議会基本条例12条に基づき閉会中の文書質問を行ったところ受理され、私の質問書と市長名による議長宛の回答が市議会HPにアップされました。
テキストを記事後半に掲載します。
テーマは、【所沢市「ところバス」の多摩湖町地域への乗り入れについて】です。
議長と市当局の速やかな対応に感謝申し上げます。
回答書を読んでみると、明後日(9日)開かれる「地域公共交通会議」での議論が極めて重要な意味を持つことが確認できます。
交通不便地域に公共交通が整備されることに反対する人はいません。
しかし…
それが真に困っていて必要としている人たちのニーズに合致するものか、市内の他の地域の根強い要望に先んじて踏み切るべきものなのか、一旦始めたらおいそれと取りやめるわけにはいかない税金からの不足分投入は他の路線と比べて適切なものなのか…等々、事前に根拠を示した説明がなされ、地域公共交通会議でゴーサインが出され、そして議会の多数が賛同して予算化を認めるという手続きを丁寧に進めなければならないことは明らかです。
また、この回答書が、今後の文書質問の先例になるのではないか、と考えると、納得いかない点もあります。
回答の1番目は、「市の附属機関で報告する」とはしていますが、議会に対する回答としては甚だ不完全なものに思えます。
「現段階では〇〇〇という差支えの理由があるので9日の会議までは知らせることは控えたい。終わったら報告します」ということなのか、「議会には答える必要はない」ということなのか、「9日の会議で報告するから傍聴に来い」ということなのか。
「収支率40%に代わる算定方法を現在検討している」としていますが、いつまでに明らかにして、どのようにその妥当性を説明するつもりなのか、この回答書ではさっぱりわかりません。
そしてやはり、6月議会で指摘したように、地域公共交通会議で合意がされればOKかのような姿勢には、疑問を持たざるを得ません。
市長として説明責任を尽くして提案し、唯一の議決機関である議会で熟議、議決することが必須なはずです。
所沢市側の利用者や対象地域の方たちの意向は確認されたのでしょうか。
所沢市の地域公共交通会議では十分な議論が行われるのでしょうか。
そして、所沢市議会では、どのように情報の共有と議論が進んでいるのでしょうか?
明後日(9日)の地域公共交通会議は午後3時から5時の予定で、市役所6階の第2委員会室で開かれます。傍聴に出向こうと思います。
質問と回答は以下の通りです。
本年6月議会で私の一般質問に答弁いただいた点につき、直近の状況を伺います。
当市としては丁寧に検討していく旨の姿勢と受け取りましたが、本件は「所沢市のバスが乗り入れてくるものなので、現行のガイドラインとは違う手続きになる」「ガイドラインに基づかない初めてのケース」とする一方で「スケジュール的には同様」「なるべくガイドラインに沿う」とも答弁されました。市内バス路線の新規開設については、市内全域から要望の強い事項であるため、手続きの公平性や公正性、後年にわたって費用負担をすることの妥当性等、重要な論点がいくつもあります。私たち議会が判断する根拠としては、多大な労力と時間をかけて策定した「ガイドライン」と、それを踏まえた地域公共交通会議における議論が極めて重要なものとなりますが、ガイドラインの埒外であるとすれば、市民への説明責任を如何に果たすかという懸念は尽きません。また6月の所沢市議会において、本件は当市から本年4月に申し出たものであることや、極めて具体的な今後のスケジュールを示しての答弁がされています。これらを踏まえると、9月議会を待たずに現状を明らかにしていただくことが不可欠と考えています。
1.地域住民に対するアンケート調査の結果はどのようなものとなりましたか。
回答)アンケートの調査結果につきましては、8月9日に開催いたします「東村山市地域公共交通会議」にて、報告いたします。
2.「収支率40%については準拠せざるを得ない」とのことでしたが、どのような見通しになりますか。この場合の計算式はどのようなものでしょう。交通不便地域としての課題は重々承知していますが、今後への影響を考えれば、最終的には市長答弁にあるように費用の妥当性により判断することになるはずですので、算定根拠は重要と考えます。
回答)広域連携については、例えば、所沢駅から東村山市内のバス停までの利用客は、どちらの市の収入にするか判断できないという課題があり、実際に運賃収入額を算定することができません。従いまして、収支率の40%に代わる算定方法を現在検討しているところでございます。
費用負担につきましては、他市の広域連携で算定方法として採用している路線延長に基づいた距離按分での費用負担が妥当だと考えております。
3.所沢市議会6月定例議会の一般質問(6月16日)において、本件が取り上げられ、質問者は「(所沢市側から)ちょっと右側に7、8分くらい寄り道をするだけで、東村山市から費用の負担をいただき、さらには都県境を越えた住民福祉の共有、所沢駅にも行ってもらえる。いいことずくめでデメリットが全くない。どう対応するのか」と問い、答弁者は「今後も協議を重ね、乗り入れの早期実現を目指す。所沢市としての次回の路線見直しが平成30年10月予定なので間に合わせるべく地域公共交通会議に諮問を行い、今年度中には受諾できる答申をいただいて、乗り入れに向けての具体的準備を進めたい」と、後ろを切った上で、実施を前提とした答弁をしているように見えます。
所沢市としてはいいことづくめであっても、年額400万円と言われる公費負担をするのは当市であり、冷静に事業の成否を検討すべきと考えます。今後の進め方について考えを伺います。
回答)同地域については、民間路線バスとの競合問題や道路幅員等の問題があり、数年間なかなか代替案が見つからない状況でありました。こうした経過を踏まえ、今回の広域連携が多摩湖町地域の交通不便地域解消の方法と考えております。その中で、今回の俎上に上がっている、所沢市との広域連携は、両市に地域公共交通会議が設置されていることから、それぞれの地域公共交通会議で議論され、広域連携について、それぞれ合意される必要があります。
今後は、今回の需要調査の分析結果を基に8月9日に開催いたします「東村山市地域公共交通会議」にてご議論いただき、その結果を基に、具体的な対応を行っていきたいと考えております。
以上