「東村山市民新聞」特有の報じ方を読み解く(その1)

草の根市民クラブの矢野穂積市議が発行人を名乗り、朝木直子議員が編集長を務める政治ビラ「東村山市民新聞」。

9月議会中途で朝木議員が草の根を脱会し、奥谷浩一・島崎よう子両議員と共に「東村山を良くする会」を結成したことから、新たに発行される号でどのような説明がされるのだろうか?と、一部マニアの間では注目されていた、かもしれません。

 

11月に入ったあたりから市内各戸に配布され始めた176号を見る限り、矢野発行人・朝木編集長という役割、紙面の体裁等には何ら変更はないようです。

さて、今回も他者への攻撃に忙しい同紙は、私に関してもあれこれと書いてくれていますが、彼らの攻撃を10年間受け続けている私もまさかこんな角度から石つぶてを投げてくるとは思わなかったよ、という件について、言われっ放しも釈然としないので、事実経過を説明しておきたいと思います。

それは、昨春の選挙で自民党から初当選し、つい最近(11月15日付)同会派を離脱した三浦浩寿議員の本会議発言の録画配信が削除された件について、です。

彼らのビラ3面「発行人・矢野議員の頁」にはこうあります。

(引用開始)

昨年12月市議会で一般質問した三浦浩寿市議の発言を収録した録画が、市のHPに質問者市議中一人だけアップロードされないで、全部削除され、まるで一般質問をしなかったような取扱いがされている。 議長(熊木)肥沼(自民)石橋(公明)佐藤(変)福田(共産)が「代表者会議」で決めたとされるが、何の基準もなくこの5人で勝手に決めたこの件について、他の議員らは何の説明もされておらず、最近事実が判明した。議会改革の特別委も開催されている中、極めて重大事態だ。会議録(ネット版)も、所属会派の申し出で一部発言を削除したとあるが、本人は削除に同意していない。

(引用終了)

さらに4面の「朝木直子議員インサイド・リポート」では

(引用開始)

▼「議会改革のトップランナー」(?)などと自称して昨年の市議選に出馬した人物(佐藤市議)が、何と、三浦市議の一般質問を収録した動画全部を削除することに賛成、三浦議員の発言は全部削除されたのです。 ▼「議会改革」が聞いて呆れる話ですが、判例など法的な根拠があればともかく、勝手に他の議員の発言をなかったことにするなどというのは、議会改革とは真逆な話です。

(引用終了)

 

お読みになった方は何のことやら全くわからないながらも、佐藤という議員は議会改革を標榜しながらよからぬことをやっているようだ、という印象をお持ちになるでしょうし、またそう思わせることが彼らの目的でもあるのでしょう。

 

情報公開請求によって入手した公文書には、6月21日の代表者会議を受けた内容が書かれていますが、私が最初にこの問題を聞いたのは年度替わりの頃の代表者会議だったと記憶しています。

その際伝わってきたことは、12月議会における三浦議員の一般質問「自治基本条例について」の発言内容を知った「自治基本条例市民参画推進審議会」の関係者の方から、「悪意に満ちた事実誤認がある」と連絡があり、自民党と三浦議員本人から見解を伺いたいとおっしゃっている、ということと、これを受けて自民党会派として既に公開されている三浦議員の録画配信を一旦止めてほしい、と申し出て、止めた、いうこと。

そして、肥沼自民党代表から「引き続き会派として誠意をもって対応したい」という発言がありましたので、私たちとしては聞き置くこととしました。

 

その後、一度この問題の中途経過について、

・相手方の指摘に基づいて確認したところ、三浦議員の発言の中に特定の方の実名を挙げて誹謗中傷に類した事実ではない発言が複数あることが判明したこと

・会議録の副本は2月半ばには関係各所に配布済みのために回収が不可能で、この点については相手方も了とされていること

・市議会HP上の会議録については、このまま放置することは訴訟問題にもつながりかねないと自民党会派として判断し、該当部分を削除することを求めていること

等が伝えられました。

はっきり覚えているのは、6月19日の代表者会議でこの問題が出された際に、私と福田議員が「三浦議員本人の申し出に基づく削除でなければまずいのではないか」と発言したことと、「市議会HPの関係するページのトップに一部削除についての掲載する」ことを全員で確認したこと。

