日野市自殺対策シンポジウムから

昨日は、日野市で開かれた自殺対策シンポジウム「ともに生きる地域社会のために」に出向きました。
日野市は来年3月議会に向け、「(仮称)自殺総合対策推進条例」策定を進めています。日野市自殺対策シンポジウム
シンポジウムでは、まず当事者であるお二人の遺族の方のお話がありました。ツイッターで現場から少し報告をしてはいましたが、伺っていて本当にきついところは、つぶやけませんでした。
ただただ、自殺を個人の問題とすることなく、社会全体の問題として、地域社会が受け止めていける仕組みづくり、基礎自治体として手を打ち始めることの大切さを感じ続けていました。

私は12月議会の一般質問で、「生きる支援としての自殺対策」として、初めて自殺の問題を正面から取り上げることにしています。
しかし、先日、北千住で開かれた足立区主催のシンポジウムもそうでしたが、こういう場は質問のため、などではなく、私自身の人生にとって本当に大事な場だと感じます。
12月2日(木)の午前中に立つ見込みですが、何ができるのか、どうしたらよいのか、をともに考える最初の場としたいと思っています。

昨日のツイートに若干加筆修正をして、報告させていただきます。

13:36 日野市自殺対策シンポジウム「ともに生きる地域社会のために」に来ました。平塚市に次ぐ2例目の条例制定を目指している、と司会者。13:48 馬場市長挨拶。日野市でも40名ほど。殆どの人が他人事と思っているが、そうだろうか…。今まで話したことはないが…実は、母の弟が若い頃に自死、だから母が息子がそうならないように育ててくれたことが後になってわかった。三親等まで広げたら、身近な問題ではないだろうか。13:49 馬場市長挨拶続き。3月議会には条例提案したい。まずは職員研修をして受け止める窓口をつくりたい。学校の先生方との連携。推進役・コーディネーター養成も重要。今日はぜひ自分に則して考えてほしい。今日の場を条例にいかしていきたい

14:07 自死遺族のメッセージ「大切な人を亡くした体験を通して伝えたいこと」として、若い弁護士の和泉貴士さんのお話。お母様を亡くしたいきさつをとつとつと。悲しいと感じるより苦しかった。自殺は全ての人に起こり得るリスク。経済苦、家族問題、多重債務、病気、雇用…全く無縁でいける人がいるのか?

14:13 個人のリスクを社会化しなければならない。自死遺族支援弁護団を結成した。今までは自殺予防が主流だったが、精神的に追い詰められている遺族の問題がきわめて重要。法的支援の重要性。相続放棄を知らないがために、亡くなった夫の多額債務を背負ってしまう事例。

14:18 和泉さんの続き。賃貸物件の大家やホテルから遺族に巨額の損害賠償請求がされるケース増えている。保険のトラブル等も多い。支援活動続けていきたい。

14:20 続いて、ご主人を亡くされた南部節子さん。自死遺族は三百万人いる。私もその一人。それまでは生きていれば何とかなる、他人事と思っていた。定年になったら、と楽しみにしていた夫が、あと2年が辛くて亡くなった。なんで気づいてやれなかったか、と後悔の毎日。夫のうつがわからなかった。

14:31 南部さんのお話の続き。なんで?と本人に聞きたいが、亡くなった人は戻ってこない。本当につらかったね、と話を聞いてくれた友人がいたことで助けられた。後で考えると…と遺族はみんな悔いている。忘れることは決してないが、二度と同じような人を出さないように願って活動を続けていきたい。

14:48 南部さんのお話の続き。遺族の傷は見える傷ではないが、未遂者の話を聞いて納得できることもある。辛くて死を選んだ夫を救えず、本当に辛いのに死にたいと思わない自分を責める。なんで、なんで、という相手への怒りにも似た気持ちも。

14:49 仕事ができません、なんでかわかりません、すみません、と死んでしまった夫。生きていたらどうしたんだろう?と考えながら生きていきたい。と南部さんのお話が終わりました。

14:53 自殺対策シンポジウム。パネルディスカッション始まりました。まず大坪健康福祉部長。対策基本法には国及び地方公共団体の責務。議会でも18年から4回にわたり質問。職員間でも3年間勉強会を続けてきた。昨年7月から検討委員会を7回開催。市民委員枠3名を大きく超える応募。関心の高さ示す。

14:59 大坪部長の続き。足立区、富士市、栗原市等、条例がなくとも施策進めている先進自治体にも学びながら、日野市では市民参加で条例化めざしている。相談窓口の設置、事業者、学校の責務、コーディネーター養成等が特徴。介護疲れ、いじめ等、現在の業務を捉え直したい。

15:03 大坪部長の続き。今のような形式的な庁内連携ではだめだと考えている。「つなぎ」と「戻し」が重要。市役所で言われる今までの「つなぎ」は、ともすると「投げ渡し」でしかなかった。条例を通じて真の連携を目指したい。

15:08 続いて高塚雄介明星大学教授。虐待、引きこもり、自殺は、底辺でつながっている。交通事故の6.7倍。国際的にはロシアがワースト。日本は6番目。イギリスの4倍。若い人たちが増えている。日野市でも昨年また増加。経済的要素だけでは語れない。

15:12 高塚教授の続き。自殺の要因として、うつ病だから、と言われるが、必ずしも正しくない。病気により、周囲の人間関係が狭まり次第に孤立する。他人に助けを求めにくい性格もあり、絶望感が肥大していく。うつ病だから治せばいい、という単純な論理ではない。

15:17 さらに高塚教授。絶望感とは…生きる力が発揮できない状態。では、生きる力とは何か?アグレッション(攻撃)のエネルギーが対象を見失うと抑うつ状態になる。攻撃対象が自分に向かうと自殺につながる。多少エネルギーが復活した時期が危ない。「まだ無理しないでいいんだよ」が大切。

15:20 まだまだ学んでいたいのですが、矢野朝木両氏に訴えられた裁判の打ち合わせが3時半から立川であるので、これにて移動です。残念無念…。あ〜心底うざったい。

15:23 自殺対策という視点だけでなく、心の健康を維持発展する地域社会をつくることが何より大切、と検討委員会では集約された。と座長を務めた高塚教授。パネルディスカッションはまだまだ続きますが、私はタイムアップ。

「市長を14年やっていますが、職員にも一度も話したことはありません。こういう場があるから、今日私も話せます」とご自身のことを切り出した馬場市長。
パネラーとして、総合的な対策に市として動くことの重要性を説いておられた大坪部長。
いずれも原稿なしで自分の言葉で語られている姿が印象的でした。

余談ですが、目の前の席には、この夏に日野市の職員から教育長になられた米田裕治さんがおられました。
私が20歳の頃から公私共に本当にお世話になってきた先輩であり、親仲間でもあった米田さん。
もちろんトレードマークのジャージ姿ではありませんでしたが、お声をかけると昔どおりの気さくさで話をしてくださいました。本当にうれしかった。
さらにもうお一人、うれしい再会が。
15年ほど前、ひの社会教育センターの職員として高齢者の健康づくり出張事業「いきいき体操」を担当していた頃に、参加者で来てくださっていた日野台にお住まいの男性・岡さんが、昔と全然変わらないカッコよさで座っておられました。
「どこかで議員やってるって聞いたけど、東村山なのか。体に気をつけてがんばってな」と。

ありがとうございました。がんばります。

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