東村山市議会は4日間にわたる決算特別委員会を終えました。
賛否一覧は以下の表のとおりです。
文字でも起こしておきます。
27年度一般会計決算は、認定14(自民6、公明3、ともに生きよう!ネットワーク3、民進2)と不認定6(共産3、草の根2、市民自治1)で認定。
国民健康保険事業と介護保険事業の特別会計は認定15(自、公、と生ネ、民、市)と不認定5(共、草)で認定。
後期高齢者医療特別会計は認定18(自、公、共、と生ネ、民、市)と不認定2(草)で認定。
下水道事業特別会計は認定17(自、公、共、と生ネ、民)と不認定2(草、市)で認定。
尚、委員長(公)と、決算委員ではない正副議長(自&公)と議会選出の監査委員(公)は含まれていません。
9月議会最終日の本会議で、議長以外の全員で改めて採決を行います。
尚、予算は可決・否決と言いますが、決算は認定・不認定と言います。
会派としての一般会計決算に対する討論(意見表明)の全文は以下の通りです。
要した時間は3分半ほど。字面にすると長くなりますが、お読みいただければ幸いです。
27年度一般会計決算を認定する立場から、ともに生きよう!ネットワーク、会派としての討論を行います。
認定とする最大の理由は、予算策定時における編成方針に基づき着実な事業執行がなされ、その結果として、実質的に適切な範囲での黒字決算となり、将来負担を減らすという点でも前進を見たことにあります。
財政面の要因は、経常的、安定的な要素とは必ずしも言えないものであるだけに今後楽観はできませんが、であるからこその7億円余りを投じた久米川駅南口の駐輪場用地の買戻しであり、新たな手法も含めて十二分な活用を早期に実現させていただきたい。
昨年3月の予算審査時において、当時は東村山生活者ネットワーク、ちゃんと変えよう!東村山の2会派でありましたが、我々が重視した「生活困窮者支援」「子どもの貧困対策」「スクールソーシャルワーカーの新規配置」、そして「市民提案型公益活動」や「まちジャムや映画あん関連企画」へのサポート、公共施設再生やシティプロモーション等、市民を巻き込み、市民と一体となって進めてきたことを率直に評価したいと思います。中学生の広島派遣事業は、次年度、そしてその後の継続へとブラッシュアップを期待し、子宮頸がんワクチン接種後の体調変化等の状況調査、公表も評価するところです。
ほっとシティ東村山、学習支援事業デスク、そしてハローワーク東村山の開設によるセイフティネットの整備、拡充の取組みは、格差拡大の中で具体的な支援策として評価し、所管職員並びに現場のご努力に感謝申し上げたいと思います。
新たに取り組んだ図書館事業のマタニティ読み聞かせは、所管を超えた連携、市民との長年の信頼に基づく協働が発揮された好事例として、公民館は、ただのハコのリニューアルではなく、人の居場所として、市民と徹底的に向き合ってつくっていく、人があっての公共施設だという姿勢を評価したいと思います。
「公共の緑のガイドライン」策定や、創生総合戦略、公共交通会議、北山公園動植物モニタリング調査など、外部の専門的知見や市民の視点が活かされた取組みとして、今後、確かな果実につながることを期待します。
一方で、幼児相談室と教育相談室の統廃合によって、40年にわたって培われてきた地域ケアという視点が今後どうなっていくのか、当事者にとっての後退はないのか、注視しています。
スクールソーシャルワーカーは、急きょ時間数の配分を一部変えて福祉専門職を配置はしたものの、不登校児童・生徒を問題行動として捉えて学校復帰させること以外の選択肢は実質的にはなく、当事者の真の救済につながるのか、疑念は拭えません。福祉職主体への編成へと拡充していくことを改めて求めておきます。
前の市政からほぼ空っぽの財布を受け取って現市政がスタートして9年半になろうとしています。枯渇寸前であった財政調整基金は目標水準を維持するようになり、将来への一定の備えも作られてきました。「緊急財政対策を打った頃とは状況は変わった」と市長は答弁されました。今後、創意工夫やいわゆる役所的ではない発想も大胆に活かされることがなければ、市政前進の最大の推進力である市民力、そして市職員の意欲が上がってくることは難しいのではないかと考えます。
参加と協働を掲げた市政として、縦割りの垣根を超えて「一緒にやる」ことへ本気度を見せていただきたい。今回の決算審査の中でも多くの分野で「連携」「全庁的」という答弁がありましたが、本当にそうなっているのだろうか?と思わざるを得ない面も少なからずあり、そのことについては今後さらに議論を深めていきたい、と申し上げ、討論とします。