地方議会と会派の話

レポート89号をポスティングして歩いてきました。見開き面(P.2&3)の記事【My Opinion 地方議会と会派の話】を以下、テキストで掲載します。少し長いですけど、お読みいただけると幸いです。


《My Opinion 地方議会と会派の話》

昨年末から3月にかけ、朝日新聞東村山市議会の「会派問題」が幾度か報じられ、問い合わせをいただくこともあります。 そもそも、地方議会における「会派」って、なんでしょう?

▶憲法にも地方自治法にも「会派」という言葉はありません。運営に必要と考えた議会が、それぞれルールを定めて進めてきたに過ぎないので、1人でもOK、という議会もあれば、2人以上や3人以上という議会も数多くあります。考え方に善悪があるわけではなく、議会によっても議員によってもまちまち、というのが実態です。「全てを絶えず全員で議論すると結論が出づらいので、考え方の近い人でまとまり、その代表で協議した方が効率的」というのが、大多数の地方議会が会派制をとる最大の理由だと思います。

▶東村山市議会も昔から会派制をとっており、私自身は初当選以来、通算約8年間を1人会派として活動してきました。現在は、2年前の市議選後に立憲民主党の「かみまち弓子」「藤田まさみ」、東村山生活者ネットワークの「白石えつ子」、一貫して政党や特定の団体の支持を受けない私の4人で話し合い、議会運営に責任ある立場で参画するために、「つなごう!立憲・ネット」を結成して活動しています。(※藤田議員は令和2年4月末で離脱)

▶️東村山市議会が令和2年12月に「会派は複数の議員で構成する」と条例改正したことで、1人会派への差別だという声が議会内から上がりました。しかし以前から自民党や公明党は「会派は3名以上とすべき」と主張していたので、実際には「2名に譲った」という側面があります。また東村山市議会には「2人以下の会派の議員は相互に協議の上、交渉団体を構成できる」とする他の議会にはない珍しい規程があり、1人でも2人でも協議すれば代表者会議に代表を送ることが可能な仕組みです。その上で、確かにその懸念が残ると考え、私たちの会派3人で「議会内での発言の機会や議会運営における取扱いに際して新たな格差を生じさせることのないよう、また、多様な意見が反映されるよう配慮する」とする附帯決議を提案し、自民、公明、鈴木たつお議員の賛同を得て可決しました。その後の議会運営は、この決議を踏まえて進められています。

▶️私自身、1人会派だった時期に、「少数会派も参加させるよう」に他の議員らと共に当時の議長らに求め、「3人以上」であったものを実質的には2人会派なら可能というところまで変えました。一方で、1人会派だった頃は、あらゆることを自分で考えて判断できる醍醐味がありましたが、複数名で会派を組んでからは、情報共有と合意形成に時間とエネルギーが必要ですし、自分の意見通りにはならないも多々あります。予算や決算審査の1人当たりの持ち時間は1人会派が最も多く与えられています。ゆえに必ずしも「1人は不利」ということにはなりませんし、市民生活に最も身近な市議会議員は、組織の看板ありきではなく、「1人でやる覚悟」が大切なのではないかと考えています。

▶️市議会は国政と仕組みが全く異なる二元代表制なので、「与党」「野党」が制度上存在しません。建設的な議論を通じ、議会として必要な条例を提案したり、制度を作り替えていくことが極めて大事な役割でし。国政と同じ対立構図だけで批判に明け暮れたり、市長与党だから質問しない、などということでは、責務を半分も果たしていないことになります。人口が減り、税収が減り、困難な課題が山積する時代、議会の優劣がその自治体の存亡を左右する日が来ると考え、私は議会改革に全力を挙げてきました。

▶️東村山の場合は25人の議員がいますので主義主張も25通りあります。政策論では激しく議論しつつも、議会運営については、互いの存在を尊重し、その主張に耳を傾け、譲るところは譲り、よりよい解への合意形成を図り、出した結論には共に責任を持つという大原則を私たちは忘れてはいけないと思っています。

▶️コロナの影響により、集まっていただく形での「議会報告会」が1年間開催できずに来ましたが、5月には、万全の感染対策を講じた上で開催できるよう、市議会として準備を進めています。議会としての説明責任を果たし、市民の皆さんの声を不断に聴く場として必要不可欠な「議会報告会」を協力しながら全議員が出席して実施できるよう、私自身も努力していきます。

▶東村山市議会「議会報告会」日時:5月15日(土)午後2時~3時半(従来より短めです)会場:市民センター2階第1~第3会議室定員:45名(会場定員の半数から、議員・職員分を除いた数です)★4月30日にリアル開催の可否を判断した上で、事前予約制とする予定です。(詳細は市議会HPで)★会場からのインターネットライブ配信も行えるよう、議員たちで準備を進めています。

コメントは受け付けていません。