8月27日から続いた東村山市議会9月定例議会は、先ほど18時20分過ぎに閉会となりました。
いつものように今議会で結論を出した全案件に対する全議員の賛否一覧を作成しましたので速報としてアップします。とにもかくにも皆様おつかれさまでした。
私自身は、市長提出議案12件のうち「国民健康保険条例等の一部改正」に反対し、他は賛成。陳情は3件とも採択(賛成)を主張しました。議員提出議案となった「東村山市役所からパワーハラスメントを根絶することを求める決議」は、全議員の賛成で可決されました。
決議の全文は以下の通りです。
【議員提出議案3号 東村山市役所からパワーハラスメントを根絶することを求める決議】
東村山市役所では、2016(平成28)年に職員による部下へのパワーハラスメントが発覚し、新聞各紙でも報道されるなど、市民に大きな衝撃と不安を与える結果となった。市長はその際、議会の答弁において再発防止策の実行を約束したが、現状は職員の研修受講等にとどまり、パワーハラスメント被害者を救済するための有効な対策が講じられているとは言い難い。
パワーハラスメントを根絶するための有効な対策として、まずは実態把握のための無記名アンケート等の実施、また、被害者が被害を訴え出ることができる外部の第三者機関窓口や調査機関の設置も視野に入れ、職員誰もがパワーハラスメントに苦しむことのないシステムを早急に構築していただきたい。
東村山市役所が職員の人権がしっかり守られた職場環境となるよう、市長に強く求める。 東村山市議会は、パワーハラスメントが職員の生命に関わる事態を引き起こしかねない重大な人権侵害であると認識し、あらゆる策を講じて防止に努めるべきと考え、以上決議する。
令和6年9月27日 東京都東村山市議会
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また、「国民健康保険条例等の一部改正」の厚生委員長報告に質疑の上で反対討論を行い、議会運営委員長報告の陳情には敢えて賛成討論を行いました。
以下、その全文を掲載します。
【市長提出議案36号「国民健康保険条例等の一部改正」に対する反対討論】
これまで、マイナンバーカード関係の議案がいくつかありましたが、問題点を指摘しつつも、将来に向けてそもそもの必要性については認める立場から、注文をつけつつ賛成をしてまいりました。
しかし本件については、反対をいたします。理由は極めて不正直で不誠実なプロセスで進めてきた政府に対する怒りを一度はしっかり表明すべきと考えるからであり、不完全な法を押し付けられる基礎自治体である東村山市もまた被害者だと考えています。
ゆえに、本条例を可決させないと違法状態になるとする執行部の説明には納得していますし、それを理由に賛成する、とする政権与党を担う政党の方たちの立場も理解をいたします。
マイナンバーカードの取得は、委員会の反対討論で白石議員がおっしゃっていたように、また事実としても、申請主義であり、任意です。任意である以上は被保険者に不利益は生じない、と政府は重ねて説明してきましたが、紙の健康保険証は廃止となります。
一つの事例ですが、遠方の介護施設に親御さんを預けておられる方から、紙の保険証だから現物やコピーを施設に預けていたが、多くの情報が入ったマイナンバーカードを預けることには様々な面で危惧があり、本当に困っているという声をいただきました。資格確認証が発行されることをもって不利益を生じさせないという意見もありましたが、資格確認書が未来永劫発行される保証は全くありません。
私たちは国が決めたものならば、どんな悪法でも唯々諾々と可決しなければならないのでしょうか。数に頼んで成立させた与党の幹部たちから、今頃になって「見直し」だ「延期」だと発言が相次いでいることは、少なくともプロセスの杜撰さを自ら認めるものであり、お粗末というほかありませんし、紙の保険証廃止を決定した政策形成過程の記録が存在しないという報道を目にするに至っては、まあこんなことばかりのここ数年なので驚かなくなりましたが…仮に本条例が不成立になっても、その責任は政府自身が負うべきものだと申し上げたいほど、本当に酷いものだと思います。地方自治を愚弄、否定するような政策決定を続けてきた現政権には、猛省を求めたいと思います。
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【6陳情7号 議会に支障のない範囲で議場を自習室として一般開放することに関する陳情】
本陳情は、「近い将来に選挙権を持つ中高生らに行政や議会への関心を高めてもらうこと」と「議場の有効利用を図る」という二つの目的のために、手段として「議場を自習室として一般開放する」ことを特定した上で、「検討する」ことを求めておられます。
この2つの目的は、様々なアプローチによって実現が図られるべき課題であり、私たち議会も、その前進や解決のために先頭に立って責任を果たすべき存在であるというのが私の考えです。
その上で、目的達成のため「議場を自習室に」という手段については、委員会における反対討論を聞いて納得する点も多く、先ほどまで結論を悩みました。
しかし、反対討論をまとめようとすると、「できない理由」を並べることになりました。ひょっとすると陳情者は、兵庫県西脇市議会がこの夏実施した「議会の会議室を学習スペースとして開放します」という取組みに触発されたのかもしれない…と思い、西脇市議会の元議長にご連絡をしてやり取りをしてみました。西脇市議会は子ども・若者との対話の場を積極的に設けており、高校生議会なども開催されており、殆ど何もできてない私たちとは違うステージにあるとは思いましたし、本陳情も疑問は多少残るけれど、国を挙げて子ども真ん中社会を進めることになっている中で、東村山市議会としてもそれを目指し、どうしたらできるのか、を考えるべき提案であると判断するに至りました。
委員会段階で賛成が無かったというご報告でしたので、本件は不採択になることと思いますが、あえて火種を残したいと考え、採択しませんか、という賛成の意見を表明し、討論とします。