焼却炉運転業務委託は適正だったか?

今年1月19日の記事「かねてより指摘されていた特命随意契約業者への有名無実の指名停止措置」で書いた件の「その後」です。

3月14日、秋水園の焼却炉運転管理業務委託に関する入札が行われました。結果はJFE環境サービス(株)が1億4,250万6千円(税込)で落札。指名された6社中3社が辞退し、3社のみでの入札でした。

焼却炉運転管理業務 入札経過調書

業務委託には建設工事のような予定価格の公表制度がないため、落札率という値もありません。が、実は2月末には公表されていた市の新年度予算書には1億4,416万7千円という数字が明記されており、これが実質的な上限を意味することは明らかです。JFE環境の落札金額は、市予算額の98.85%にあたります。
そうすると、予算オーバーで落札不可能なことが一目瞭然な額で入札した2位(108.52%)と3位(116.53%)の業者の行為に疑問が湧きます。予算額も調べずに入札に参加した可能性が全くゼロとは言いませんが、形だけの入札だった可能性を強く感じるのは私だけでしょうか?
焼却炉運転管理業務契約については、金額が不当に高いとして数年前に住民監査請求が起こされた他、同じ業者(JFE環境)と無競争で随意契約を続けていることが市議会で指摘を受け、一度は「競争入札にする」と答弁したものの、市はその後も「老朽化して管理には熟練が必要なので、現在の業者でなければ難しい」と随意契約を続けてきました。

ところが、以前お伝えした通り、昨年10月半ばに秋水園でJFE環境による労災隠しが発覚。
同社は発生から半年遅れで市に報告し、市の担当も迅速な対応をとらず、市長も新聞報道で知るというお粗末さでした。
12月末、同社は労働安全衛生法違反で起訴され、有罪判決を受けました。そして3月の予算委員会では、私の「それでも随意契約を続けるのか」という質疑に「今後は競争入札にする」と答弁がされました。

12月議会で、私は業者と所管への厳正な措置を求めました。しかし新年度の契約に影響の出ない10月末から2か月間の指名停止処分のみ。同社は今回の入札参加が可能となっていました。

結果は、市の願い通りにJFE環境が落札。他の事業者には落札の意思がそもそもなかったとしか思えませんし、競争は形だけだったのではないか、と思えてなりません。

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