30年度決算を認定しました

4日間にわたる決算特別委員会が夕方終わり、30年度の一般会計、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、下水道の4つの特別会計の決算に対して、認定するという結論を出しました。

議会としての結論も、いずれも賛成多数で「認定(決算では可決と言いません)」しました。

私たちの会派「つなごう!立憲・ネット」としての一般会計決算への討論は、以下の通りです。

 会派を代表して、本決算を認定する、という立場で討論に参加します。

 まず、本年4月の選挙後に結成した私たちの会派「つなごう!立憲・ネット」の4名のうち3名は30年度予算審査時には2つの異なる会派に所属し、1名は賛成、1名は反対、1名は棄権としました。また1名は初当選組です。立場や考え方の違いがあることを前提に、まずは、自分たちが求めるあり方や配分ではなく、市長が示した予算編成時の方針、目標に照らして、チーム市役所として真剣に、公正に、合理的に事務執行が行われたのかどうか、結果として健全な財政運営が貫かれたのかどうか、という視点で本決算への評価について議論し、「認定すべし」という結論に至ったことを申し上げます。

 以下、認定の理由を申し述べます。

 30年度予算は、異例の船出でありました。

 憩いの家運営業務委託料の積算方法について答弁の不手際が続き、一般会計予算案は一旦撤回され、当該委託料を全額削除し、その運営を市直営とした上で、再提出されました。急な体制見直しによる混乱の中で、担当部署の皆さんが、利用される市民に迷惑がかからないように、と懸命に対応されたことには、慰労と感謝の念をお伝えしたいと思います。市は受託事業者に対して運営委託料の一部について不当利得返還請求を行い、56万円余りが返納されました。

 市民の命と安全を守る司令塔となる本庁舎の大規模改修工事が無事に完工したことは、近い将来に予測される大規模な震災への対応や、今後の財政運営を考えても適切なものであったと考えます。

 必要な道路整備や鉄道連続立体交差が順調に進んだことを評価すると共に、いずれも都や鉄道会社が担う部分が多い事業ですが、後年度への負担が増大しないよう、市の主体性をさらに発揮して取り組んでいただくと共に、長期的な視点に立ち、真に必要な道路とは何か、現在ある道を活かした計画への精査、見直しを研究していただきたい。

 前市政下でのツケが招いた退職手当債発行の縛りにより、業務が増えても正規職員は増やせないことから、嘱託、臨時、さらには民間スタッフの皆さんに大いに頼らざるを得ない市役所です。限られた正規職員に負担が集中し、責任感の強い方ほど仕事を背負い込み、時に燃え尽きてしまう。いかに気持ちよく、前向きに働き続けることができる職場をつくるかは、実は最大のテーマではないか、と感じています。

 総務部長自らが講師となってメンタルヘルス研修が行われた、というお話がありました。立場や処遇が異なる方たちが共に働くことの難しさは大きいと思いますが、困難な状況にある職員が孤立することのないよう、共感と支え合いが実現する市役所にすべく、みんなで力を合わせる仕組みと風土を整えていっていただきたいと思います。

 「公民連携」について触れます。

 600を超える業務を大和リースにそっくり任せることにした包括施設管理委託は、業務水準の改善と、全庁的な業務効率向上で着実な成果が上がっています。一方で、民民の契約になったことで「見えづらく」なっている点があることも事実です。

 パーソルテンプスタッフとの連携協定をもとに開所された「ジョブシェアセンター」は、所期の目的に照らして成果が上がっているという自己評価は受け止めつつ、税金を投入して開設した意義が市民に広く理解される努力、取組みを求めます。

 公民連携のガイドラインづくりが速やかに進められ、プラットフォームセミナーの展開などを通じて、市民や民間セクターに広く理解が進むように取り組まれていることを評価いたします。

 今後、公民連携を加速させるとしている中で、私たちは、公正性や公平性を担保し、行政の信頼を維持、向上させるために、評価のシステム、モニタリング制度を整え、徹底した可視化・見える化に取り組むことを提案いたします。日本一のPPPを進めるのであれば、同時に日本一市民に信頼される自治体を目指しましょう。

 超少子超高齢社会を前に、公に求められる課題もますます多様化します。公務員だけで公共が作り出せる時代は終わりました。住民、職員、民間団体や事業者、そして私たち議会議員、あらゆる人たちが公共的な価値を生み出す主体であります。他人ゴトから自分ゴトへ、他責から自責へと文化を変えていく努力と、普段のコミュニケーションを怠らないことが何よりも大切なのではないかと思います。

 会派として評価し、拡充を求める事業を少し加えます。

 医療的ケア児の保育が始まり、今後、公立保育園でも可能であるということ。どんな状態の子どもも一緒に育つことができる環境、セーフティネットづくり、そして保育の質の維持向上に、5つの公立保育園が責任をもってあたっていただきたい。

 住宅修改築補助金の期間延長が図られたこと。更なる拡充を望みます。

 ギャンブル依存症対策を含む研修に職員を複数派遣したこと。成果を上げている学習支援、家計支援等の生活困窮者支援事業の拡充とともに、研修の成果を活かした取り組みに期待します。

 アウトリーチ型での不登校対策に取り組まれていること。しかし実態は厳しいと言わざるを得ず、学校に戻すことがゴールではない、と社会が変わっていることを前提に、要因の分析をもっと丁寧に行い、多様な選択肢ができるよう取組みを強めること。

 以上、討論といたします。

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