財政の見える化を進めたい

昨日(10月7日)付で、東村山市の令和8年度予算編成方針が公表されました。

決算審査を通じて市議会として市長へ一致した提案なり要望ができるレベルには私たち議会が到達していませんが、市議会が決算を確定させてから市長が次年度方針を示すという流れは確立されています。

ヨッシャヨッシャで予算がつけられた時代はとっくに終わっていて、何処を絞るか削るかが問われている今、これまで当たり前だった補助金や手当や施策を減らしたり無くしたりする作業が予算編成では不可欠になっています。

当然、不平不満は出るでしょうが、だからこそ、「予算編成過程の見える化」を進めることで、何故自分たちの要望よりも他の要望が優先されたのか、何故自分たちへの補助事業は縮小されたのか等を知って、自分の頭で考えてもらうためにも、必要ではないですか?と問い掛け、議会で重ねて議論をしてきました。

情報公開、情報共有、住民参画は自治の基本中の基本なので、現市政においても重要な柱となっていて、それまでが酷すぎたこともありますが、この18年間で大いに前進したと私は受け止めています。

そして中でも重要なのは、最も見えづらい「財政」分野だというのが私の変わらぬ考えです。

市長からは、「査定の過程などを公開することで却って混乱や誤解を生じる恐れが否めない」旨の答弁があり、わからなくはないのですが、それでも進めることの必要性の方が上回ると考えています。

予算編成が今後どのように進むのか、については、市長がご自身のFBに書いておられますし、令和7年度以前の市HPの内容をご覧いただけるとご理解いただけると思います。

皆さんの生活への影響は?~9月議会の議決結果

9月1日から続いた定例議会は、10月3日(金)21時半近くにすべての案件に結論を出して閉会しました。

いつも通り、全議員、全案件の賛否一覧を作成しましたので、まずご覧になってください。

市長から提案された議案は17件で、全会一致での可決(または認定、同意)が3件、賛成多数が14件。

市民からの請願1件は全会一致で採択(可決と同意)、陳情4件のうち1件は全会一致で採択、1件は賛成多数で採択、2件は賛成少数で不採択。

そして同じ課題をめぐって考えの違いから2件出された議会基本条例の改正に関する議員提出議案は、もともと最終日の議題となっていた第2号を賛成多数で可決、当日動議を経て出された第3号は賛成少数で否決となりました。

毎年、9月議会最大の意義は前年度の決算を議論して認定するか否かにあり、令和6年度決算も5つの決算議案(市長提出議案33号~37号)については5日間の決算特別委員会での議論を経て、すべて賛成多数で認定となりました。これを受けて、今週中には市長による令和8年度予算編成方針の発表があるはずです。

27号の可決により、コンビニのマルチコピー機を利用して住民票や印鑑証明書等を取った場合は市役所窓口よりも手数料が安くなりますし、繁忙期に10円お試しキャンペーンも実施されます。

28号を可決したことで、今月(10月)から0歳~18歳までの医療費についての所得制限が撤廃されました。

また29号の可決で、これまで診療1回あたり200円必要だった窓口負担金が、来年4月から不要になります。

32号の可決で一般会計補正2号が成立したことで、65歳以上の定期接種となった新型コロナワクチン接種費用に1人当たり1,000円の補助が出て、自己負担額は6,500円なります。これも10月1日からスタートしており、来年3月末までの措置です。

「手話言語条例の制定を求める請願」は、東村山市の聴覚障害者の皆さんから提出されたもので、厚生委員会に続いて最終日の本会議でも全会一致で採択となりました。当事者の方々が大勢、手話通訳の方たちと共に傍聴席で見守ってくださいました。ありがとうございました。

請願や陳情に法的な拘束力はありませんが、全会一致には賛成多数とは違う重みがありますし、東村山市議会では採択した請願や陳情が放置されることのないように、その処理経過及び結果を報告することを地方自治法第125条の規定に基づいて市長に請求しています。

同様に、陳情4件のうち採択となった2件について、同様の請求を行うことを議決しました。

最後に、最終日に3時間近くかけて侃侃諤諤の議論となった「議会基本条例」第4条「会派」規定の改正については、長くなりますので次の投稿でご報告します。