今日(12月4日・日)は、国立教育政策研究所主催の「いじめ問題国際シンポジウム」に参加。
文科省講堂には200名以上の方が来られていました。
内容からいって現場の先生方が圧倒的に多かったのではないかと思います。
10年前の第2回シンポジウムの時に、日本では小学校4年生から中学校3年生までの6年間で、9割の子どもが暴力を伴わないいじめ(仲間外れ、無視、陰口)の被害者にも加害者にもなっている一方で、暴力を伴ういじめは一部の特定の子どもが繰り返しているという調査結果が明らかになり、他国に比べて暴力を伴わないいじめが格段に多いという課題が明らかになったのだそうです。
それから10年。
日本、スウェーデン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、韓国等々、国を越えての共同調査が行われ、いじめを減らすための取り組みが地道に重ねられてきたとのこと。
その結果、
・いじめは、いじめっ子といじめられっ子というような個人のプロセスではないこと。
・傍観者になる圧倒的多数の行動をどう変容させていくのかが重要であること。
・短期的でばらばらの取組みや、校長のトップダウンによる取り組み、もっぱら「問題」にばかり焦点を当てた特定の子どもへの個別対策では効果が小さいこと。
・誰もが楽しい、授業がよくわかる、みんなで何かをするのは楽しい、と思える「学校の風土」づくりをみんあで取り組めるかどうかが極めて重要なこと。
・人は誰しもパーフェクトではないので、教員が内省的であるのか、よき学習者になれるのか、同僚や親と共に学び、改善していきたいと考えられるのか。生徒と共にカリキュラムをつくれるのか。
・批判して罰を与えるのではなく、プログラムや防止の取り組みこそが重要。
等々の報告や提言が各国の研究者からありました。
先月学びに行った公益社団法人 子どもの発達科学研究所主催「いじめを無くすために出来ること」in東京~科学的調査からわかる いじめの実態と支援の方法~でも、「学校風土」の重要性、圧倒的多数の傍観者の意識と行動を変えていくことの重要性が示されていました。
現在、7会派11名で進めている政策研究会「いじめで泣く子を出さないために」の中で共有するとともに、議論を深めていきたいと思います。k