一昨日(11月7日・月)10時、政策研究会「多磨全生園の将来構想に市議会は何ができるか」の第7回を開き、全生園の敷地の一角にある「花さき保育園」の運営母体である社会福祉法人土の根会の理事長・新保庄三さんにお越しいただき、お話をいただきました。
新保さんは「今日の結論を先に見せます」とおっしゃって、元患者の山内きみえさんと保育園の年長さんたちとの交流の様子をそのまま映したDVDを30分ほど観せてくださいました。
その後、ご自身が2003年に東村山市の児童育成計画推進部会の会長として着任され、数年後に急な事情で花さき保育園の園長をお引き受けになり、さらに社会福祉法人「土の根会」を新たに立ち上げられ、今から10年前に現在の場所・全生園の南東の角地へ移転・開園されるまでの経過を詳しくお話しくださいました。
たくさんの言葉を心に刻みましたが、特に「そうか、そうだったんだ!」と思ったこと。それは、「花さき保育園は、入所者の方たちが自分たちの希望を要求として、将来構想の一つとして実現に力を尽くされた」ということです。
新保さんは、全生園の将来構想は子どもたちに託すべきだ、とおっしゃいました。花さき保育園では、著名な存在となった方だけでなく、全生園に暮らしておられる多くの入所者の方たちと子どもたちが保育園の日常として接しています。幼い頃の「当たり前」は、大人になっても変わらずに、心の中に、行動の中に生き続けるものなのだと改めて認識しました。
新保さんが東村山市に最初にお越しくださる少し前から存じ上げ、ライフワークであるアウシュビッツ収容所、コルチャック先生について教えていただき、以後20年。折に触れてご指導いただき、励ましていただくとともに、いくつかの局面では叱咤され、時に反駁もし、ご無礼をしたこともありましたので、今回の企画段階から実は大変緊張し、ドキドキしながら事前の打ち合わせにも出向いてきました。
しかし直接お話を重ねる中で、新保さんは、出会った頃から何も変わらぬ情熱と、並々ならぬ覚悟と、圧倒的な大局観で、様々な難題に向き合ってこられ、乗り越えてこられたのだということを痛感しました。
6月に立ち上げたこの政策研究会は、これまでの学び合いを踏まえたまとめ作業に入っていきます。シリーズの最終回を新保さんにお願いして本当に良かったと思います。