尾張旭市の放課後児童対策に学ぶ(厚生委員会の視察から)

2日間の厚生委員会視察から戻りました。
昨日は尾張旭市さんの「放課後児童対策」。視察は多くの場合、先駆的な取組みや稀有な実践など、いわゆる先進自治体に伺うわけですが、今回、尾張旭市さんにお邪魔した最大の理由は、「私たちと同じような課題に直面して試行錯誤しておられる」という点でした。

都心部(名古屋/新宿)から30分圏内のベッドタウンで、市の規模が似ていて(尾張旭市21㎢/東村山市17㎢)、人口規模は少し違うけれど(83,500人/151,000人)子どもの数は目立って減っておらず、財政力指数はうちがやや見劣りしますが(約0.92/約0.81)、保育所や児童クラブの待機児解消が依然として課題になっている、という状況。

東村山市では現在、25か所の児童クラブのうち24を市直営として市職員が運営に当たり、1つだけ(野火止第2)民間事業者による指定管理者制度としていて、来春、新たに4つのクラブを小学校内に開設して、新たな指定管理者に任せることを決めています。今年4月現在の在籍児童数は計1,538人です。

尾張旭市では、【児童クラブ】公設公営6か所&公設民営3か所で705人+【学童クラブ】民設民営7か所で345人=計1,050人が在籍しています。
現在の規模まで拡大してきた歴史的な経過には違いがありますが、様々手を尽くして、待機児童解消や多様化するニーズへの対応を図らないといけないという点では、抱えている悩みは一緒でした。

東村山市ではこれまで、所定の申込期限までに手続きをした方については原則的に受け入れてきて、結果として施設規模に対する子どもたちが課題になるというクラブが複数出ており、これが今回4か所新設する最大の理由です。さらに今年度末をもって条例の経過措置が終了して、子ども一人当たりの面積要件(1.65㎡)を満たさなければならなくなるため、次年度からは施設規模以上の子どもたちは受けれることができない、ということになります。ゆえに市としては、より切実な状況にある1年生や2年生の入所を最優先していかざるを得ない、と判断するものと思われます。

尾張旭市でも中学年、高学年の居場所問題が課題となっていて、すべての子どもたちが放課後を安全に安心して過ごすための新たな方策として、小3~6年生を対象とした「児童館へのランドセル来館(ランらん)」を今年10月からスタートさせていて、23人の登録があるとのことでした。登録して事前に予定を明らかにしていれば、学校から帰宅することなく児童館へ直行でき、夕方になったら帰宅する、というシステムで、保護者とメールで子どもの状況を共有するようになっています。学校を活用した放課後子ども教室が「空き教室がない」という理由から実現していないための過渡的、短期的な対策だとおっしゃっていましたが、目の前の子どもたちのためにでき得ることを集中的に協議して実現させることは大事だと感じました。

市役所で説明いただいた後、近くの小学校内に開設されている児童クラブと、児童館でのランらんを実際に見せていただきました。
東村山市には、保護者と市で策定した「ガイドライン」があって、正規職員を厚めに配置する(国の基準では40名に対して2人だが、東村山市では3人)など、積み重ねてきた「質」へのこだわりがあります。一方で、「正規職員」と言っても民間事業者の場合は経験年数が極めて短い場合などもあることから、危惧もあることも事実です。

今回の学びを、自分のまちに合ったやり方、子どもたちにとっての最善が実現する方向へ活かさなければならないと思っています。

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