9月定例議会の最終日・10月3日のラストに行われた議会基本条例第4条「会派」をめぐる議員提出議案2号と3号の議論について、結果だけ報告して詳細のアップが遅くなってしまいました。
この件については、「はなこタイムス」が翌4日に「東村山市議会が1人会派認める 激論の末、賛成多数で可決」と題する記事を、朝日新聞が5日に「1人会派」復活へ 東村山市議会」と題して報じてくれました。
当日の録画の文字起こしを終えたのですが、審議時間が2時間40分強、文字数で5万を超えるので、AIの力も借りながら、以下のような3回に分けてお伝えします。※敬称略
【その1】すべてのやり取りをもとに要約した議案審議の概要
【その2】3号議案(提出者:伊藤真一、駒崎高行、横尾たかお)について横尾議員による提案説明、2号議案について白石議員による提案説明、3号議案についての質疑と答弁
【その3】2号議案(提出者:かくたかづほ、佐藤まさたか、白石えつ子、わたなべたかし、かみまち弓子、清水健文、渡辺みのる、さとう直子)についての質疑と答弁、3号議案への討論と採決、2号議案への討論と採決
【その4】今回のことを通じて感じたこと、考えたこと
それでは、以下がAIが要約したものをもとに整理したこの審議全体の概要ですので、ぜひお目通しください。
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9月議会最終日に、東村山市議会基本条例(第4条)の一部改正に関する2つの議員提出議案(第3号および第2号)が一括議題として審議されました。これらの議案は互いに相反する内容であり、先に採決された議案が可決した場合は、もう一方の議案は議決不要となることが確認されました。
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1. 議題と審議の背景
東村山市議会基本条例は、平成26年4月に制定され、令和3年4月には会派のあり方を「複数」とすることに一部改正されました。この改正に際し、「会派に属さない議員に対しても配慮を行う」旨の附帯決議が付されており、その後、会派に属さない議員の呼称や表記の取扱いが議会運営委員会における主要な議論の焦点となっていました。
議員提出議案第3号は、議員提出議案第2号が提出されたことを受けて、これに対抗する形で提出されました。
2. 各議員提出議案の概要
| 議案番号 | 提案者 (代表者) | 改正の主な内容 | 提案の趣旨/目的 |
| 議員提出議案第3号 | 伊藤真一 駒崎高行 横尾たかお | 第4条に第3項を追加し、「会派に属さない議員は会派に準じて呼称を用いることができる」と規定する。 | 条例改正を要するものではなく、本来は運用で対応すべき問題であり、附帯決議を遵守し、会派に属さない議員に任意の呼称、表記の使用を認める文言を付加することで解決を図る。会派の構成員数(複数から個人へ)を変更する第2号案に対し、議論が不十分として反対の姿勢を示す。 |
| 議員提出議案第2号 | かくたかづほ 佐藤まさたか 白石えつ子 わたなべたかし かみまち弓子 清水健文 渡辺みのる さとう直子 | 現行条例第4条第1項を改正し、「議員は個人又は複数の議員で会派を結成することができる」に改める。 | 現行条例下で「会派に属さない議員」として扱われている議員が、希望すれば所属政党名等を公的に表示できるようにすること、すなわち構成員が一人でも会派として活動できるようにするため。令和2年12月改正時に可決された付帯決議に反する不利益(政党名表記の不可)を一刻も早く解消すること。 |
3. 主な質疑および論点
審議では、両議案の提案理由や、これまでの議会運営における経緯、特に「一人会派」の扱いと「運用」に関する議論に焦点が当てられました。
1. 運用の問題と条例改正の必要性
• 第3号提案者側の主張: 本来、会派に属さない議員の呼称や表記の問題は運用で対応できる話であり、長期間合意に至らなかったとしても、条例改正という形を取るべきではない。第3号議案は、あくまで運用面での対応を担保するためのものであり、今後も議会運営委員会で議論を深める必要がある。
• 第2号提案者側の主張: 令和6年度の検証作業後、議会運営委員会にて表記の基準について議論が重ねられたが、一部の会派が異議を唱えたことで合意が成立せず、不利益が解消されない状況が続いた。このため、運用での解決が困難であり、条例を改正して根本的に不利益を解消する必要がある。
2. 会派の定義と構成人数
• 第3号提案者側の主張: 第2号案は会派の構成人数(複数から個人へ)を変更するものであり、これは東村山市議会として結論が出ていない会派の定義に踏み込むことになる。会派の構成人数変更は熟議を重ねて導き出すべきであり、性急に元の状態に戻すことは適当ではない。
• 第2号提案者側の主張: 会派という言葉自体に一般的な定義はなく、それぞれの議会によって構成されるもの。多摩26市中12市は1人から会派を結成可能としている。第2号案は、会派結成を義務付ける前の状態に戻すものではない(義務規定は令和2年改正時に廃止済み)。
3. 2020年改正時の附帯決議の不履行
• 第2号提案者側(かみまち、佐藤、白石議員)は、2020年改正時に「不利益は生じさせない」との答弁と、附帯決議(新たな格差を生じさせないよう配慮する)を信じて賛成したが、実際には所属政党名を公に示せないという重大な不利益が生じており、約束が守られなかったと訴えました。この現状を正すために改正が必要であると主張しました。
4. 採決結果
採決は、まず議員提出議案第3号から行われました。
1. 議員提出議案第3号(会派に準じた呼称の使用)
・結果: 否決 (起立少数)。
・反対理由(抜粋): 2020年の附帯決議が履行されておらず、単に準じた呼称を認めるだけでは根本的な解決にならない。タイミングが遅すぎ、不十分である。
2. 議員提出議案第2号(個人又は複数の議員で会派を結成)
・結果: 可決 (起立多数)。
・賛成理由(抜粋): 2020年の条例改正は陳情をきっかけに強行されたものであり、不利益が生じている現状を解消するため、一旦元に戻すべき。本改正により救済される議員はいるが、反対会派を含め不利益を被る議員はいない。
結論として、東村山市議会基本条例の一部を改正する条例(議員提出議案第2号)が可決されました。これにより、東村山市議会においては、議員は個人又は複数の議員で会派を結成することが可能となります。