私たち市民ができること…「語り継ぎ部(かたりつぎべ)」

国立ハンセン病資料館30周年記念講演会「森と資料館を創った人々の想いを受けて~30年間の人権学習の取り組み」をオンラインで視聴しました。
佐久間建先生が実際に出会って来た当事者の方たちと向き合い、積み重ねられてこられたハンセン病人権教育の実践。
https://www.nhdm.jp/events/list/6708/

そして、家族にまで及ぶハンセン病の差別は現在進行形の人権問題であること、国が設置した「ハンセン病に係る偏見差別の解消のための施策検討会」の最終報告書が昨年3月に出されたこと、ハンセン病問題の教訓がコロナ流行時に生かされなかったことの重大さ…等をしっかり踏まえ、ハンセン病問題から学び、他の人権問題や自分の生き方に広げるための教育が不可欠だという点、大いに共感しました。

また、「人権学習は、心の問題(道徳)ではなく、社会問題…憲法や基本的人権の問題として学習することが極めて大切」というお話にも、120%同意です。

2年前から、全生園の将来構想委員会が、入所者自治会、園当局、市の三者で進められていますが、会議は非公開のため内容は伺い知ることができません。
一方で、園内の建物や工作物…柊の垣根に至るまで次々と姿を消していっています。今日の質疑応答の時間にもそれを危惧する方が発言されていて、あぁ同じ思いの方がここにもいる、と思いました。

全生園は現在も病院であり、国有財産ですので、他用途への転用には大変な課題やハードルがあることは承知していますが、「仕方ない」で済ませてはいけないのではないか…と改めて思っています。
自分にできることは何かを考え、行動に移さねば、想いを共有する方たちと知恵を絞らねば…と改めて心に刻む時間となりました。

「語り部(かたりべ)」がいなくなりつつある今、私たち市民にできることとして、「語り継ぎ部(かたりつぎべ)」になりましょう、と佐久間先生。そうですよね…私たちがその一人となって、次の人、次の世代に伝えていく責任がありますよね。

講演の最後は佐久間先生の言葉に胸打たれ、パソコンの前で涙がこみ上げ拍手していました。

30年の実践を踏まえた佐久間先生の深く熱い想いをしっかり伺う機会を持てたことに感謝です。
都合で途中からしか視聴できず、内田館長先生のお話も聴けず残念に思っていたところ、アーカイブ配信をしてくださるとのこと。資料館の方々、ありがとうございます。

【速報!全議員の賛否一覧】

2月21日から続いた3月定例議会が先ほど全ての案件を終えて閉会となりました。

全議員の賛否一覧をいつも通り作成しましたのでアップします。

今回は議案番号順ではなく、賛否が分かれた案件と全会一致で可決した案件に分けて掲載しました。何度か確認しましたが、もし間違いがあった場合はお詫びして訂正箇所がわかるようにします。細かい表で申し訳ありませんが、拡大してご覧ください。

市民の方たちが出してくださった陳情をもとに委員会提出議案として上程された「ガザ地区に一刻も早く平和を構築するための外交努力を日本政府に求める意見書」は全会一致で可決。

「再審法(刑事訴訟法の再審規定)の改正を求める意見書」も僅差で可決することができました。

長丁場の3月議会、皆様おつかれさまでした。

追記)昼休憩時には、今年度で60歳を迎えて退職される課長お二人、閉会後には同じく60歳を迎えて役職定年となるお二人が、ご挨拶をされました。実は私と同い歳の方たち。今年度から定年延長制度が始まって60歳=定年ではなくなったため、恒例だった議場でのご挨拶は無くなりそうだと一度は聴いていたのですが、小町議長の強い意向で残したとか。議長グッジョブ!

