萩山小学校複合化施設の契約議案「否決」について~3月議会報告(その1)

東村山市議会3月定例会は、一昨日(26・木)23時近くに閉会しました。多くの議案に結論を出し、いつもであればその結果を全員の賛否一覧表にして公開するところですが、まず、市長からの追加議案として提出され、この日の午後に審議して議決をはかった「議案第26号 萩山小学校等複合施設整備事業に係る設計・施工 ・維持管理一括契約」について、私なりの報告をいたします。

結果は既に市長や他の議員がSNSで知らせておられますし、北多摩のメディア「はなこタイムス」も昨日付で次のように報じていますので、ご存知の方も多いと思います。

★東村山市議会が小学校建て替え契約案否決 費用増大や施設機能低下への懸念相次ぐ(3月27日付・はなこタイムス)

採決の結果は、賛成11(公明党6・自民党5):反対12(共産党4・立憲民主党2・日本維新の会1・東村山生活者ネットワーク1・がんばろう東村山1・国民民主党1・対話で行こう!東村山1)で、否決となりました。

本件は、「萩山小学校等複合施設の整備にあたり、市が求める地域のコミュニティ拠点の実現と、事業者の創意工夫や経験、ノウハウを活かした効率的な維持管理・修繕までを勘案した事業の両立を目指し、設計・施工・維持管理業務について一括契約を取り交わす」ための議案であり、その〈効果〉としては「複合化されるそれぞれの機能が調和し、世代などを超えた交流が自然と生まれることで、地域のコミュニティ活動の拠点として、誰もがふらりと立ち寄れ、一人一人が「私の居場所」と思える空間の整備が実現される」としていました。

この目的と期待する効果を否定する意見は多くないと受け止めていますし、私自身も異論はありません。

その上で、私たち議会に求められたのは、

・市によって事前に行われたプロポーザル方式によって2事業者から選ばれて2月18日に仮契約を結んだ「(株)乃村工藝社」をリーダーとする6社…(株)類設計室東京設計室、前田建設工業(株)東京建築支店、菊池建設(株)東村山支店、相羽建設(株)、(株)エフビーエス に、設計業務一式、建設業務一式、工事監理業務一式、維持管理業務一式を一括で発注すること

・契約期間は、本契約締結日の翌日から令和27年3月31日までの20年間 とすること

・契約金額は、79億9,982万7,000円(税込) とすること 

という中身であり、それに対して各会派が疑義があれば質し、晴らし、契約を交わしてよいのかどうかを決める議案でした。

私は全部で次の18点について質疑通告を行い、発言順が10番目なので(実際行ったのは8人)、前の議員のやり取りで理解したところは割愛して発言しました。実際に発言したのは青文字の項目です。


1.政策の大義について

① 長期契約を前に、本事業の目的と、20年後にありたい姿について、市の考えを改めて問う。

② 萩山小学校と複合化される公共施設はどこか。複合化することが、住民福祉向上にどのように寄与するのか、改めて明確な答弁をいただきたい。

③ 複合化・集約化される現在の公共施設が果たしてきた、今後果たすべきと考える「機能」について、ご説明願いたい。それらは新しい複合施設で本当に継続、発展されるのか、できるのか。

④ 複合化することで、議案資料「政策内容〈効果〉」が達成されると考えているのか、伺う。

⑤ 教育委員会における議論ははどのように積み重ねられ、本選定に反映されたのか。複合化される社会教育施設の利用者の意見はどう聴き、どう扱い、関係者による議論と反映は十分に行われてきたと言えるのか、合わせて伺う。

⑥ 同様に、複合化される他の施設(憩の家、集会所、児童クラブ)の利用者、関係者についてはどうか。

2.手法の大義、選定について

① 設計・施工・工事監理・維持管理を一体として長期契約とする手法を選択した理由を伺う。

② 個別に発注してきた従来の手法を採用した場合のデメリット、リスクとは何か。逆に一括発注とすることのリスクとは何か。

③ 構成員6社は、それぞれ何を担うのか。進める市側の体制はどうなるのか。④ 乃村工藝社の評価、市当局及び萩山小学校とのこれまでの接点について伺う。

⑤ 契約価格の根拠、妥当性を説明願いたい。支払計画と総務費扱いとする理由も伺う。

3.契約締結後のスケジュール、進め方について

① 提案説明書のうち、ほぼ確定している(動かしがたい)と言える内容と、今後まだ検討の余地、変更の余地がある部分について説明願いたい。

② 小学校へ複合化・集約化される各施設について、どのようなスケジュールで進めるのか。特に閉じ方、返し方について。

③ 複合化される各施設はいずれも、少なくとも現状より規模が小さくなり、利用方法や管理面での変更も含め、市が言うところの「機能」が果たして継続されるのか、不安が残るのではないか。特に高齢者の居場所としての機能維持は簡単ではなく、移転・集約がされた後の状況を具体的に想定し、柔軟で丁寧な対応も考えておくべきではないか。見解を伺う。