そして、肥沼代表から「三浦議員本人は謝罪に応じずに自分としては困っているが、代表に一任するということなので判断する。会派として削除措置を取ってもらいたい」という趣旨だったと記憶しています。

 

そして6月21日の代表者会議で

・結論が出るまで配信を呈していた市議会HP録画配信の三浦議員分については、今後も公開しない。

・市議会HP内の会議録については、該当部分について削除する。

・上記2点については、市議会HPのそれぞれの頁の冒頭に説明分を挿入する。

の3点を確認し、直後にこのような形で「平成23年12月定例会会議録作成後、一般質問において一部不適切な発言が判明しましたので、所属会派の申し出により三浦浩寿議員の録画配信を削除しました。」とHPでお伝えしてきました。

 

三浦議員が行った一般質問の通告書は、昨年11月に私が自分のブログにスキャンアップしたので、コチラコチラに残っています。

ご覧のように、通り一遍のことを聞いているだけの内容で、「そんなことは自分で調べたり審議会を一度でも傍聴すればわかる話なのにな…」と思いながら聞いていたことを思い出します。

しかし三浦議員の狙いは再質問の時間にありました。

彼はそこで、質問ではなく「条例制定を推進している勢力というものに問題が集まっております」と突然切り出しました。

そして、これまで市の招きに応じて講師を務められた方や、現在の審議会関係者の方や団体の実名を次々に挙げて、「少し調べれば、すぐ背景が見えてくる方を有識者として招いている」「〇〇氏を講師に招いているということは、先導と言われても仕方ない」「革命は自治体から、合法的な革命をと、しっかりスローガンに掲げ、自治体から国家解体をもくろむ、そのような勢力」等と発言はエスカレート。

見かねた私は彼に向って、「そんな発言はまずいんじゃないか」「せめて審議会を一度くらい傍聴してからにしたらどうだ」「演説だったら駅前でやって来い」等と言い、熊木議長からも「三浦議員、質問をするように」「再質問はその前の答弁に対してするものです」等の注意が飛んだことを覚えています。

 

しかし結果として、不穏当で不適切な発言だと認識しながら、議会として事実の確認をしないままに会議録を公開してしまったのですから、当時の代表者会議の一員であった者として、そういう意味での責任を感じています。

今回開示された書類からも、連絡をくださった方からは、三浦議員の発言に明らかに名誉棄損に当たる部分があるとした上で、「誰かを批判するならば、せめて批判する個人や団体名くらい正確に確認すべきであり、批判に耐えうるだけの十分な下調べも最低のマナーである」と極めて当然の指摘がなされています。

 

実際、東村山市における自治基本条例の取り組みは、条例をつくるかどうかから丁寧に議論するための全国初の条例東村山市の「(仮称)自治基本条例」をみんなで考えるための手続に関する条例をまず議会で議決してからスタートしました。

その後も、無作為抽出の市民が無報酬で既に1年にわたって議論を重ねておられる「市民会議」や様々な手法を用いて、じっくりと取り組みが進められています。

三浦議員がろくに実態を見ることもなく、どこかで仕入れてきた情報を元に扇情的に叩いた経過や理由は未だによくわかりませんが、携わっている審議会の皆さん、多くの市民、職員に対し、極めて礼を失したやり方だったと思いますし、考え方はともかくも、事実認識として誤っていた点は詫びるのが筋だろうと思います。

 

今日この記事を書くにあたって、肥沼自民党代表に当時の経過を改めて確認しました。

「三浦くんから、代表者会議で決まったことには従います、という言葉を確認したから、あのようにしてもらったんだよ」とのこと。

矢野・朝木両氏のビラには「本人は削除に同意していない」と書かれていますが、私の知る限りの事実と、私の見解は以上です。

 

 

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