何十年も勤め上げてこられた方が思いを込めて語ってくださる話には、今日も深く胸打たるものがありました。

長年お世話になり、本当にありがとうございました。

新年度予算の審査が始まりました

東村山市議会は今日から5日間(18日まで)来年度の予算案を審査する特別委員会です。正副議長以外の23人が参加して6階の第1委員会室でスタートしました。

今日から4日間程度は、総額670億円余の一般会計を審査します。①総括 ②歳入 ③歳出:議会費&総務費 ④歳出:民生費 ⑤歳出:衛生費 ⑥歳出:労働費&農林業費&商工費 ⑦歳出:土木費&消防費 ⑧歳出:教育費 ⑨歳出:公債費&諸費 に対して、5つの会派と会派に属さない議員(いわゆる一人会派)5人が順番に質疑席から質疑をする、というやり方です。

今日で言うと、①総括 として、木村隆(自民)、村山じゅん子(公明)、浅見みどり(共産)、朝木直子(草の根)、かみまち弓子(立民)、佐藤まさたか、白石えつ子、鈴木たつお、かくたかづほ という順(敬称略)で質疑したら、答弁側も入れ替わって ②歳入 について同じ順番で…という流れ。(私は持ち時間の関係で歳入の質疑を今回は見送りました。そう言えばわたなべたかし議員は今日は一度も発言しませんでしたね…明日かな)

他の議会では全く違うやり方をしているところも多いはずで、あくまで東村山市議会では…ということです。

明日は、③歳出:議会費&総務費 から再開です。

ということで、私が今日の総括で質したことは↓こんな感じです。

1.公民連携の全庁的展開について

現市政は公民連携をとりわけ重視し、公民連携地域プラットフォーム、民間事業者提案制度、タウンマネジメント株式会社、スマートシティ協議会等の取組みを進め、積極的に地域活性化包括連携協定を結ぶ等、矢継ぎ早に政策を進めてきた。従来の民間との距離感を考えると疑問を感じることもなくはないが、基本方針を明示して進めてきたことは、持続可能な公共を展開するためと前向きに捉えている。それを前提に6年度の進展を期待して伺う。

①6年度に新たに取り組むことや、充実を図ろうと考えていることはあるか伺う。

②基本方針で掲げていることが全庁的に共有され、不断に実現が図られるよう進めているのか。部門によって民間事業者との距離感や関係構築にかなりの差があると感じる。確認したい。

2.市の事務事業を担う人たちの賃金について30年余にわたって続いたデフレ経済のもとで停滞していた物価が上昇を続け、民間における賃金も明らかな改善局面を迎えている中、市の事務事業を担う人たちの処遇も遅滞なく改善されなければならないのではないか。そこで以下伺う。

①本予算編成にあたり、市の事業に従事する人たちの賃金に関する検討は行われたか。

②市職員の場合は、都人事委員会の勧告次第で補正で財調取り崩しをして対応するという仕組みと理解するが、予め一定程度見込むことはしないのか。

③長期契約の委託や指定管理者制度においては、従来は期間中の物価上昇分や賃金改善分を見込んだ金額として提案、選定されていると理解するが、現下の社会情勢を前に、現在進行中の事業については継続に支障をきたす恐れも出てくるのでは無いかと危惧する。早期に対応を検討しなければならないのではないか。

3.事業別主要な施策評価シートについて

長年の懸案を踏まえた新たな取り組みとして感謝したい。その上で伺う。

①総合計画に基づく実施事業は、計画的に実現を図るものであり、リストラ対象にはなりづらい。事務事業の見直し、改廃を議論する際の基礎資料としての機能、内容を付加できないか。

明日は久々に「委員外議員」として質疑します~「図書館設置条例の一部改正」

東村山市議会は、今日(月曜)から木曜日までの4日間は4つの常任委員会の開催日です。

今日の「政策総務委員会」では、議案8号「監査の執行に関する条例及び下水道事業の設置等の条例の一部改正」を全会一致で可決、「再審法の改正を求める意見書を国会・政府に提出することを求める陳情」は賛成3(渡辺みのる、鈴木たつお、清水健文)反対2(木村隆、渡辺英子)の賛成多数で採択されました。

ネット中継を視聴していましたが、陳情の審査では委員同士の突っ込んだやり取りが続いて、興味深い討議だったと思います。賛否の別とは違う話として、「議決に臨む際に議員はどうあるべきか」や「地方議会は何のためにあるのか」について考える「生きた教材」として、録画が公開されたらぜひご覧になってみてください。

