既にお知らせしているように、市では現在3つのテーマについて市民の皆さんのご意見を幅広く募っています。
このうち、「自殺対策推進計画」は令和2年度から今年度までの第1期計画の成果と課題を踏まえ、今年4月(令和7年度)から11年度までの5年間の計画となります。概略版が示されていないので、第1期の成果がどうなっていて、課題はどこにあるのか、が全部に目を通さないとわからない状況です。
そこで、ぜひ一人でも多くの方に関心を寄せていただき、どんなご意見でも忌憚なくお寄せいただきたいという思いから、ご意見をいただく前提となるであろう全63ページの中から「3)現状のまとめと課題」を勝手に以下転載します。
◎男性は20歳未満から60歳代までの年代の自殺死亡率が国都より高い
働き盛り世代の自殺死亡率が高い点が特徴としてみられ、30歳代が特に高い傾向にあります。東村山市の立地の特性としては、都心に働きに行くような人たちが多いことや、その世代が、地域の支援につながっていない傾向にあります。男性の方が悩みやストレスを感じたときに、「誰かに相談したいと思う」割合は低く、悩みを抱え問題が複雑化し自殺に追い込まれていくことが懸念されます。
【課題】働き盛り世代の男性が、悩みを誰にも相談できないまま、就労や失業などの問題を抱えた際に、相談支援につながるための周知・啓発が必要です。
◎子ども・若者の自殺対策の更なる推進と強化
国の第4次大綱においても、子ども・若者の自殺対策の更なる推進と強化が言われており、東村山市においても重要な課題です。
厚生労働省『令和6年版自殺対策白書』によると、小中高生は自殺の原因・動機が「不詳」である割合が高く、学校段階が上がるにつれ、その割合は低下します。「家庭問題」の割合が高いのは、男女ともに小学生で、 「健康問題」の割合が高いのは、女子高校生となっています。「学校問題」の割合が高いのは、男性では中学生、高校生であり、女性では中学生となっています。また、学校の休み明けに自殺者が多くなること等が分かっています。子ども・若者においてSNSは身近である一方で、SNS内でのいじめやトラブルから、それを苦にして自殺してしまうというケース等にも懸念があります。SNSの正しい使い方など学校における教育も重要です。
【課題】悩みを抱えたときにSOSを出すことの重要性やその手法を学ぶための教育が必要です。また、適切な支援につながるために、多様な相談の機会の提供やその周知・啓発が必要です。
◎孤立やひきこもりへの支援について
孤立やひきこもりに関しては、様々な年代や状況に応じた支援が重要になります。
不登校児童・生徒への子どもの立場に寄り添った支援が、子ども自身及び保護者への支援にもなります。また、妊産婦や子育て世代が孤立しない関わりや、産後うつなどのリスクを加味した支援体制の強化が必要です。高齢者は、家族との死別や病気をきっかけに孤立しやすいという傾向があり、孤立や体調への支援がより望まれます。民生委員などによる、地域で生活しながら様々な相談を受け、見守る取組みや、社会参加で地域とつながることも望まれます。また、義務教育以降や働き盛り世代など、地域とつながっていないかたたちが、支援が必要なときに孤立しないでSOSを出すことができ、つながることができる働きかけも大切になります。ひきこもりへの支援については、東村山市ひきこもり相談窓口「えん」や、ひきこもりの家族会による取組があります。
【課題】孤立やひきこもりのさまざまな年代や状況に応じた支援が必要です。また、必要なかたに届けるための周知・啓発が必要です。
◎自殺未遂者について
自殺者統計の自殺未遂歴の有無をみると、「未遂歴なし」が44.3%と高くなっていますが、一方で「あり」も21.1%と国都より若干高い状況となっています。
救急要請においては、女性、20歳代、次いで30歳代、40歳代と働き盛りのかたの自損行為が多い状況にあります。若者世代の市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)の問題や、精神疾患の影響による自殺企図や自殺未遂などから自殺に至ってしまうことがあることから、リスクへの早期対応や、医療機関等との連携が重要です。
【課題】自殺未遂者の再度の自殺企図を防ぐとともに、その後の「生きることを促進する支援」へとつながるよう関係機関と連携していく必要があります。
◎大人も子どもも、悩んだときは家族に相談する人が多い
「令和6年度市民意識調査」において、悩みやストレスを感じたときの相談先の割合は「家族」が、最も高く、次いで「友人・知人・職場の同僚」、「病院の医師やカウンセラー等の専門家」、「公的な機関(福祉事務所など)の相談員」の順になっています。「東村山市こども計画基礎調査(中学2年生調査)」においても、普段の話し相手についてみてみると、「家族(親)」や「友だち」に『よく話す』を選択する子どもの割合が高いことが分かります。また、市民意識調査では、7割以上のかたがゲートキーパーを『知らない』と回答しています。
【課題】家族や友人など身近な人が、悩んでいる人に気づき声をかけあい、不安や悩みを和らげられるように、ゲートキーパーの役割を周知していく必要があります。また、適切な支援につなげられるよう多様な窓口があることを周知していくことも重要です。
自殺未遂者の再度の自殺企図を防ぐとともに、その後の「生きることを促進する支援」へとつながるよう関係機関と連携していく必要があります。
◎関係機関同士をつなぐこと
自殺に陥るときは、相談していた場合も、解決に至らず狭間に落ちてしまうような状況があります。取りこぼさないようにどう網を張っていくかが必要であり、市のみならず、地域全体での連携が望まれます。警察においては、問題を抱えている人の相談窓口も拡充しています。社会福祉協議会においては、総合相談事業があり、あらゆる複雑に絡み合った相談をまずは受け止める機能があり、市の自立支援相談窓口等と連携をしています。問題や悩みの複合的な要因に関係機関同士がつながり支援していくことが大切です。
【課題】支援の狭間で取りこぼさないように、問題や悩みの複合的な要因に関係機関同士がつながり支援していくことが必要です。
◎相談をすることの垣根を下げる取組
「令和6年度市民意識調査」において悩みやストレスを感じたときに、誰かに相談したいと思うかについて「そう思う」と「どちらかというとそう思う」を合わせた『そう思う』は 59.1%です。このほか、40.9%が「そう思わない」「どちらかというとそう思わない」「どちらともいえない」「無回答」と回答しています。相談することへの抵抗感が減り、意を決せずとも、相談できる場が身近にあるようにする取組が必要です。また、まずは傾聴の場が大切です。
【課題】悩みやストレスが生じた際、問題が複雑化する前に相談することが適切であるという共通認識の普及をしていく必要があります。
◎自殺対策の担い手の意識
様々な「生きることの阻害要因」を減らす取組や、「生きることの促進要因」を増やす取組が日常の相談や支援等においてなされていますが、その取組一つひとつが自殺対策につながっているという担い手の意識が重要です。また、自殺対策の担い手自身の心のケアも大切です。
【課題】生きることへの支援の取組一つひとつが自殺対策につながっているという担い手の自覚と意識が自殺対策を取りこぼさず行っていくうえで必要です。