映画「揺さぶられる正義」を観て思う

昨日(28日)、通い慣れたポレポレ東中野へ「揺さぶられる正義」を観に行きました。

映画「揺さぶられる正義」公式サイト

今この時も冤罪を作り出している恐れの強い刑事裁判の問題点を突きつける129分間。

警察、検察、裁判所の責任の重さと共に、確定もしていないのに警察や検察だけの情報を元に「やったに違いない」と思わせる報道にも、簡単に信じてしまう私たちにも責任があることを痛感します。誰にとっても私にとっても明日は我が身かもしれないのに、本当に無自覚で無責任な話です。

今西貴大さんが犯人とされた「今西事件」の時、報道を観ていて「ひどい親だ」「若い義理の父親は危ない」などと思った記憶があるし、山内泰子さんが犯人とされた「山内事件」の時も、「おばあちゃんでもやる人がいるんだな」などと言いながら疑いもせずに報道を観ていた自分がいた気がします。

お二人とも弁護団の丹念な反論により逆転無罪が確定していますが、私はそれをこの映画を観るまで知りませんでした。共犯同様です。

上映後のトークは、監督の上田大輔さんと、「それでもボクはやってない」の周防正行監督。

冤罪を生み続ける社会を変えるには、地道なようだが再審法改正を法制審議会任せにせず市民の力で、と周防監督。

絶望をベースにこの映画をつくったけれど、希望の灯を渡してもらえたら、と上田監督。

冤罪がつくられつつあるのではないか、と思わざるを得ない事案が今、身近にもあり、大変心配しています。

少なくとも、全面否認が伝えられている案件に対して、一方的な報道を元に「やったに違いない」などと絶対に思ってはなりませんし、冤罪の可能性も頭において冷静な目で推移を見守りたいと改めて思います。

8月7日には。劇映画でしたが「でっちあげ」を所沢のレイトショーにギリギリ滑り込みで観て来ましたが、冤罪を生む社会をどう変えていくのか?地方議員としてというよりも一人の大人として考え、小さくとも行動に移していかなくてはいけない…と思っています。

決算審査と予算編成のサイクル~決算審査最終日を前に

本日の決算特別委員会4日目、夕方に一般会計の質疑が全て終了したので、明日は討論(賛否とその理由を述べる)を、決算認定に反対の会派、賛成の会派、反対の会派、賛成の会派…の順で行い、採決を図ります。

その後、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険の3特別会計、下水道の順で審査、採決し、5日間の委員会は閉会となります。

議会としての結論は、10月3日の9月定例議会最終日に、決算特別委員会に所属しなかった議会選出監査委員(村山じゅん子議員)と私(副議長)も加わった上で採決を図り、確定させます。

そして、決算の確定を踏まえ、議会閉会後に市長は速やかに来年度予算編成方針を公表し、具体的な留意点を記した副市長名での「依命通達」が発出され、2月初旬に向けて予算編成作業が一気に動き出すというサイクルになっています。
➡令和7年度の予算編成がどのように進められたかは市HPのコチラからご覧いただけます。
https://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/shisei/gyozaisei/gyozaisei/yosan/zaisei20241003.html
今年も10月第2週には、「令和8年度予算」というページが登場するはずです。

前市長の時代(平成18年まで)は、決算特別委員会は9月議会閉会後の10月~11月に開催されたので、決算の確定は12月議会初日でした。つまり、議会の意思や意向を次年度予算に反映させるつもりはなかった、ということになります。

右肩上がりの頃は、予算に比べて「終わったこと」である決算は軽んじられていたのは、全国的なことでしたが、「それではいけない」と気づいた自治体から、予算編成に入る前に決算を確定させる流れになりました。

東村山市議会でも決算委員会の委員は、その頃までは全議員のほぼ半数で済ませていたことも、決算軽視を体現していたと思います。

また、議会において示された会派の見解を市長サイドが尊重する義務は制度上ありません。増してや表舞台である議会ではなく、会派要望という形で議会の外で市長に対して賑々しくあれこれ求めるのが全国的に当たり前のようになっていますが、それこそ本来は何ら制度的裏付けのない行為です。

