12月議会の賛否一覧と私が反対した案件について

22日(金)に閉会した12月定例議会。すぐに賛否一覧をつくってSNSに投稿したのに、コチラでご報告するのを落としておりました。

ということで、まずは全案件に対する全議員の賛否一覧を掲載します。私が個人的にメモして整理したもので、間違いが無いか何度も確認しましたが、あるかもしれません。その場合はお詫びして修正をします。

私自身は、市長提出議案の一つ「国民健康保険税条例の一部改正」と、「保健所の復活・増設を求める陳情」に反対し、それ以外には賛成としました。

国民健康保険税条例の一部改正は、「①産前産後の妊産婦の保険料を免除」と「②来年度からの保険税引き上げが」骨子でした。①は対象が100人程度で、やらないよりやった方がいい程度の話であり、メインはもちろん②でした。

国民健康保険制度について書き出すと長くなってしまうので、ここでは反対討論をそのままアップします。

【反対討論】

これまで国民健康保険の広域化に伴う財政健全化を目的とした保険税引き上げには、当初の「隔年で5回、10年間」という計画でスタートした際も含めて賛成の立場に立ってきましたし、従来であれば注文を付けて賛成し、2年後を見守るという態度決定をしてきましたので、大いに悩みました。が、自分なりに熟慮の結果、過去最大となる今回の税率引き上げ部分に賛成することは難しいという結論に立ち、反対の討論をいたします。以下理由を申し述べます。

まず、被保険者の実態を踏まえた議論がどこまで尽くされたのか、という点です。当初10年間と定めた計画ですが、その後のコロナ禍や、物価高、医療費の動向等、状況の変化を踏まえて、赤字解消目標年次の延伸が検討されたことはあるのでしょうか。「保険者努力支援分」との兼ね合いもあると思いますが、自殺者数の増などの社会的な不安は依然大きく、そもそも厳しい立場にある多くの国保被保険者には、コロナ禍からの立ち直りが難しい方も多く、40年ぶりと言われる物価高が一層のしかかっていることが想像できます。

「持続可能な国保会計を維持することが結果的に被保険者の利益にかなうことだ」という市長の委員会答弁には同意を致します。一方で、「法定外繰入金をどうするかは自治体の判断なので、また別の議論」とおっしゃっていました。それはまさに国保運営協議会で、議会で、このタイミングで行うべき議論なのではないかと思いましたし、予定していた引上げ幅の抑制や、引上げの一時見合わせを真剣に検討すべきタイミングだったのではないでしょうか。

次に改めて、法定外繰入金は「どこまで悪」なのか、という点です。被用者保険加入者にとっては二重負担という議論は一面では正しいと思いますが、被用者保険の方たちもひとたび職を失い路頭に迷ったら市町村国保に移らざるを得ない以上、国保がそれらの人たちの万一にも備えるセーフティーネットとなっている意味は小さくないと考えます。負担が厳しい人たちが集まる持続可能ではない制度にした国の責任が重いと思いますが、国が赤字補填をしない現制度下では、削減に努めつつも、一般財源から一定程度繰り入れることは妥当性があると考えています。

医療費適正化へ様々な対策を打ってくださっている所管、関係者の努力には感謝していますし、運営協議会においても大いに悩んだ末に結論を出しておられることは会議録の範囲ですが十分感じるところです。「苦渋の選択」という所管の思いも理解します。

今、私が反対したところで結論が変わらないからえええかっこしいをしているのだろう、と言われるかもしれないな…とも思いますが、でもやっぱり本当にこの道しかなかったのか、という思いから抜け出ることができませんでした。今後10年度まで計画通りに引き上げていくのでしょうか。赤字解消目標期間を当市の1.5倍や2倍としている自治体も多いのはなぜなのか。引き上げの圧縮や延伸、法定外繰入金の意義を含め、計画通りに進めることが「それしかないのか」ということについて予断なく検討いただくことを強く求め、私の討論とします。

次に、「保健所の復活・増設を求める陳情」への反対討論を以下記します。

【不採択の討論】

不採択の討論を行いますが、こちらもなかなか悩みました。コロナ禍で広がった先の見えない大きな不安の一因には、自前で保健所を持ち、当該首長の指揮下にある職員が業務にあたることのできる区部の対応に対して、都との間で情報や認識の共有の段階から大変苦労し、結果として住民の不安に応えきれない多摩地区の自治体の厳しい実情があったと思いますし、所管のご苦労には感謝しつつも、もう少し何とかならないのか、という思いを誰もが抱いていたと思います。

その不安を少しでも小さくしてほしいと住民が願うのは当然であり、保健所がもう少し身近にあったら…という本陳情も、むべなるかなと思いました。

しかし、都立保健所を例えば今の2倍に増やし、対象人口を半分程度に抑えようと取り組みを進めようとしても、現実的には用地確保や建設、体制の再構築などに多額の費用と人員、なにより時間を要することになるでしょう。また、区部のように直営とはなりませんので、都と市町村との連携や役割分担という課題への処方箋には直結しづらいと考えます。以上が不採択の理由です。

本件は議会に対応を求めるものですが、一言付け加えたいと思います。

都は昨年11月に「感染症対応を踏まえた都保健所のあり方検討会」を設置し、今年8月に報告書をまとめています。今大切なことは、喉元過ぎれば熱さ忘れるということにならぬよう、この報告書の内容が早期かつ着実に実行に移されることであり、市長会会長を務める市長におかれましては、都の出方を待つことなく、住民の命を守る最前線にある基礎自治体が、いつまた来るかもしれない重大事態に対して万全の体制でその責任を果たせるようリーダーシップを発揮いただき、当市の体制構築にも遅滞なくあたっていただくようお願い申し上げ、討論といたします。

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