あらためて「中学校給食」について考える

学校給食展が今週金曜日(23日)まで、市役所いきいきプラザ1階ロビーで開かれています。おいしそうな実物が学校毎に並んでいますし、パネル展示内容充実しています。市の栄養士さんが当番でおられて、解説もしてくださるので、市役所にご用の際はぜひお立ち寄りを。

ということで、この機会に「中学校も小学校と同様に全員給食に切り替えるべきではないでしょうか?」という提起を改めてしたいと思います。
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この問題は議会の一般質問や予算委員会等で何度か取り上げてきました。

東村山市は、小学校は全校が自校調理でもちろん全員給食ですが、中学校は平成13年6月の第2中学校を皮切りに、15年10月までかけて全7中学校に導入しました。
小学校とは異なり、「弁当併用・外注方式」といいます。
市のHPにあるように、自宅からの弁当か、給食(スクールランチ)かを選ぶことができ、さらにメニューをAorBランチの2種類から選べる、というものです。献立は市の栄養士がつくり、調理は民間事業者1か所で全て対応しています。
注文したい生徒は、各学校に設置してある機械にプリペイドカードを入れ、翌週1週間(5日)分を頼みます。1食あたり300円です。
ただ、給食費の口座の残高が6,000円を切ったことに気づかずにいると、やがて注文ができなくなります。気づいて保護者が急いでチャージしても間に合わず、しばらく自前で昼を用意することになります。週明け間近にわが子から言われて慌てた、という話はよく聴きます。

なぜ全員給食でないのでしょうか?
これは、「弁当をつくってやりたいという親の愛情を妨げてはならない」という当時の市長の考えが強く影響していたことが当時の会議録等からわかりますし、今でも所管の教育部長などから同様の答弁がきますので、最も大きな理由だと考えてよいと思います。

私は15年5月に議会に入りましたので、導入時の議論には絡んでいないのですが、いわゆる恵まれた人たちによる「3歳児神話」と同じような論理だと感じます。まあでも、導入時の議論を今さらほじくり返すつもりはありません。
私が問いかけているのは、「今」であり、目の前の「現実」の話です。

私が耳にした現実とは、給食を頼まない生徒たちが、必ずしも「弁当の方がよいから」「弁当を持って行くから」頼まない、ということではないということです。

給食を注文する生徒は、7校でばらつきはありますが、5割~6割程度です。残りの生徒の内、保護者が手作りした弁当を持ってくる子どもが全てなら、市の願いどおりということになるでしょう。
けれど現実は違います。
コンビニ等での「買い弁」派が相当程度います。登校途中の購入は禁じている、と教育委員会は言いますが、そんなことにどんな意味があるのだろうか…と思います。
給食は1食300円ですから、普通に考えたら市販の弁当の方がいくらか割高でしょう。それでも、それが買える子どもはまだまし、です。
家族関係が複雑で保護者との関係がこじれていたり、ネグレクトというケースもあります。残金不足がわかっても親に言い出せず、総菜パン1個程度で日々を過ごすというケースも聴きました。
「弁当忘れました」と毎日のように申し出る生徒がいて、ふりかけを用意しているという先生の話も聞きました。周りの子どもたちも、本当に忘れたのかどうか疑問に感じます。なにより、その生徒本人は一番肩身の狭い思いをしているかもしれません。

学校給食展の一角に、「給食を通じた食育」が掲げられていました。
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P1010140市の給食のお米は、全て姉妹都市である新潟県柏崎市から購入し、生徒たちの口に入るわずか2日前に市内のお米屋さんで精米されて納品されるそうです。おいしいわけです。
牛乳は、殆どの自治体で大手メーカーの紙パック製品ですが、東村山市は低温殺菌のびん詰牛乳に3年ほど前に切り替えており、格段のおいしさです。
野菜も可能かなぎり地元の農家が栽培したものを使うようにしていて、定期的な協議も場も設けられています。子どもたちにとっても農家の皆さんにとっても喜ばしいことだと思います。
でも、実際には半数近くが口にしておらず、中学校において「給食を活かした食育」がどう実践されているのか、疑問を抱かざるを得ません。

もう一つ、この方式の「利点」として、給食費の未納が起きないということが言われてきました。全国から視察が殺到した時期もあったようです。
確かに先に支払うのですし、払わなければ食べられないのですから、未納問題は起きようがありません。
しかし、それでよいのでしょうか?
「取りっぱぐれ」はないけれど、子どもたちの「食いっぱぐれ」が起きているのではないか?と私は議会で重ねて問うてきました。

給食費の未納はもちろんダメですが、そこのやり取りは学校と保護者との間ですべきであり、その手間が省けることをよしとすること自体がおかしいと思いますし、保護者とのやり取りの中から新たな課題や対応策が見えてくることだってあるのではないか、と思うのです。

「もしも全員が給食を注文したら、製造能力はあるのか?」という私の問いに対する教育委員会の答えは「可能」でした。
しかしまた「親の愛情が…」云々が語られ、その根拠にはかなりの自信を持っている様子でした。

私は「親の愛情云々は、朝ごはんや夕ご飯で十二分に発揮していただけばよいのではないか?」と返しました。

私が指摘する事例は、ごくわずかなケースではあろうとは思います。
しかし、楽しいはずのお昼時に、愛情や経済的な面も含め、得も言われぬ格差を毎日のように心に刻まれる子どもを一人でも生む恐れがあり、実際には全員分を製造することが可能であることが明らかになっている以上、中学校も全員給食に切り替える時にあるのではないか、と考えています。

現役のお母さん、お父さん方は実際にどう感じていらっしゃるのでしょうか?
賛否両論あると思います。
ご意見をいただけたらありがたいです。

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