9月議会が始まって約10日。8月28日の初日には、来年度から10か年の東村山市の土台となる「第5次基本計画基本構想」を審議し、自民党(7名)、公明党(6名)、つなごう!立憲・ネット(3名)、国民民主党(1名)、立憲民主党(1名)が賛成、共産党(5名)、草の根(1名)が反対とし、賛成多数で可決しました。
また、9月1日から3日までは一般質問を24名の議員が行いました。
そして今週は委員会ウィークで、月曜日が政策総務委員会、昨日(火曜)が厚生委員会、本日がまちづくり環境委員会、明日が生活文教委員会、金曜日は議会運営委員会と議員報酬&政務活動費調査特別委員会となっています。
本日のまちづくり環境委員会では、東村山市視覚障害者友の会の服部さんが請願者となった「新しい東村山駅にホームドアを設置するよう、東村山市として西武鉄道に要望し、実現に努力することを求める請願 」が審査され、全委員の賛成で採択となりました。紹介議員をお引き受けした者としてホッとしました。委員の皆さま、積極的な審査をいただき、ありがとうございました。
今議会では新型コロナ対策の年て傍聴席での傍聴ができないため、自分の控室でネット中継を視聴しました。少し詳しく報告します。長文となりますことをお許しください。
委員会では、全4会派の委員から質疑があり、まちづくり部まちづくり推進課の課長が答弁しました。
その後、後記するように4会派から討論(会派の意見)があり、5人の委員全員の賛成で採択となりました。
さらに、市長部局に対して進捗の報告を求めていく旨を、委員長が作成する審査結果報告書に付記することも全委員の賛成によって決まりました。
今日の質疑応答を通じて、新しい駅舎ではどのような設備がどこにどう配置されるのかといった設計や構造について、担当のまちづくり部まちづくり推進課は「把握していない」という答弁であり、今後の協議のスケジュールも「未定だ」と答えました。
そのため、高架台や橋脚工事が日々進み、旧駅舎の解体も始まっているこの段階で、ホームドア設置のことだけでなく、市の顔となる新しい駅施設の内容について市と西武鉄道の間で協議もされていないことは大きな問題ではないか、というのが、委員共通で受け止めであったのではないかと思います。
市の主体的な関わりが大きく問われる状況なので、最終日の全体での採決を図った上で、議会として今後の動向をきちんと見定めてくことが大事になると思います。
東村山駅は対象とされていません:西武鉄道HPより「駅バリアフリー化整備計画」2020年6月29日付
それでは、4会派による賛成討論をお届けします。自分のメモの書き起こしなので若干の誤りもあるかもしれません。もしあった場合は速やかに修正します。
小町明夫委員・自民党) 連続立体交差事業の高架事業は工事が進んでいて、旧の駅舎も解体工事が進み、今後新たな駅舎工事が始まっていきます。駅舎に関する西武鉄道との協議は行われていないということでございますが、新たな駅舎、特にホームドアの設置は生まれ変わった東村山駅の大きな PR になると考えております。ぜひ障害の方々のみならず、電車を利用する全ての方々の安全、安心感を高めることから、実現に向けて市として取り組んでもらうように要望して採択の討論といたします。
石橋光明委員・公明党) 国の「移動等円滑化の促進に関する基本方針・移動等円滑化の意義及び目標に関する事項」の中に、「ホームドアまたは可動式ホーム柵については、視覚障害者の転落を防止するための設備として非常に効果が高く、その整備を進めていくことが重要である…中略です…膨大な投資費用等の課題について総合的に勘案した上で優先的に整備すべき駅を検討し、地域の支援のもと可能な限り設置を促進する」と記載されておりました。この基本方針で記載されている視覚障害者へのホームドアの有効性を考えても、この請願の団体の願いであるホームドア設置の重要度が非常に高いと認識しております。