教育問題に特化した今回の「議員の学校」。
2日間の報告は改めてまとめたいと思いますが、取り急ぎ本日2日目の第1講についてのみアップします。
9時15分からの講義は、千葉大学名誉教授であり、社会教育学会会長の長澤成次先生。
20年以上前に日野市にお住まいだった頃、先生を囲んでの小さな勉強会がしばらく続いていて、私もその一員に加えていただいていたので、それ以来の再会。先生は当時のままで、講義はわかりやすく、活力に満ちたものでした。
お話は、さいたま市の三橋公民館「九条俳句不掲載事件」から始まりました。さいたま市が敗訴した裁判の概要は知っていましたが、改めて、思想の自由、表現の自由、そしてそれ自体が社会教育の自由であることの意味、住民に最も近い地区公民館で起きたことを住民との話し合いで解決できない体制になっている「自己決定」の問題等々、この事件には様々な課題が潜んでいます。
戦後、社会教育がどう位置付けられ、どう変遷してきたか。
昭和21年7月の文部事務次官通牒「公民館の設置運営について」から始まり、憲法26条、教育基本法、社会教育法…ユネスコ学習権宣言。
そしてそれらが次々と壊されつつある昨今の状況。
特に、1999年の第一次地方分権一括法から、先週金曜日に衆院で可決して参院に送られた第9次分権一括法における社会教育をめぐる状況を時系列的に把握することができました。
東村山市では、昨年2月27日の本会議で「東村山市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例」の審議が行われ、昨年度から学校体育を除くスポーツ部門が、教育委員会から市長部局へと移されました。
移管の最大の理由は、観光やまちおこし、オリンピック&パラリンピックとの兼ね合いから、スポーツの力をフルに活用したい。そのためには教育委員会に置いておくよりも市長部局に移した方が効果的、というものでした。
その際、私は、公民館、図書館、博物館まで移管することへの考えを問いましたが、市長からは「当面、市長部局に移管しようという考えは、現時点では全くありません。」と答弁がありました。
一方で、手放す側の教育委員会では殆ど議論がなされないままに事が進められたこともわかり、それについては厳しめに指摘をしました。
さて、今後はどうなっていくのか。
「学ぶ権利」という教育の原点を見つめながら、議会でも取り上げると共に、様々な人たちが一緒に学び合える場をぜひとも作りたいと思います。