自治日報に掲載いただきました

★自治日報★の3面「議会」欄に「議会同士の切磋琢磨をエンジンに」と題した拙稿を掲載いただきました。

編集部から送っていただいた現物を開いてみると、1面には敬愛する松本武洋さんの稿。同じ号で光栄です。

さて、議会改革という言葉に出会った2007年。あれから15年~

4年毎に顔ぶれが替わる定めの中、改革のサイクルを継続できる議会なのか、うちのように瞬間風速は吹いたけれどいつの間にか後塵を拝す議会なのか。その違いはどこにあるのだろう?と考える日々の中、原稿依頼をいただいたので、そんな文章になりました。

論考などとはとても呼べない雑感みたいなものですが、自分の考えを整理するには大変ありがたい機会でした。お声がけをいただき、どうもありがとうございました。

掲載の許可をいただいているので、画像としてアップし、以下テキストで全文を掲載します。

議会同士の切磋琢磨をエンジンに (自治日報2022年12月5日 3面)

先日、「議会に関する視察」を久しぶりに中京と関西の議会から受ける機会に恵まれた。テーマは「議会報告会」と「政策提案」に関するものが多く、コロナ前から通算すると全国から50議会ほどをお迎えした。複数の議員で対応して説明するが、醍醐味は後半の意見交換にある。私たちよりよほど活発に活動されている議会も少なくなく、視察の受け入れは居ながらにして学べるありがたい機会であり、議会同士の貴重な外交の場である。全く先駆的な議会ではないが、学び合い高め合う相手として、ぜひ東村山市議会へお越しいただきたい。

○議会報告会を継続する意味

東村山市議会が2年半の議論と作業の上、議会基本条例を施行したのは2014年4月のこと。「市民に開かれた議会」を掲げ、傍聴の際の住所や氏名の記載廃止、傍聴席での録音・録画の自由化、請願者・陳情者の陳述の制度化等を行うと共に、議会報告会様々な手法やテーマでトライ&エラーを重ねて3か月ごとに継続してきた。(➡https://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/gikai/katsudo/gikaihoukoku/index.html

2020年春にコロナで一度止まったが、休まないことが市民との約束と考え、8月からは手持ちの機材でyoutubeによる録画配信を、そして今年2月からはグループでの意見交換もzoomを活用して復活することができた。11月には久しぶりに会場で開催できたが、オンライン継続を望む多くの声に応え、併用とした。緊急避難的に始めたオンライン開催だったが、忙しい現役世代や、子育てや介護で会場へ出向けなかった、参集するほど熱心ではないが気にはなっていた…といった、それまでとは明らかに異なる層に参加を広げることに繋がった。

8年半前の開催当初、私たち議員は答える側に回ると途端に力不足が顕在化し、市長部局に日頃偉そうに求めている「説明責任」を果たすことが容易ではないことを学ぶこととなった。「議員数を減らせ」「給料が高すぎる」という参加者に定数や報酬を尋ねると、「知らない」と答えた。「責任者の市長がなぜいないのか?」と問われたこともある。地方自治・市議会の仕組みを説明する数分のスライド「ようこそ!議会報告会へ」を急きょ作成し、次の回から冒頭に上映することにした。

議会報告会の定期開催は、住民に議会や地方自治を理解してもらい共に考える大事な機会であり、私たち議員のコミュニケーション力を鍛えるために不可欠な場でもある。

○議会同士の切磋琢磨をエンジンに

 初の議会基本条例が北海道栗山町議会で誕生して16年、北川正恭早稲田大学名誉教授が三重県知事時代にマニフェストを提唱して来年で20年。この間、議会間での善政競争が伝播し、機能強化のサイクルを確立できた地方議会は、目的である住民福祉の向上へ一丸となって歩みを進めている。翻って私たちは…2012年に419位だった全国議会改革度調査(マニフェスト研究所)では、議会基本条例施行の翌年に32位まで評価を高めたが、以後は下降を続け、直近では300位手前となった。何かを後退させたわけではないが、改革マインドをビルトインした全国の議会に追い抜かれ続けた結果である。

 社会は刻々と進化していて、地方自治の世界も例外ではない。今年のマニフェスト大賞も、受賞者はいずれも圧巻の実践で、特に最優秀議会改革賞に輝いた会津若松市議会と、ローカルマニフェスト大賞「議員・会派の部」に輝いた自由民主党横浜市会は、今回も他の追随を許さない取り組みであった。審査委員の廣瀬克哉法政大学総長や江藤俊昭大正大学教授が講評で口を揃えておられたのは、「現状を維持しての受賞ではなく、高い改革意識ゆえのさらなる挑戦、進化の結果」ということだった。

○いつも「なんのため」に立ち返りながら

20年間ずっと完全な無所属として議員を務めてくる中で、4年ごとに顔ぶれが替わり、多様な考え方が共存する地方議会で、「なんのため」に議会改革に取り組むのか、というミッションを共有し、進化させる難しさを日々痛感している。

