ふるさとからの葉書

新潟県南魚沼郡六日町大字五日町、現在は南魚沼市五日町の寿屋(すや)旅館から、「4月2日で廃業します」と書かれた葉書が届きました。

すぐに電話したら、母ちゃんが出てくれました。「まだ10年くらいやれるとは思うんだけどさ、腰痛めちゃったし、潮時かなぁと思ってさ」と昔と全然変わらない明るい声。父ちゃんは?なおみちゃんは?慶子ちゃんは?と20年も会っていないご家族の名前も自然と湧いてきて、みんな元気にやっていると聞いて、嬉しくてホッとしして。

「『ゆたかや』の母ちゃんはどうしてる?」と聞くと、「94歳になったけど、元気だよ~元気!」だって。嬉しくて懐かしくて、涙がこみ上げてきました。

本当に本当にお世話になりました。長い長い間、ありがとうございました。

昭和51年1月4日、小学校6年生のお正月。日野社会教育センター主催の第1回五日町自然学園の参加者として、朝6時前に豊田駅を発ち、八高線~上越線と鈍行を乗り継ぎ、降り立った五日町駅は見たこともないほどの雪が降りしきっていて、いまは亡き「ふぢや旅館」の母ちゃんが笠をかぶって迎えに来てくれたことを今でも思い出します。

以後、参加者、スタッフ、センター職員として大勢の子どもたちを引率して1年も欠かさずに25年近く通った地。東京生まれ育ちの私にとって、一生ものの大切なふるさとです。

町や住民の人たちが手作りで運営してきて幾度かの経営危機から立ち直ったスキー場は、今、2年続けて営業休止しているそう。

「炊き立てのコシヒカリの塩むすびと、あの野沢菜がまた食いてえなぁ」と言うと、「いつでもおいでよ~」って。選挙勝ち抜いて、少し落ち着いたらみんなの顔見に行きます。

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