昨日の日曜日。
午前中は地域の緑道管理活動で汗してから、急いで着替えて「全国学童保育指導員学校」に午後の部から駆けつけました。
会場の明星大学は次女が最終学年でお世話になっている学び舎です。
19の分科会のうち、私は全国学童保育連絡協議会会長の木田保男さんによる特別講座「学童保育と指導員をめぐる情勢と課題」に参加させてもらいました。
木田さんには15年前に三多摩学童連協でお会いして以来、この仕事についてからも国の制度変更や、自治体としてのあり方等、節目節目でずっとお世話になってきました。
昨日も、直近の調査結果や厚生労働省の動向などをわかりやすく説明してくださると共に、いつもと変わらぬ熱き口調でのお話が続きました。
学童保育は保育園と違って施設や職員配置に法的根拠がありませんでしたが、「子ども・子育て支援法」の中で初めて位置付けられ、法の付則には「指導員の処遇の改善、人材確保の方策を検討」と盛り込まれました。
国の省令基準では、指導員資格の内容や児童の集団の規模(おおむね40名以下)が定められました。
さらに昨年3月31日には「放課後児童クラブ運営指針」が国により定められたことで、「育成支援」の考え方や、配慮すべき事項、障害のある子どもや特に配慮を必要とする子どものへの対応のあり方、子どもや保護者の人権への配慮等が示されました。
これらの動きは、15年前に一役員として関わっていた者としては驚くべき変化、前進であり、全国連協はじめ保護者や指導員さんたちの長年の取り組みが国を動かしたことに、心より感謝したいと思います。
そしてこの国の動きを踏まえ、すべての自治体で学童保育に関する条例が策定または改正されており、東村山市でも平成26年12月議会で「東村山市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例」を可決、施行しています。
あまり知られていませんが、東村山市の条例では多くの自治体の同条例よりも優れている点が2つほどあります。
1つ目は、配置する職員の数を支援単位(おおむね40名)ごとに3名としている点。
ほとんどの自治体では国の基準通りの2名となっています。
もう1点は、1.65㎡と明記された子ども一人当たりの面積基準について。
現状においてこれを満たしていない場合が大変多いわけですが、それをいつまでに基準通りにするか、ということについて、多くの自治体では「当分の間」として明記を避けています。
しかし東村山市の条例では平成31年3月31日と明記しています。
数年前には大型化したクラブに第2クラブを新設して順次対応しましたし、東村山市では他の施策に相当優先して対応、整備を重ねてきたと受け止めていますが、対象が従来の3年生から新たに6年生までとなったことで、新たな待機児童問題も発生しています。
障がい児が待機させられる問題も、早急な対応が求められています。
来年4月からは、現在25ある児童クラブのうち1つを初めて民間委託する方向で準備が始まっています。
保育園問題がこれだけ叫ばれている以上、その先にある学童保育へ問題がさらにシフトしていくことも間違いないことでしょう。
国が定めた放課後児童クラブ運営指針の第1章の2「放課後児童健全育成事業の役割」の(2)にはこう書かれています。
「放課後児童健全育成事業の運営主体及び放課後児童クラブは、児童の権利に関する条約の理念に基づき、子どもの最善の利益を考慮して育成支援を推進することに努めなければならない。」
対応が急がれる施策、課題が山積している中で、学童保育事業も持続可能なものとしてどう発展させていくのか…重要なテーマです。
昨日も会場には、様々な立場、特に民営のクラブの指導員さんたちが多くいらしていて、本当に熱心に学んでおられました。
子ども本位の内容を保護者と共に苦労しながら作っておられることもよくよく伝わってきました。
一方で、指導員さんたちの処遇の厳しさは保育園問題よりも深刻であり、子どもたちの育ちが懸念されるような実態が一部にあることも事実のようです。
このような学習の場や公民かかわらず現場に伺って学ぶことを通じて、東村山の子どもたちの最善の利益を追求していきたいと思います。