私の原点「社会教育協会」100周年

昨日は公益財団法人社会教育協会の100周年記念@実践女子大学日野キャンパスへ。

私が1999年夏まで勤めた日野社会教育センターは、1969(昭和44)年に財団法人社会教育協会が、当時の日野市長・有山崧さんの招きにより日野市多摩平4丁目3番に開設した、民間の公民館のような児童館のような…1階には市立図書館も入っていたので全国に例をみない総合的な社会教育施設でした。

私自身は職員としては1986年から13年余りでしたが、日野社会教育センターが開館した翌春(1970年)に日野第五小学校1年生となって体操教室に通い始め、3年生からは野外教育や子ども会活動の参加者として、中学、高校、大学では自主活動や野外事業のスタッフを務めてから職員となり、1999年の退職後も十日町市下条地区との交流事業等に参加を続けてきましたので、62年の人生のうち56年間…9割以上お世話になってきたことになります。

29年間理事長を務めてくださっている黒水恒男さんは間もなく94歳と聞いて驚く意気軒昂ぶり、当時の先輩職員や共に活動を作ってくれた当時の若者や地域の方々など、懐かしい顔にたくさん会えて、本当に幸せな時間でした。

記念講演は前川喜平さん。

・学ぶことは人権。幸福追求は全ての人の権利であり、幸せになるために学ぶ権利を持っている。

・憲法は貧富の差は認めているが、教育では認めていない。経済的地位による差別は許されない。全ての子に教育を受ける権利が等しく認めなければならないが、機会均等は未だ実現していない。

・間違いなくグローバル化が進み、多文化共生を前提にした社会づくりが進む。そもそも単一民族国家ではないし、外から入ってくる人への教育…外国人の学習権をどう保障するかということを真剣に考えないといけない。

・学習権は参政権。学ばないと賢い主権者になれず、主権者が愚かであると愚かな政府しか持てなくなる。民主的な社会の形成者になるために学ぶ。

・情報空間が広がり、偽情報に取り囲まれている。よほど勉強しないと見分けられない。学ぶことの必要性は高まっている。

・戦争に向かわないように。戦争を学ぶことは社会教育の大きなテーマ。メカニズムを知るべき。

・日本の政治家は国際的に信用されていないが、法律家は信用されている。法の支配が大事だと政治家は言うが、本当にそう考えているのかは疑問。法の支配による平和を目指す。

・多様性、公平性、包摂性は人類の理想であり、そのために学んでいかないといけない。

・今の社会をどう作り替えていくのか?もうちょっとまともな社会にして次の世代に渡すために必要なのは社会教育。我々の努力にかかっている。

日本国憲法の条文を引きつつ、ユーモアもたっぷり交えつつのお話。前川さんはお祝い会にも最後まで残ってくださいました。

社会教育は私自身の原点だと改めて深く刻んだ記念行事でした。企画、準備くださった皆様に心より感謝です。

お祝い会でも懐かしの方々と楽しい時間を共有し、十日町市下条の藤巻さんのエール等で大いに盛り上がりました。

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