6月議会最終日に行われた「緊急質問」について

6月3日から続いていた6月定例議会が閉会となりました。

最終日の昨日、全ての議案に結論を出しところで、渡辺みのる議員から「小池都知事に都内自治体の首長が出馬要請を行った件について緊急質問を行いたい」旨の動議が提出されました。

すぐに議事日程に追加するか否かが諮られ、13対11の賛成多数で可決となり、質問時間を決める議会運営委員による協議が行われた後、16時20分に再開されました。

これに先立つこと数時間前…開会前に渡辺みのる議員が控室を訪ねて来て、

・先月、小池都知事に対して都内自治体の首長が出馬要請を行い、当市の渡部市長も名を連ねた件について、なぜそんなことをしたのか、知事側から要請があったという報道は事実なのかなど、緊急質問という形で質したい。

・そのためには、本日の本会議で動議を提出し、議事日程に追加することが諮られるので、ぜひ賛成してほしい 旨の話がありました。

私が経験してきた21年間では緊急質問がおこなわれた記憶はありません。私は、

・報道された件は私も問題だと考えていて、その日にSNSにもアップしており、渡辺議員とほぼ同じ認識に立っている

・一方で、緊急質問には要件があり、該当するのか?なにが緊急なのか?という点で疑問がある

・告示を迎えて選挙中の段階で議会として行うことにも懸念がある。報道された後、6月議会初日や3日間行われた一般質問の日等に行うべきだったのではないか?

等をその場で答えた上で、会議規則や議員必携を開き、ネット上でも事例を探し、緊急質問を認めるべきかどうか考えました。

15時の休憩時、「追加の議題とすることを認めるべき」という結論に達し、議長、渡辺議員にその旨を伝えに行きました。

上記の疑念が自分の中ですべて消えたわけではないのですが、これまで東村山市議会では、決議や意見書等を議題にしたいと提案する議員があっても、その内容以前に議題とするか否かの段階で過半数の壁が立ちふさがり、多くが日の目を見ずに終わるのを数多く見て来ました。そのため私はおもに過半数を持っている側に対して「複数名の賛同があれば議題として取り扱った上で、質疑や討論を通じて是非を論じて可決なり否決なりした方がよい」と事あるごとに言ってきました。この一点に立ち返ると、要件や手法に疑問が残ったとしても、私がNOということで議題にならないという事態だけは避けなければいけない、と考えたところです。

これには、会派は組んでいませんが同じ部屋を割り当てられている鈴木たつお議員とかくたかづほ議員と昼休みに率直な意見交換をしたことも少なからず影響しました。年齢も期数もバラバラ、思想信条や優先順位、議案への賛否など異なる点も当然多々あるわけですが、だからこそ気づかない点や学ぶことがあるものだな…と今さらながら思いました。

ということで、昨日の配信を録音した方から音声をお借りして、文字起こしをしましたので、以下アップします。

結果的には、渡辺みのる議員と市長との穏当なやり取りが8分少し続き、どちらにとっても…議会にとってもよかったのではないか、というのが私の印象です。

渡辺みのる議員)質問の機会を与えていただき感謝。5月28日に小池百合子知事に対して都内52区市町村首長が次期都知事選への出馬を要請したと報道があった。報道を知った市民から市役所全体として関わっているのかなどの問い合わせが私どものところに来ている。市長個人の思想信条は尊重するが、報道の事実関係の確認と出馬要請に参加した意図について市民に明らかにすべきと考え市長に質問させてもらう。まず、出馬要請をすることになった経過を時系列で伺う。

渡部尚市長)まず前提として、後ほど質問があるかもしれないが、私の認識としては出馬要請をしたという認識ではない。あくまでも支持を表明したということ。このたびの、選挙中なので名前は控えるが、現職知事への支持表明に至った経過だが、まず23区で区長有志において自発的に現職知事に対して出馬を要請する動きがあった。こうした状況の中で、知事の周辺からある市長に対して、出馬した際には多摩の市長たちからも支持をいただくことは可能なのかという問いかけというか打診があったことから、5月17日に開催された東京都市長会の役員会終了後、並びに5月24日開催の東京都市長会の全体会の終了後に、任意で残っていただいた市長でこうした23区の状況や問いかけがあったという情報を共有した上で、支持できる市長については連名でその旨を表明することになったことによるもの。支持を表明するか否かについては、あくまでも個々の市長がそれぞれの自由意思により判断したものであって、先ほど申し上げたように問いかけというか打診のようなものはあったが、知事や周辺から支持をしてほしいとか、まして立候補要請をしてほしいといったような依頼や要請に基づくものとはとらえていない。以上が経過。

渡辺みのる議員)次に聞きたいことまで答えていただいたので次に最後になる。改めて、今おっしゃっていただいた経過を踏まえて市長が支持表明…私は出馬表明と思っていたが…支持表明に加わった理由をお聞かせいただきたい。

渡部尚市長)私としては、現職知事の当選以来、直接私たち市区町村長から意見聴取をして、ある程度、全部とは言わない…ある程度要望を聴き入れていただいて、たとえば東京都市町村総合交付金についてはかなりの増額をしていただくなど、完全に格差ゼロというわけではないが、多摩地域の市町村行政に対して手厚い支援を行っていただいていることについては高く評価しており、今後も東村山市の発展のため、多摩地域の市町村への支援の充実強化を強く希望して支持を表明したところだ。

渡辺みのる議員)すみません、最後と言っておきながら。改めて、市長個人として支持を表明したというところで、職員や市の予算は関わっていないという認識でよいか。

渡部尚市長)報道では各市長区長の個人名ではなく自治体名が出たので、たぶん驚かれたり疑念を持たれた市民の方がいるだろうと承知しているが、先ほども申し上げように支持を表明するか否かについて、あくまでも個々の市長がそれぞれの自由意思に基づいて判断をしたものなので、先ほども申し上げたように正式な市長会で話をしたわけではなく、任意で残っていただいた方々で話をして、最終的には一人ひとりの市長個人が判断したもの。これまでも私としては各級の選挙…衆議院議員選挙や都議会議員選挙や同日に行われる市議会議員選挙では、割と明確に支持を表明させてもらっている。これはあくまでも行政、市役所とは無関係のことであって、個人として行っているもの。当然今回のことについても、市の職員を使うとか、何らかの税金を使った行為ではない、と弁明させてもらえたらと思っている。

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