議会が本来行うべきことは、決算審査を通じて明らかになった課題を、たとえ1点でも2点でもよいので議会内で共有、合意した上で、議会として附帯決議なり附帯意見なりの統一見解にまとめ上げ、市長に対して次年度予算編成に反映させることを求める、ということです。

「決算 附帯決議」とか「決算 附帯意見」と検索してみると、多くの議会で必要に応じて行っていることがわかると思います。会派や会派に属さない議員ごとに己の見解「討論」を述べるに留まっている東村山市議会は、まだまだ未熟な議会であることを認めざるを得ません。

一般質問は「生物多様性ひがしむらやま戦略」と「子どもの人権を最優先にする保育」

明日(4日・8人)、明後日(5日・7人)、8日(月・7人)の3日間は、22名の議員が一般質問を行います。

一覧表はコチラ👇で、全員の通告書は市議会HPからご覧いただけます。

私は8日(月)の3番目なので、11時過ぎからではないかと思います。私より前の2人次第では午後一番かもしれません。

今回取り上げるのは大きく2つ。通告した内容を、通告書の画像とテキストで掲載します。

1.「生物多様性地域戦略」の策定を「みどりの基本計画」見直しのエンジンに

 記録的な猛暑が続くこの夏。気候変動に起因する災害や景観の喪失、食糧危機、生物多様性の低下等、課題は深刻さを増す一方であり、地球環境の保全、回復には、主体を超え、従来の発想や枠組みを超えた対策が急務と言われる。市では推進中の「みどりの基本計画2021」について、毎年度、目標の達成状況や事業の実施状況を点検・評価し、達成状況の市HPで公表しており、令和7年度は中間見直しの年としている。この間の達成状況を概括的に確認すると共に、後半5年間とその後も見据えた政策の方向性、重点施策の展開について議論したく、以下質問する。

1)「みどりの基本計画2021」前半5年間の評価と見直し作業について

①毎年度公表されている評価結果を踏まえ、達成状況と課題を柱ごとに概括的に説明願いたい。

②計画では「報告会の開催等を通じて計画の進捗管理に市民意見を反映する仕組みを検討」「みどりを取り巻く状況の変化を踏まえ、必要に応じて計画の改定や見直しを行います」としている。見直しについての方針、検討のポイント等をどのように考えているのか、緑化審議会や市民団体との協議はどう進んでいるのか、進めていくのか伺う。

2)生物多様性地域戦略の策定を早期に

①東京都生物多様性地域戦略とは何か。位置づけ、対象地域、計画期間、戦略が及ぼす当市への影響、効果等、説明願いたい。

②生物多様性基本法第13条では「都道府県及び市町村は、単独又は共同して(地域版の戦略策定を)定めるよう努めなければならない」と規定している。当市の現状と考えを伺う。

③東村山市の自然資源と保全上の特徴についての現状認識を確認したい。

④特に、狭山丘陵や柳瀬川、空堀川等、複数の自治体と連携、協働した取り組みが不可欠なグリーンインフラを多く抱える当市として、どのように取り組んできたのか、取り組んでいくのか伺う。

⑤「ネイチャー・ポジティブby2030」「30by30」「自然共生サイト」について説明願いたい。30by30に当市として取り組むことは、単に「行政が税を投入して既存の緑を守る」だけではない意味や利点があると考えるが、認識を伺いたい。

⑥所沢市は2021年4月に「生物多様性ところざわ戦略」をスタートさせ、様々な取組みを進め、積極的な発信も行っている。戦略の概要と、「生物多様性の保全・回復の取り組みに向けた3者連携協定」「所沢市と西武グループによるネイチャーポジティブ宣言」について説明願いたい。

⑦当市として、ネイチャー・ポジティブ(自然再興)を明確に掲げた上で、所管の壁を超えた政策の連携と一体的な実現へ歩み出していただきたい。みどりの基本計画2021の見直しと、さらなるその後も見据え、市長のお考えを伺う。

2.子どもの人権を最優先にした保育の実現のために

 「不適切な保育」をめぐる事件や報道が後を絶たない。事案の内容や背景には差異があるが、共通しているのは、従来の人権意識ではもはや通用しないという認識が不十分なことと、初期の対応の失敗にあると言われている。当市では今のところ表面化した事案は聞かないが、決して他人事ではないので、何かが起きてしまう前に仕組みを整備することが急務と考え、現状を確認すると共に、早期の取組みを求めて以下質問する。

