大いなる危惧~「会派」定義の見直し議論から

今日は午前、午後と議会運営委員による協議会でした。議会基本条例の検証結果を踏まえ、見直し検討を行うべきとした点についての議論を重ねています。

その中で、第4条「会派」については、【第4条 第1項 議員は、個人又は複数の議員で会派を結成する。 / 第2項 会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成し、活動する。】という条文の、日本語としての矛盾点が検証のたびに議論になってきました。

そして、これまで認めてきた一人会派を認めないよう求める陳情が出され、9月議会初日に僅差で採択したことを踏まえ、条例改正をした場合にどのような影響が想定されるのか、懸念することは何か、という意見提出を、3つある一人会派に求めました。

回答があったのは1会派のみ。意見を出さなかった議員は、異議なしと受け止められても仕方ないでしょう。

で、午前中はその意見をもとに協議しました。

政務活動費が会派単位で支給されている件は、個人にも出せるように条例改正すればよく、委員会等への参加が制限されるという指摘は、そのような考えは誰も持っていないので当たらない、という認識を共有しましたが、揉めに揉めたのが「会派名を名乗れなくなる」という点でした。

今日の議論の中で、「会派に属していないのだから、会派のように〇〇〇の会などと名乗れる根拠はない。個人名とすべき」という趣旨の意見が何人かから示され、理屈からすれば確かにそういうことだよな…と思いました。
しかし多くの議会で、「会派は複数の議員で構成するもの」とされながらも、会派を結成しない議員の扱いについては、「無会派」「会派に属さない議員」といった表記で個人名だけの議会もあれば、「無所属(〇〇〇〇の会)」「無会派(△△△の会)」としている議会もあります。

私自身は、政党や既存の団体とは全く繋がらずにやってきたので、18年前の初当選時に「会派名を決めてくるように」と議長に言われた際に、「なぜ自分の氏名ではいけないのか?無所属ではダメですか?」と食い下がった記憶があります(結局、一人会派「希望の空」を名乗ることとなりました)し、むしろ個人名を認めるべきだと考えて来ました。
また、地方議会選挙は国会の比例代表などと違って政党の看板で選んでもらうものではなく、あくまで一人の個人として政策を訴え、より多くの支持を得た者が資格を得るという仕組みですし、地方議会において中央の政党名を前面に出して活動することには一貫して大いなる違和感を持っています。
とはいえ、政党名がないと生死にかかわるくらい重要な人がいることも事実であり、うちは一人会派をこれまで認めて来ていたので、一人であっても所属する政党等の名前を会派名としてオモテに出して来た、という長年の経過があります。

このまま互いに歩み寄ることなく進め、僅差で結論を得るようなことをすれば、対立の構図が決定的になり、のりしろは無くなり、10年近く最も大事にしてきた、「互いの立場や考え方を認めて、合意形成に最大限努力する」という大原則、大前提が崩壊しかねない、と強い危惧を抱いています。

法に反しない限り、議会内のルールはそれぞれの議会が議論して決めてよいわけですので、歩み寄りにつながる知恵をなんとか絞って、一致点を見出せるように努力したいと思います。

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