「子ども・子育て会議」に思うこと

14時からサンパルネで開かれた「子ども・子育て会議」を傍聴。傍聴者は小林美緒議員と私。 第2期子ども・子育て計画の進捗状況報告書(4年度版)が協議される中、3~5歳児の待機児童が0人となった状況を「十分な保育の受け皿を確保できた」と表記することに異論が出ました。

当市では近年、ビルの空きテナントを中心に民間事業者による「地域型保育施設(小規模認可)」誘致を進め、待機児数を減らすことを最優先してきました。東村山駅西口や新秋津駅近くにも開設されましたが、結果として0~2歳児19名程度を預かるには足りる物件が豊富な久米川駅周辺に10施設近くが集中。

これらは全て0~2歳児施設なので、3歳児に上がるには改めて就学前までOKの施設へ申請が必要。しかし現実にはフルタイムで働く親が希望する認可保育所やこども園の枠では足りず、幼稚園に入って預かり保育を利用したり、一時保育や他の手段の利用を余儀なくされている方たちが結構な数に上っています。

すべての方が希望通りに…は無理にせよ、希望と大いに異なる状況でも仕方なく…という方は多いはず。今日も「車を運転しない保護者が2人の子を自転車に乗せて秋津から廻田へ通っている」という例が委員さんから示されました。それを「十分確保できた」と言えるのか?という指摘は当然だと思います。

ところで、コロナ禍で会議が中止やオンラインになったこともあり、久しぶりの傍聴でした。6月議会では「子ども・子育て会議条例」を一部改正し、市の努力義務の「こども計画」策定を所掌に加えました。今後「若者政策」も議論することになりますが…私は議決時に次のように意見を述べました。

▷本来であれば、東村山市としては未知の分野ともいえる若者政策を包含する自治体子ども計画の策定に当たっては、集中的に取り組める別組織が望ましいと考えてきました。 しかしながら、子どもを権利の主体とした「こども基本法」施行に伴う「自治体子ども計画策定」に少しでも早く着手いただき、必要な会議の機会を確保し、十二分な議論を経て、時代に相応しい内容となることを望む立場から、子ども・子育て会議に計画策定を担っていただくことを定める本議案に賛成をいたします。

その上で、以下何点か。 若者政策については当事者にも期待しますが、子どもの権利条約の視点、子どもの権利擁護の立場で実際に活動してきた有識者を意識的に位置付けることを切望します。弁護士、大学関係者、NPO法人等、若者政策に精通している方を選任いただくべく力を尽くしていただきたい。

前身の児童育成計画推進部会の立上げ時から傍聴し動向を注視してきましたが、近年の会議のあり方については幾度か意見を述べてきました。(中略)事務局からの報告が大半を占め、せっかく識見のある方たちに集まっていただきながら、行うべき議論が十分にできているのか?という懸念を抱いています。

かつてレインボープラン策定時には、分科会や作業部会で十分議論を重ねたことが、その後の政策の進展や関係者の信頼に繋がりました。委員の力を十二分に反映できるよう工夫と努力を。園長会を始め横の繋がりが薄れたことを懸念する声も小さくありません。会議体の充実を強く願って討論とします。(了)

と長々書きましたが、「この会議では市の子育て支援の全体像は見えない」「(待機児)数の解消が出来た後は、満足度を高める次の政策を打つべき」等、当市の教育・保育の現場を担って来られた委員さんたちの指摘を正面から受け止めなければならないと痛感しました。所管はどう受け止めたのでしょう?

最後に。せっかく忙しい人たちに集まってもらっているのに「計画の進捗管理の場」にほぼ終始し、子ども・子育て政策の全体像や将来像を語る場にしていないことが本当にもったいないし、別の場でもいいので、当市の施策の経過や外の状況も理解している方たちの力をもっと借りるべきだと強く思います。

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