東村山駅東口からすぐの府中街道との交差点(Aとします)と、久米川駅北口から新青梅街道へ出る都道の大きな交差点(栄町1丁目交差点・Bとします)に、視覚障がい者用の音声装置がついたことをご存知の方も多いと思います。
装置の青いボタンに触れると、ピヨッピヨッピヨッと音が出て安全に渡れる、ことになっています。しかし、現場に立ってみるとすぐにわかりますが、Aはまだしも、Bについては全盲の方が自力で渡ることは依然として無理だろうと思います。
視覚障がいの方が苦手なのは、手掛かりや足掛かりの無い広い空間であり、方向がわからなくなることは命に関わる事故に直結しかねません。そんなことは私が言わなくても、障害福祉担当はもちろん知っていますし、道路政策を進める担当も承知のはずです。
そこでA交差点を見ると、直角に交わっていて道幅もそう広いわけではないので、信号がかわったことがわかれば、全盲の方も対岸へまっすぐに渡ればいいわけですし、人の流れを感じて一緒に進むことはそう難しいことではないと思われます。
ところがB交差点は、航空写真でわかるように交差点部分が大変広く、2つの大きな道路が斜めに交わっているために、方向を定めて進むことが大変難しい構造になっています。信号のサイクルは、東西に走る新青梅街道が1分10秒強(1分+右折10秒)/南北に走る都道が40秒強(30秒+右折10秒)/歩行者信号30秒強(20秒+点滅10秒)で合計2分30秒ほどですが、音声ボタンが押された場合も20秒で途切れ、その10秒後には新青梅街道の車が一斉に走り始めます。
この交差点は、5年ほど前に歩道橋が撤去されて以来、そこを白杖を頼りに渡っていた視覚障がい者が方向が掴めなくなって渡れなくなってしまったため、一般質問や予算・決算審査の場を通じて、一日も早い安全対策を求めて来た箇所です。「市としては認識しており、道路管理者である東京都と交通管理者である警察には要望を上げてある」という答弁が重ねてされてきましたが、その際に私が幾度も強調したことは、「当事者の声をきちんと聴いて進めてほしい」ということでした。
実際に現場を立って1時間ほど観察しましたが、この音声装置の設置によって何が改善されたのか?なぜエスコートゾーン(横断歩道上に敷設する点字ブロック)が設置されなかったのか?10か所ほどの設置にいくらかかったのか?(都費のはずではありますが)等々…そして何より、この設置について、視覚障がい当事者の意見はどう聴いたのか?
週明けから確認に入りたいと思います。