委員会として、この2年間で最多の議案&陳情を預かった今議会。
市長提出議案6件はいずれも可決しました。
陳情3件のうち、「学童保育の保育時間延長を求める陳情」は全員一致で採択、「高すぎる国民健康保険税を誰もが払える国保税に引き下げることを求める陳情」は賛成1:反対4で不採択、「児童クラブにおいて学校休業日の昼食の支援拡充を求める陳情」は意見整わず審議未了となりました。それぞれの概要を以下速報としてご報告します。
【議案その1】指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部改正 ⇒ 賛成多数で可決
賛成:熊木敏己(自民)・渡辺英子(公明)・かみまち弓子(立民)・蜂屋健次(東自民)
反対:さとう直子(共産)
今朝は10時開会で、市長提出議案6件と、陳情3件を審査し、16時55分に閉会となりました。その概要を以下の通り報告します。2つの議案については、副委員長に一時交替してもらって委員として質疑も行いました。
※介護保険法改正に伴い、共生型サービスを追加するための条例改正です。障害者が65歳になって介護保険の被保険者となった際に、介護保険が優先されるため、使い慣れた障害福祉サービス事業所を利用できなくなるケースがあり、大きな課題となっていました。今日の条例改正により、介護保険又は障害福祉のいずれかの指定を受けた事業所がもう一方の制度における指定を受けやすくなります。
【議案その2】障害者移動費用支援手当支給条例 ⇒ 全員一致で可決
※現在の「ガソリン費用補助」「タクシー等利用料金補助」を一本化し、他の公共交通機関などで移動する場合も支給対象とする「移動費用支援手当」を創設します。所得要件を見直すなどして、ぎりぎりで全く受けられなかった人たち(見込みでは956人)が新たに受けられるようになり、一方で所得が360万4千円以上ある208人は対象外となる見込みです。新しい条例として提案された経過も、考え方も、極めて大事な件だと考えていますので、別記事で詳しく書きます。
【議案その3】難病患者福祉手当支給条例及び障害者手当支給条例の一部改正 ⇒ 全員一致で可決
※これまで月額5,000円の「難病患者福祉手当」と7,000円の「障害者手当」を、6,000円に統一するほか、支給資格の拡大によって74人と55人が新たに受けられるようになります。所得要件の見直しによって13人が新たに受給対象になる見込み。
【議案その4】心身障害者福祉手当条例等の一部改正 ⇒ 全員一致で可決
【議案その5】国民健康保険税条例の一部改正 ⇒ 賛成多数で可決
賛成:熊木敏己(自民)・渡辺英子(公明)・かみまち弓子(立民)・蜂屋健次(東自民)
反対:さとう直子(共産)
※後期高齢者医療の減免期間が見直されることから、国保側も見直すという議案。これによって、73名が減免の対象外となり、均等割額が最大で年22,700円上がる人も出ます。
【議案その6】市立保育所条例の一部改正 ⇒ 賛成多数で可決
賛成:熊木敏己(自民)・渡辺英子(公明)・かみまち弓子(立民)・蜂屋健次(東自民)
反対:さとう直子(共産)
※市立第二と第六保育園がこの4月から「私立天王森保育園」と「私立萩山まるやま保育園」となるため、第一から第七まで掲げてある条例の別表から第二と第六を削る、というものでした。但し第二は、新年長児クラスの10名が卒園までの保育を希望したため、31年度は存続されます。民間移管にともなう子どもへの影響を最小限にするため、いずれの保育園でも昨年10月から半年かけて新たな運営主体の保育士さんが現在の保育園に入って一緒に保育する等の引継ぎを行っています。
【陳情その1】児童クラブにおいて学校休業日の昼食の支援拡充を求める陳情 ⇒ 審議未了
※12月議会から議論をはじめ、1月17日には陳情者にお越しいただいて願意をお話しいただき、委員からの質問にもお答えいただきました。今日も委員間で意見を交わしましたが、可能であればそうできればよい、という思いと、実現へ向けての課題が数多くあるという点は全委員共通。
その上で、必要な予算規模や事業概要が殆ど見えない中で議会としてゴーサインを出すのは難しいという考え方と、方向性として反対でないのであれば採択すべきではないか、という考え方が最後まで折り合わず。
必ずしも反対ではない委員たちも、現段階で採決をはかれば不採択という結論を出さざるを得ないことから、委員長としては今日までに委員会として結論を出すに至らなかったと判断しました。◎にしろ×にしろ、答えを出すべきという考えも重々承知の上、×をつけてしまう意味は行政へ向けてのメッセージとして小さくないので、議会としての説明責任を果たしたいと思っています。
学校の長期休業中の学童クラブのお昼問題は、全国的にも成功事例がまだまだ数少ないこともあるので、次期、改めて腰を据えた議論がされ、実現可能な方策が見つけられることに希望をつなぎたいと思います。
【陳情その2】学童保育の保育時間延長を求める陳情 ⇒ 全会一致で採択
※これは、昼食支援以上に長年にわたって保護者から強い要望の出されている件であり、近隣自治体を見渡しても東村山市だけが17時45分閉所となっていることから、「せめて18時までは早急に何とかすべきではないか」ということで各委員の意見がほぼ一致しました。担当所管も課題であることは十分に認識していることが改めてわかり、前向きに検討していく旨の発言もありましたので、議会の意思を真剣に受け止めてもらうと共に、学保連との協議も含めて前進させてもらえたらと思います。
【陳情その3】高すぎる国民健康保険税を誰もが払える国保税に引き下げることを求める陳情 ⇒ 賛成少数で不採択
賛成:さとう直子(共産)
反対:熊木敏己(自民)・渡辺英子(公明)・かみまち弓子(立民)・蜂屋健次(東自民)
※この陳情は子育て世代への軽減という意味であると主張する委員もいましたが、陳情文からは「均等割」全体の軽減を求めたものと読める、とする委員が多数。昭島市や清瀬市、東大和市のように多子世帯への軽減策が必要、という意見の委員も、均等割全体は国保財政への影響が大きくて難しい、という主張でした。