ひと区切り

足掛け5年にわたった「秋津駅·新秋津駅間に点字ブロック敷設を実現するプロジェクト」。
点字ブロックではなく代替手段としての凸凹付白線(ステップガイド)だけれど、両駅の改札口から改札口が1本のラインでつながり数か月が経ちました。

その後も社会への周知や理解促進の取り組み等をめぐって月イチの会議は重ねてきましたが、ここらでひと区切りつけましょうということになり、先日の日曜日お昼過ぎから東村山駅西口ビル内の公益施設イルソーレで、打ち上げ会がありました。
打ち上げ
今回は総勢11名でしたが、視覚障がいの方、車椅子の方、ガイドヘルパーの方、時には歩行訓練士の方、まち歩きや試作品のチェック等の際には市や都の担当者の方々……実に多くの方の関わりで続けられてきた活動です。

報告書
会としての活動報告書も手作りでまとめられ、それぞれの方から一言ずつの感想が述べられました。

メンバー最年長のTさん)

こうして活動を続けてきてよかった。初めから諦めてしまうことが多いが、障害者も黙っていてはダメだと思った。本当に歩きやすくなったと思う。

ガイドヘルパーYさん)
当事者にとって必要なものが無いことさえもふだんは認識していない自分に気づいた。

メンバー最年少のUくん)
皆さん5年間おつかれさまでした。何事も為せば成る、ということだと実感した。

ガイドヘルパーNさん)
最初は行政から「できない」と言われて無理だと思ったけれど、連携をとって本気になって頑張ればできるんだと知った。

ムードメーカーのMさん)
最初は3人くらいで集まって始めた。いろいろあったが、やればできる、やらずにできるはずがない、ということ。自分はあの場所をあまり使ってはいないけど、できあがったことで助かる人が増えてよかったと思う。

ガイドヘルパーAさん)
声を大にして動かないと出来上がらなかったと思う。粘り強く交渉して進めてきて、形になったことは私たちの自信になると思う。私自身が勉強させてもらった。

みんな先生と呼ばれる精神的支柱のSさん)
それまで何にもなかったところにあの白線ができて、歩きやすくなりました言われて、本当によかった。とても精度の高いナビや新しい技術が使える時代も近いかもしれないが、みんなで力を合わせてやったことが財産であり、とても感慨深い。別の場所で視覚障がい者にとって使いやすい施設にするための運動を始めているが、代表のしぶきさんのやっているようにはなかなかできない。感謝している。

唯一の東村山市民でご意見番的存在のHさん)
あの箇所(秋津駅・新秋津駅間)は東村山で利用する人をあまり知らないので、最初は「まあ頑張ってください」という気持ちでいたが、代表から活動を伝えるメールもらう中で、東村山内のことなのに放っておけないという義侠心から参加するようになった。
今では実現してよかったと思うが、目標を同じくすることによる活動のエネルギーはすごい。決して一人では実現したかった。2人だだから2倍、3人だから3倍ではない、もっと大きな力が出るのだということを、久しぶりに実感した。また声をかけてもらえれば嬉しい。
みんなのチカラが行政を動かした。都や市の職員も一緒に歩いてくれた。70歳を過ぎてホントにいい経験ができた。

代表のしぶきさん)
いつもあそこを通勤に使っていて「とても困っている」と夫に言ったら、「俺に言ったってどうにもならないでしょ」と言われ、知り合いだった所沢の谷口市議に相談したら、東村山市長へのメールを教えてくれた。しかし当初の回答は厳しいもので、その頃に谷口さんの紹介で佐藤市議に会った。
親しい人たちと会の名前を考えるところから始めて5年余り。今では活動を伝えるためのメール便は120人の方に送っている。
東京都きたきたけん(北多摩北部建設事務所)のNさんや東村山市の職員さんたちに感謝している。歩きやすくなって本当によかった。
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私自身も、皆さんとのかかわりの中で実に多くのことを学ばせてもらいました。
視覚障がいと一口で言っても、見え方(見えなさ具合)、見えなくなった原因や経緯、白杖の使い方、もちろん性格も…お一人おひとり当然みんな違うので、必要とすることも少しずつ違っている、という当たり前のことを、私は当初理解できていませんでした。
また、これまで多くの場面で差別的な扱いを受けたり(相手方はそうとは思わずに、も含めて)、意見を軽んじられたりしてきた経験をお持ちの方が多く、それでも辛抱強く行動を続ける姿には、何度も心動かされました。

敷設されたステップガイドが今後どの程度劣化していくのか、道路上の放置自転車や危険な状態で張り出している看板などは減っていくのか等々、半年後にまた集まって点検や意見交換をしましょう、ということで散会となりました。

皆さん、本当におつかれさまでした&ありがとうございました。
当事者を真ん中に一つの施策が実現したこの経験を糧として、今後の活動や提案につなげていきたいと思っています。

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