場もごくごく一部いるようですが、圧倒的に現場で日々頑張っている職員さんたち。
公務員よりも、民間委託を受けた事業者や指定管理者、社福、株式会社、NPO法人で働く方たちで、想像を遥かに超える厳しい現実が次々語られています。
東村山市も来年度から、野火止第2児童クラブに指定管理者制度を入れます。本来望ましくはない…しかし選択せざるを得ない状況もある。
今日の話を聞いていると、実質的に民営化をすると、指導員の確保や雇用継続=質の維持向上はすごく難しいものになるのではないか…と改めて感じます。
少なくとも「民間活力の活用」なんて定型句では語れない話だと思います。
真剣に考えなければならないな……
駆けつけて参加してよかったです。

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