昨年度(令和4年)の決算審査を行う特別委員会は、昨日までに一般会計決算の審査を終え、今日は3つの特別会計と下水道会計の審査を続けています。
昨日まで4日間行った一般会計決算は、夜6時前に各会派の討論と議決を終え、賛成多数で「認定」することとなりました。正式には10月5日の本会議で、今回の議決に加わっていない議員も加わって採決を図り、確定します。
昨日の賛否は次の通りです。
「認定」14人…下沢、熊木、土方、木村(以上、自民)/駒崎、伊藤、石橋、横尾(以上、公明)/かみまち(立民)/佐藤ま/白石/鈴木/わたなべ/かくた
「不認定」7人…渡辺み、さとう直、浅見、山田(以上、共産)/朝木、子安(以上、草の根)/清水(立民)
私が認定する際に行った「討論」は以下の通りです。
【佐藤まさたか 一般会計討論】
コロナ禍2年目の難局を全庁挙げて乗り越え、市民福祉の向上に努めたこと、財政的にも多くの厳しい要因を抱えつつも、安定した状況で決算を終えたと認め、本決算を認定すべきと申し上げます。
これは渡部市政スタート時の平成19年度には危機的状況だった財政調整基金への着実な積み立てと、将来課題への特定目的基金の設置と積み立てを地道に継続してきたこと、計画的で堅実な行政運営が功を奏したものと判断しています。
今後も不測の事態への備えも進めつつ、掲げたビジョン実現のため、そして真に支援を必要とする人のため、限られた財源をどこにどう配分するのか、優先順位を決めるプロセスをさらに公正で透明なものに今のうちにブラッシュアップしなければならないと考えます。当然、「決める」役割である私たち議会の責任は極めて重いものがあり、財政措置を伴う何かを新たに求めるならば、縮小や廃止も提案していかなければならないと自戒を込めて強く思うところであり、予算、決算の審査方法も見直しが必要だと改めて感じています。
その前提となる事業評価シートの早期の公表と共に、大きな支出も続いていますので、中長期的な財政見通しを市民にわかる形で示すことを求めます。
公園指定管理者制度の立ち上げと着実な仕事ぶりは市民の信頼を得つつあり、今後の展開に期待します。同じく指定管理者による駐輪場運営はブラッシュアップが重ねられ、着実な課題解消へ繋がっています。薬師山緑地の取得を判断されたことも、東京都みどりのフィンガープラン対象地の保全が進むこととなり、大いに評価します。市内全域の保全は困難であり、地域ごとの特性を踏まえて優先すべき地が着実に次世代に手渡せるよう進めていただきたい。
6年度へ向けて早期の改善を求める事項です。毎年申し上げて来ましたが、改めて、保育の質の向上に本気で取り組んでいただきたい。民間の施設がいくら増えようが、言うまでもなく法で定める保育の実施主体は現在でも市町村です。虐待や不適切な対応がなぜ他の自治体で起きたのか、所管は把握されていますか?指導検査体制の立て直しは急務と受け止め、取り返しのつかない事態が生じて謝罪会見するようなことにならぬよう取り組んでください。施設長会議の定期開催、3つの課の職員が現場を知る努力等で、平時のコミュニケーション構築も不可欠です。保育全体のリスク管理のためには、武蔵野市などの先例に学んでアドバイザーの配置も検討すべきだと考えます。「子どもの最善の利益」を実現する大きな責任を負っている自覚を胸に、危機感を持って改善に取り組んでいただきたい。
本決算審査において、さらなる行革の必要性について幾度も言及されました。限られた財源の中で必要な事業は多様化、細分化している一方、人口減、職員減も避けて通れませんので私も同意します。その上で申し上げます。
民間活力の導入という言葉が今回も使われていますが、公務員だからこその活力、価値もあるはずで、それはどう発揮しようとしているのでしょうか?公務員だからこそ担わなければならない業務、公務員としての誇り、一緒に考えましょう。
民間が担った方が効率的で市民福祉向上に資すると判断される分野は良質な民間を公正に選んで任せ、市の職員は公務員にしかできない業務で今まで以上の仕事をする、ということを徹底していただきたいですし、コンサルに任せることが当たり前になっていて結構な費用を投じている業務の中には、デジタル技術の活用に積極的に取り組めば、自前で効率よくできる面もあるように思います。
全庁を挙げて生成AIの活用も含むDXによる業務改革を加速させると共に、それを前提とした組織の再編にもスピード感を持って取り組んでいただきたい。公民連携によるシェアリングエコノミー施策の積極的な展開、使用料等のあり方、社会教育施設の充実についても課題を感じていますが、それは場を改めて議論させていただきたいと思います。以上、認定の討論といたします。