1)不適切な保育の実態と市の取組みについて

①過去10年ほどで市として把握している不適切保育の事案があれば、概要について伺う。

②市として、不適切保育をどう定義し、どのような対応、対策を講じているのか。

2)今、市に求められることとは

①不適切な保育が起きるのは何故だと考えているのか伺う。また、今後起こさないために、市としては何をしていくのか。

②それでも不適切な保育が発生することは避けられないとは考えないか?早期にリスクの芽を察知し、重大な事案に至らせないことは、事業者の責務であると共に、市が担わなければならない重要な責任と考える。事業者が悩んだり困ったりした時に、日頃から相談できる体制を市は整えているか。

③重大事案の発生を受けて対策を講じる自治体が多い中、平時から公私立すべての施設をサポートする武蔵野市の未然防止の取組みが注目されている。内容を確認の上、受け止めを伺う。

9月議会が始まりました

ブログの更新、約2か月ぶりになります。SNSで繋がっていない方には何も発信していない状態であり、大変申し訳ありません。

暑い暑いと毎日言っているうちに、9月議会の時期になりました。

一昨日から10月3日までを会期とする9月定例議会。

今議会の開催告知ポスターは、広報広聴委員会の山田たか子議員による作です。

市長からは令和6年度決算関連の5件を含む議案13件、市民の方からの新たな陳情、継続審査中の請願・陳情等、22名の一般質問等、順次進めていきます。日程は次の通りです。※以外は午前9時30分開会

9/1(月)本会議…市長所信表明/議案審議・議決

9/4(木)5(金)8(月)一般質問

9/10(水)政策総務委員会/まちづくり環境委員会(※14時)

9/11(木)生活文教委員会

9/12(金)厚生委員会

9/16(火)議会運営委員会

9/19(金)22(月)24(水)25(木)26(金)決算特別委員会

10/3(金)本会議…委員会付託議案の報告と採決/追加議案審議・採決他

一昨日の初日は9時半に開会し、市長の所信表明が60分強あった後、即日で結論を出す必要があった議案の審議に入りました。議案と賛否一覧は次の通りです。

最も審議に時間を要したのは、第31号「萩山公園整備工事請負契約の一部変更」で、13時半から休憩を挟んで19時近くに賛成多数で可決となりました。論点は、当初契約額の約2割増という金額の大きさと、その要因(やむを得ないものか、プラスアルファ的なものか)、多岐に及ぶ項目の理由、そして何よりも間もなく工事完了というタイミングで議案が出されてきたことへの信義面での疑義でした。

私も、よりよいものにしたいということ自体は理解するものの、議会で議決した金額を超えてまでやるべきか否かの判断はいつ、どう行われたのか?この議案はいつ出されるべきであったのか?という疑問を抱きながら質疑に立ちました。私を含む複数の議員の質疑に対し、所管部長に加えて市長から経過について一定の反省と改善への検討の意向が示され、変更内容についての疑義は無いと判断したので賛成しましたが、今後へ向けた課題を残すことになったと思います。

また、議案38号「固定資産評価審査委員会委員の選任」は、委員3名のうち、これまでは市の税務業務で管理職を務められたOBの方にお願いしてきた席を、今回は弁護士さんにしたい、というもので、公明党の伊藤真一議員と私が質疑に立ちました。

これまで務めてくださった方々が公平、公正に徹してくださったことにまず感謝しつつ、変更した理由、新たな候補者の選任理由等を確認したところ、市長からは「これまでの行政OBも厳正に審査してくださったが、万が一紛争等があった場合に中立公正性が問われることもあり得ると考えて弁護士にした」旨の答弁があり、1名以外の賛成多数で同意となりました。これまで市長提案の人事には反対を貫いてきた草の根市民クラブが、子安じゅん議員が「中立性の疑義がある程度解消された」と賛成討論を行ったことが印象に残りました。

明日(4日)、明後日(5日)、8日(月)は、22名の議員が一般質問を行います。今回は議席番号の大きい順です。

全議員の質問一覧はコチラ👇です。それぞれの通告書は市議会HPからご覧ください。