自分の主張が認められなければ「非民主的」なのだろうか?

12月定例議会が先週金曜日(27日)から始まりました。会期は今月18日(金)までの22日間。昨日から明日までの3日間は、熊木議長以外の24人が1日8人ずつ一般質問に立っており、私は昨日の8人目でした。

その報告もしたいのですが、その前に…

初日の議事日程の最後で議論し、結論を出した「議会基本条例の改正議案(議員提出議案4号)」について書き記しておきたいと思います。

議員提出4号として、議会基本条例の第4条「会派」を改正するための議案が11月20日の告示日に小町明夫、村山じゅん子、駒崎高行、土方桂各議員の連名で提出されました。

経過としては…

・平成26年4月に施行した議会基本条例を2年ごとに検証してくる中で、「4条の1項と2項に矛盾があるので不整合をなくすべく改正すべき」という意見が毎回出されるものの全体の合意には至らずに来ていた。

・今年6月「これまでは1人会派を認めていたが、会派は複数の議員とすべき」という趣旨の陳情(2陳情14号)が出されたことを受け、9月議会初日に自民党と公明党の賛成多数で採択した。

・その後、議会運営委員による協議会で議論を重ねて来て、今議会に改正案が提出された。

という流れでした。

これを受けて、共産党の3人の議員から「対案」に当たる別の改正案を出したい旨が11月25日開催の代表者会議に提起されました。内容は1人会派を引き続き認めるもので、動議を出して提案することで意見集約が図られました。

審議当日は、議事が議員提出議案4号に進んだ瞬間に渡辺みのる議員より動議が出され、用意されていた対案が議員提出議案5号として共に議論の俎上に乗りました。

5号の質疑と答弁、4号の質疑と答弁という順で議事は進み、私も両案に対して質疑を行いました。

私たちの会派は、2陳情14号には賛成をしませんでしたが、4条の条文に矛盾があることは確かであり、これまで数年に及ぶ議論と陳情採択という結果や、改正に伴う具体的な影響が限定的であること、複数の議員で会派を組んで協議・協力しながら議会運営を進めていくことには一定の理があること、今後の議会運営においても責任ある立場で議論に参画するべきであること、等から、5号に反対、4号に賛成という立場を取ることを決めました。

本音と本音でぶつかり合った質疑と答弁の模様は、録画配信が始まったらぜひご覧いただきたいと思っています。(※残念ながら、議事の後半で品位の欠片もない発言をした議員がいるために公開は少し先になりそうです)

多くの質疑と答弁を通して、一人会派が全ての場に参加できないことは差別であるとか、今回の一連の進め方は非民主的であるといった見解が5号議案の提案者から重ねて示されました。こうして両議案を議会の場で議論していることはどうなのか?という問いにも、「民主的とは言えない」と答えられました。

「議論を尽くした」「いや尽くしていない」という見解の相違が大きいことも確認できたわけですが、確かにどこまで行っても「十分かどうか」の評価が一致することはないのかもしれません。しかし、自分たちにとって満足いかない限りは「非民主的だ」とする姿勢には疑問を抱かざるを得ませんでした。皆さんはどう思われるのでしょうか?

議員提出議案4号に対する討論(会派の意見表明)で、私は以下のように述べました。

私たち議会は、多様な15万市民を代表して議論を尽くし、必要であれば修正を加えて結論を出し、その結論に共に責任を持つことこそが、市長という執行機関と共に、二元代表制の一翼を担う立法機関としての責務だと考えます。自分の陣地から自分の主張を叫んだけれど変わらない、変えない方が悪いのだ、というのは、いかにも身勝手、稚拙であって、議論を尽くすための努力を自らが重ね、相手の主張に耳を傾け、譲るべきところは譲り、できるだけよい結論に到達するために汗することが重要だと考えます。

この事に限らず、考え方は25通りですから、当然のことながら、変えたい、変えようという議論は大いにしながらも、変えることに合意するまでは決めたルールの中で円滑に進めるために努力するのが、私たちの最低限の責任であります。本件についても、議論を重ねて来た結果としての議案であり、議決を経たのちは、自分の意に沿わないから条例を守らない、などということが許されないことは明らかであります。

自分たちの希望が通らないのことの責任を相手に求め続ける姿勢は、簡単なことですが、たいへん無責任であり残念であります。なかなか難しいことですが、私たちは原因を相手に求め続けるのではなく、他責から自責へと己が転換を図ることが何よりも大切なことだと考えます。

先ほども、議員とは思えぬ品位の欠片も感じられない攻撃的な発言がありました。私たち議員は、敵か味方か、与党か野党か、という制度上の無理解も甚だしい浅薄な議論に乗ることなく、多様性を認め合い、議会基本条例第3条2号の逐条解説に書き記した通り、「一部の団体及び地域の代表にとどまらず市民全体のために活動する」責任を真摯に果たしていきましょう、と申し上げ、議員提出議案4号に対する賛成討論とします。

この議案4号を自民党7人、公明党6人、つなごう!立憲・ネットの私たち3人の賛成多数で可決した直後、私から「4条に関する附帯決議」を出したい旨の動議を提出し、認められたため、以下の文案を私たちの会派3名連盟で提案し、自民党7人、公明党6人に加えて鈴木たつお議員(無所属の会)が賛成してくださったため、17:7の起立多数で可決されました。

【附帯決議】

東村山市議会基本条例は、その前文において「市民全体の福祉向上を目指し、信頼される議会であり続けるため、ここに東村山市議会基本条例を制定します。」とし、市民に開かれた議会を掲げて活動している。

本条例改正は、議会運営の改善、拡充のためにすべての議員が会派を結成するという従来の原則を変更するものであるが、会派に属さない議員を生じさせる可能性があることから、このことにより議会内での発言の機会や議会運営における取扱いに際して新たな格差を生じさせることのないよう、また、多様な意見が反映されるよう、配慮が必要と考える。

よって、東村山市議会は、本条例施行、規則等の整備、運用にあたっては、会派に属さない議員の意見も議会運営に反映するよう配慮し、引き続き民主的な議会運営に努めることを決議し、ここに確認する。

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