議員による住民投票条例案に対する討論 (9月議会最終日報告 その1)

9月6日に開会した9月定例市議会は、先ほど23時50分に閉会となりました。

奥谷、矢野、保延各議員の提案による「東村山市のビン缶及び不燃物処理の方法に関する住民投票条例」は深夜になって審議され、東村山を良くする会、共産党、草の根の賛成少数で否決と決しました。

私と大塚議員による「変わろう!議会・東村山」は、8月の臨時議会においての住民投票条例に賛成とした他、一貫して市の姿勢に疑義を唱え続けてきましたが、本日の奥谷、矢野両議員の答弁を受け、会派として初めて異を唱えました。

同条例案に対する私たちの反対討論の全文を掲載します。

 

私たち「変わろう!議会・東村山」は、住民の発意によって行われる署名が一定数集まれば、議会も首長も拒否することができない形で住民投票を必ず実施する、「常設型」あるいは「実施必至型」とも呼ばれる住民投票制度の創設を一貫して求めています。市民参加で策定に向けた動きが続いている自治基本条例において、その実現が図られることを強く望むものです。

 

臨時議会で、市長は先進自治体を挙げ、有権者の1/3あるいは1/4という成立の要件を例として示されました。平成16年に市民投票条例を定めた我孫子市では、投票資格者の8分の1以上の署名を集めて投票の実施を市長に請求し行うとしています。目指すべき一つの姿だと申し上げます。1/50を超えたから住民投票を行えるかのような発言が議員からありましたが、それはあくまで直接請求の成立要件です。市長には、議会の関与なしに実施を義務付ける住民投票の成立要件については、議論の上、ハードルをできるだけ低くするようぜひ努力していただきたいし、私たちも努力したいと思いますが、それが1/20や1/30ということにはならないでしょう。

 

その上で、今回の議員による条例案には以下の観点から賛成できないことを申し述べます。

まず、住民投票は、首長や議会の意思が市民の多数の意思と違う、ずれている、と判断した市民に与えられた極めて重要な権利であります。8月の臨時議会で審議された住民投票条例案は、住民発意によるものであり、私たちの会派は実施に賛成を表明しました。しかし本条例案は、議会の議員によるものであり、しかも本件についての議論の中核を担ってきた議員たちが進めてきたものです。

対案として示された内容も、議会が市民にこの段階で選択を迫るにはいささか曖昧、不十分であると言わざるを得ません。

議員として議会内での合意形成に全力を挙げることが、私たちの本来的な仕事であり、議会内で説得力を持って語られていない内容を、議員自らが住民投票によって市民に判断を求めるという姿勢に、責任感の希薄さを感じます。

 

私たち議会は3年余りにわたって一般質問や補正予算審議、特別委員会、常任委員会等の正式な場で議論を重ねた末、本年3月の24年度一般会計予算に対して、修正案を議論、否決した上、14対10の賛成多数で整備関連予算を可決としました。私たち議員はこの経過と結果に責任を有しており、これに反し、今、議会の意思を制約する住民投票を実施させられることができるのは、主権者である市民だけだと考えます。

また提案者は、鳥取市の事例を挙げておられるようですが、鳥取市議会では合意形成に向けた緊急かつ精力的な議会内での議論が行われた結果であり、並び論じることは失礼でさえあると感じます。

 

「行政の説明を信用できないから」と本条例を提案しながら、肝心なところでは「行政がそう言っているから間違いない」というのは論理矛盾だなぁ、と私は思います。

以上討論といたします。

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