「東村山市みんなで進めるまちづくり基本条例」に対する賛成討論(全文)

右肩下がりの時代、「あれもこれも」から「あれかこれか」の時代の中で、様々な立場や考え方を認め合いながら、市民総出で未来の東村山をつくろうという土台を共有し、「東村山市みんなで進めるまちづくり基本条例」の修正案と修正案を除く原案に賛成の立場から討論に参加します。

誰とまちをつくるのか、誰が街をつくるのか。
私がつくる。私たちがつくる。みんなでつくる。それしかない、と私も考えます。

選挙の時以外は俺たちに任せておけとか、いわゆるお仲間人事やら、「由らしむべし、知らしむべからず」では、もうどうにもならない、という意識から、この6年間は市民参加・市民参画、自治、協働の取り組みへと多くの転換が図られ、これまで市政には縁遠かった方たちが大勢関わり、新たな力を加えてくださいました。
若い方と歳を重ねた方、昔から代々暮らしている方と新しく住まわれた方、フルタイム市民と夜だけ市民…。大事だと思うこと、優先順位は十人十色、百人百色、15万2千通りでしょう。そこを何とか合意形成を図らなければ未来はない。一人でも多くの知恵と力なしにはもうやっていけない。
お任せ民主主義からの脱却と、誰も排除しないという信念を持ちながら、どんどん参加・参画していただく。本条例の成立は、これまでの取り組みを明文化し、標準装備とするということだと受け止めています。

条文の個々の文言について言い出せば、意見がないことはありませんが、手続き条例からスタートして積み重ねられてきた到達点として尊重したいと思いますし、傍聴を続けてきた審議会、市民会議、市民討議会等々、携われた方たちや、丹念に取り組みを支えた事務局の皆さんにも、敬意と感謝を申し上げたいと思います。

特定秘密法が曖昧さと危惧を山ほど残したままま国会で強行採決され、国家主義、排外主義へ加速することが大いに懸念される今、私たちのまち・東村山において、「基本理念」や「基本原則」を明確に掲げ、「市が保有する情報は市民のものである」と明記した本条例が提案、審議され、スタートを切ろうとしていることの値打ちは大変大きいと考えています。

7年前の12月議会最終日は、18,000筆近くの法定有効署名を添えた「東村山駅西口再開発」を巡る住民投票条例案が、事前の予測を覆して議会において可否同数となり、議長裁決で否決と決した日です。その徒労感たるや大変なものでしたが、一週間後、御用納めの日に、前市長の突然の退陣会見が開かれ、4か月後には現市政が誕生しました。当市にとって、敵か味方か、与党か野党かという不毛の対立から、新たな時代の扉が開かれた歴史的な時であったと確信しています。

住民投票が濫発されることを危惧するような意見が今日もありましたが、限られた期間に2万筆を集めるということは、本当に大変なことですし、まさに伝家の宝刀であります。
自分たちに決めさせてほしいという住民の意思は大変重いものと受け止めるべきだと考えます。ハードルとしては今少し低く、という思いも残りますが、議会での議決が介在しない「実施必至型」住民投票としては有権者の1/6の発議という要件には、十分理解をするものです。

今後は、市長や部長が答弁で明言された通り、住民投票条例と見守りに関する条例の着手に取り組んでいただくとともに、本条例に照らした市政運営が貫かれること、よりオープンで風通しのよい東村山市となるよう強く願うものです。これまでに携わられた方々へのフィードバックにも間違いなく取り組んでいただきたい。

本日、私たち東村山市議会は、「市民全体の福祉向上を目指し、信頼される議会であり続けるために」、議会基本条例を多くの議員の意思によって可決しました。よりよい解のために、互いを尊重し、合意形成を図ることの大切さを身を持って理解しました。
「市民総ぐるみで自分たちのまちは自分たちでよくしていく」自治体にしたい、という市長の言葉には大いに賛同しますし、その目標に向かって、私自身も議会人の一人として切磋琢磨することを約束し、賛成の討論とします。

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