設置基準が「1日平均の乗降客数が10万人以上」ということで東村山駅には設置するのは難しいのではないかと半ば考えておりましたが、先ほど発言した通り、東村山駅より乗降客数が少ない駅にも優先すべき事項があると先ほど伺いましたので、この件は設置検討のテーブルに乗って良いと考えております。よって東村山駅も優先すべき駅になると考えております。高架下に向けて駅舎ホームも新しいものになりますが、新駅舎が完成してからホームドアの設置となるとさらに多額な費用がかかるのは火を見るよりも明らかです。国の基本方針にも膨大な投資費用等の課題について、とある通り、そもそも多額な投資費用がかかるのでしょうから、10万人未満でなおかつ東村山駅より乗降客数が少ない駅と同様に、安全面ということは最大の目的でありますけれども、投資費用の効率から考えても設置検討すべきと思い、採択賛成の討論といたします。
山田たか子委員・共産党)私たちの暮らしの中で鉄道利用は移動のための必要手段となっております。そのためにどの鉄道事業者でも、安全で快適な鉄道利用者のための対策を講じておりますけれども、現場の駅のホームは常に転落事故や電車との接触事故が絶えない危険と隣り合わせとなっております。「想像で歩いているんだ」という視覚障害の方々の生活を想像してみていただきたいと思います。私は見えていても混雑したホームでは特に風圧や電車の勢いを恐ろしく感じることがあります。転落事故の件数としては視覚障害の方が2%ですが、これは障害の有無に関わらず請願理由にありますように、ホームドアは多くの人の安全確保と命を守るために有効な設備だと考えます。また東京都は、ホームからの転落や接触事故件数について東京都が設置補助を本格的に実施した2014年の翌年2015年以降は減少しているということも明らかにしております。第2次東村山市都市計画マスタープランの「暮らしとまちづくりの方針」では、ホームドアの設置も含めて安心安全な鉄道駅の整備を進めるとホームドアの設置にも前向きな姿勢を示されております。東京都が優先整備の視点を設定する「駅利用者の特性」や「駅の特性」に基づきますと、東村山駅は公民館や市役所、社会福祉センター、国宝級の建築物であったり、スポーツセンター、また高校など利用者が多い駅となっております。駅の特性としても、島式ホーム乗り換え駅といった特性があります。ホームドアの設置は後からの別工事ではなく、新設に伴う設置の要望を繰り返し求めて協議を進めていただきたいと考え、採択の討論といたします。
藤田まさみ委員・立憲民主)採択の立場で討論いたします。本年7月、 JR 阿佐ヶ谷駅で視覚障害のあるマッサージ師の男性がホームから転落、進入してきた電車と接触して亡くなる痛ましい事故がありました。また平成29年度におけるホームからの転落事故件数は2,863件で、そのうち視覚障害のある人の件数は65件。これらを見ると、視覚障害者にとってホームからの転落は命に関わる最も危険な問題ではあると同時に、健常者にとっても依然として発生件数の多い事故です。ホームドア設置はこれらの事故を防ぐ最も効果のある対策ですが、設置費用も高く、全ての駅につけることは不可能で、設置基準として西武鉄道は乗降客数の多さ1日10万人以上を第一に挙げ、その基準以下でも転落件数の多さを第2の基準としてあげています。しかし転落は死に直結する事故であり、転落件数が増えればつけていただけるのかという問題ではなく、尊い命が一人でも犠牲になる前に対策をとらないと意味がありません。西武鉄道は市内のほとんどの市民が利用する交通手段であり、その健全な運営は市民にとっても重要です。過大な費用を負って財務が悪化し運営に支障が出ることは誰も望んでいませんが、一方で日々利用する上で命を守ることは最優先課題であります。もし駅舎建替えと同時にホームドア設置が難しいのであれば、ホームドア設置に耐えられる条件などを満たしたホームを整備するなど、近いうちに設置を見込んだ措置をとっていただきたい。東村山市は第5次総合計画基本構想で命を最優先すると謳っています。東村山市はこれを踏まえて西武鉄道とこの件について前向きに協議していただくことを強く要望して採択の討論といたします。