④ 現段階で想定している公民館、図書館の運営方法と、今後の進め方を伺う。

⑤ 児童クラブは、子どもたちの生活の場として現状と同水準の機能が確保されるのか。

⑥ 施工計画、工事車両ルート、万全なる安全対策について、現段階で可能な範囲で伺う。

⑦ 完成後に最も重要になるのは、「政策内容〈効果〉」の達成を如何にして図るのか、ということであろう。学校教育と社会教育、児童福祉、高齢福祉、障害福祉が垣根を越えて、一体的な公共施設として日々運営されるという全く初めてのケースを、生かすのも殺すのも「人」であり、担い手次第と考える。単なるハコモノ管理ではなく、専門職が適切に配置されて、顔の見える関係が築かれ、深められるような運営となることを強く望む。市長のお考えを伺いたい。


事前通告書の「賛否」を記入する欄には、「答弁で判断したい」と書いて提出していましたが、私が最終発言者ですので、質疑を行っているうちに自らの賛否を決めなければならず、殆ど答弁をメモすることはできていません。

答弁に立った担当部長は、矢のように飛んでくる多くの質疑、再質疑に対して、正面から誠実に応えていましたし、教育委員会としての答弁も、さらには幾度か行われた市長による答弁も、これまでと現在の到達点を踏まえて、真摯に行われたと受け止めています。

これに先立って行われた白州山の家を廃止するための議案に対しても質疑と討論を行っていましたので、残り持ち時間は6分。青文字で書いた質疑を終えた時には1分ほどしか残っていませんでしたが、最終的に私が出した答えは「賛成することはできない」でしたので、その趣旨は申し述べなければならないと考えて早口で以下のように「反対討論」を行いました。

基礎調査から足掛け15年ほど、前例のない大変難しい案件に段階を踏みながら取組みを進め、情報提供・共有にも努め、時には出向いてでも説明してきた姿勢は大いに評価し、感謝もしています。自治体としての持続可能性という大きなテーマでもありますので、その有効な手段の一つとして、公共施設の複合化に反対するものではありませんし、老朽化した萩山小学校の建替えが順調に進むことは非常に重要だと考えています。

「もう少し時間をいただいて」「ありきではなく」と市長は率直に言っていただいた中で大いに悩みますが、本議案に本日は賛成することができないと考え、以下理由を述べ、反対討論とします。 

それは、本契約を可決することが、議会として、どこまで、何を認めることになるのかがはっきりしないということに尽きます。 

たとえば、萩山公民館「のようなもの」が生まれることはわかりますが、萩山公民館をどうするのかは、当市にとっての社会教育の制度設計、中央館と他の地区館3つを含めた公民館を視野に入れなければならず、単に萩山に留まらない議論が不可欠なはずです。個人的にはフルスペックの公民館を求めるわけではありませんが、少なくともモヤが晴れた状態で可決しないと、議会の決定としては問題が残ると考えますし、公民館運営審議会、社会教育委員の会議に対し、市が視野に入れている法的な位置づけやスケジュールを正直に伝えた上で、早期に、丁寧に、必要な議論を深めていただきたいと思います。

ハコモノのプランとは、内容や運営をどうするのかが丁寧に積み上げられる中で定まっていくものではないかと考えています。公民連携や、公共施設の集約化・複合化を否定する立場には立ちませんが、巨額の公費を投じ、全て税金で賄うことを決定するのが本件です。 

最後に、複合化を予定している施設のうち、少なくとも地域的に離れていて高齢者が通うことが難しくなる萩山集会所は、可能な限り残し、公共施設が乏しい地域でもありますので、積極的な活用を検討すべきと申し上げ、討論とします。


これが私が時間内に申し述べた「討論」のすべてです。

議会人ですので、議会で言わなかったことは「無いに等しい」と扱われて仕方ないものと考えています。ですので、これ以降は後出しじゃんけんと指摘されても甘んじて受けるほかありませんが、目の前に迫る1分間の討論を前に頭に浮かばず言語化できなかった部分と、この2日間考えていることを、自分の記録として別記事に留めておこうと思います。

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