私が所属する「まちづくり環境委員会」は7日(木)9時半からで、議案2件の審査が予定されていますが、その前に…

明日(5日・火)9時半からの生活文教委員会で審査される議案第7号「図書館設置条例の一部改正」の審査に「委員外議員」として参加します。

「委員外議員」とはその名の通り、その委員会の委員以外の議員、という意味で、自分が(会派の議員の場合は同じ会派の議員が)所属していない常任委員会で行われる議案審査に参加して質疑ができるという仕組みです。

条例の新設や改正に関する議案は、通常ですと

①分野別の4つの常任委員会のどこかに付託 ⇒ ②付託された委員会で審査 ⇒ ③委員会として結論を出す ⇒ ④最終日の本会議で委員長が審査経過と結果を報告 ⇒ ⑤その委員会に所属していない会派の議員は質疑と討論が可能 ⇒ ⑥全議員で採決を図って結論 という流れですが、

委員外議員は②の部分に「持ち時間3分」の範囲で質疑のみ可能、ということになっています。明日の生活文教委員会は「議案1号:体育施設条例の一部改正「議案2号:市民農園条例の一部改正」「議案7号:図書館設置条例の一部改正」と3件の議案を審査予定なので、7号の質疑を委員会の委員5人が行った後に「委員外議員」の質疑を委員会が認めてくれた場合、傍聴席から発言席へ移動して質疑を行うことになりそうです。

この条例改正の趣旨は、「図書館長の資格要件を変更することで安定的な人材登用を可能にするため」としており、図書館長の要件を次のように変える(改正する)としています。

現在の条文)図書館の館長は、図書館法(昭和25年法律118号)第4条に規定する司書の資格を有する者とする。

改正案)図書館の館長は、図書館法(昭和25年法律第118号)第4条に規定する司書の資格を有する者又は図書館の機能を達成するのに十分な資質を有している者とする。

ということで、通告してある内容は以下の通りです。

1.条例改正が必要となった理由と、いつから、どこで検討され今回の提案に至ったのか正確なところを説明願いたい。と言うのは、「図書館協議会の意見を受け」と市長による提案説明があったと思うが、少なくとも令和3年度、4年度、そして5年度も第1回となる7月開催の協議会までは会議録を読む限り一度も触れられてはいない。第2回の11月の協議会で9月議会の報告として触れられているが、その場では研修や人材確保に対する意見や、本件に異議を唱える声も出ており、議論は全く深まっていない。第3回の会議録が未公開であり是非を判断できないので、議案審査日までに公開の上でお答えいただきたい。

2.「図書館の機能を達成するのに十分な資質を有している者」の中身を詳しく説明願いたい。あわせて「図書館の館長は、図書館法第4条に規定する司書の資格を有する者」を残した理由を伺う。

3.平成11年の図書館法改正によって館長の司書資格要件が削除された理由と、当市では維持を選択した理由、経緯、その意義を教育委員会としてどう認識しているか伺う。

4.「図書館の設置及び運営上の望ましい基準(平成24年 文科省告示)」では、市町村立図書館の館長についてはどのように定められていて、今回の改正にあたってどう議論されたか伺う。

5.図書館の組織体制を確認したい。館長、館長補佐、3係、4分館における正規職員、会計年度専門職、同短時間職、その他の職員の数、そのうち司書有資格者の人数を伺うと共に、条例4条に定める(1)館長(2)地区館長(3)司書(4)司書補(5)その他必要な職員の内訳を確認する。

6.司書資格を有する者を計画的に採用してきたのか。有資格者が増えるようどう取り組んできたのか。

7.本改正について、教育委員間及び教育委員会事務局では議論は十分に尽くされたと言えるのか。

8.本改正の必要性を一定理解しつつも、当市も館長は一般的な課長職ではなく専門性を担保できるよう、日野市や東久留米市のようにもう一段踏みこんだ規定とすべきではないかと考える。教育長の見解を伺う。