成功体験が重要ではないかと考え、ここ2年は特に、議員より議会として成果を上げることを重視し、所属する常任委員会では「投票率向上策」を所管事務調査に定め、オンライン市民アンケートの実施や、佐藤淳青森大学教授、可児市議会、取手市議会とオンラインで結んでの勉強会を重ね、選挙管理委員や教育委員会との意見交換も行ってきた。議会基本条例で定めた「政策研究会」を超党派で立ち上げ、市内にある国立ハンセン病療養所「多磨全生園」の将来構想に議会はどう関わるべきなのかをテーマに関係者との対話も続けている。

来春は選挙を迎える議会が多い。公共施設の統廃合や負担増など、厳しい選択が待ち受けているのに、「アレオレ詐欺(あれはおれがやった)」候補が増えないことを願うばかりだ。おいしい話ができる時代ではないし、そもそも議員一人で成し得ることなど、実はほとんどないのだから。「チーム議会」として、正義(Justice)より公平・公正(Fairness)を重んじ、考え方の違う議員同士が対話と討議を重ね、合意形成を図り、住民にとって少しでもベターな解を導き出す。そんな議会をつくりたい。議会のレベルが自治体の未来を左右する時代になっている。

「渡部市政の4期16年で東村山市はどんなまちになったのか」~明日(12月1日)夕方、一般質問に立ちます

昨日開会した東村山市議会12月定例会は、明日から3日間は24名の議員による一般質問が行われます。

1日8名ずつで、今議会は議席番号の若い順ですので、9番の私は明日のラストバッターとして質問に立ちます(議席1番の土方議長は一般質問を行いません)。出番はおそらく4時か5時頃になると思いますが、ぜひとも傍聴にいらしてください。もちろんネット中継でもご覧いただけます。

今回のお題は大きく2つ。

まず「1.渡部市政の4期16年で東村山市はどんなまちになったのかです。

渡部市長が誕生した2007(平成19)年に既に議員だったのは、朝木議員と私しか残っていません。来年4月で4期目の任期満了を迎える渡部尚市長に対し、各期ごとに掲げたマニフェストをもとに振り返り、私たちのまち・東村山はどう変わったのか、変わらなかったのか、今後どのようなまちをつくっていくのか、という大きなテーマで議論したいと思っています。

通常この時期は、市長の出身会派である自民党の議員が、「来春の市長選への意向」を問い掛けて市長が応答するという場面があり、新聞記者が傍聴に来ていたりするもので、4年前も当時の会派代表の肥沼茂男さんがその任を務めておられました。今回も当然あるのだろうと思いつつ、私は私の立場と考え方に基づいて取り上げたいし、被っても構わないと思って通告をしましたが、蓋を開けてみたらどなたもおやりにならないことわかりました。さて、どうなりますか。

明日も触れるつもりですが、渡部市政の誕生には、2006年夏から冬にかけての東村山駅西口再開発事業をめぐる住民投票条例運動が大きな影響を与えました。1万8千を超える直接請求の法定署名で成立し、12月議会最終日に上程された「東村山駅西口再開発事業を現計画のまま行うことについて市民の賛否を問う住民投票条例」は、思わぬ展開の中で可否同数・議長裁決で否決され実現できませんでした。

ところが、命拾いしたはずの前市長が御用納めの日に突然退陣を表明し、年明けには前市長の意中の人ではなかった、当時は4期目の市議だった渡部さんが市長選候補となり、4月の選挙に出馬。他の候補が「開発反対」を掲げる中で、住民投票条例を葬った立場であった渡部候補のマニフェストに「住民投票を含む自治基本条例の制定」が掲げられたことに私は心底驚き、「勝負あり」と思ったものでした。あれから16年。東村山市はどう変わったのでしょうか。

それでは通告内容を画像とテキストでアップします。

1.渡部市政の4期16年で東村山市はどんなまちになったのか

平成19年5月に初当選されて以来、間もなく4期目を終えようとしている渡部市政。そのスタート前の事情から知る現職議員も今や2人となる中、この16年間で東村山市はどのような点が変わり、また変わらなかったのか、どのような自治体になったのか、という議論を私なりに一度させていただきたいと考え、以下質問する。

1)1期目(平成19年5月~23年4月) の評価について

当時打ち出されたマニフェスト「八国山からの新たな風宣言」では、3つの柱を立て、東京都で「イチバン」になる政策として3つの分野でNo.1を目指すとしていた。前市長の突然の退陣表明を受け、出馬を決意された最大の要因、当時の課題意識、目指していた市政の姿、掲げたマニフェストの主だった項目の達成状況について、改めて簡潔にご説明いただきたい。

2)2期目(平成23年5月~27年4月)の評価について

2期目のマニフェスト「バージョンアップ!東村山」では、1期目マニフェストを検証しつつ、4つのバージョンアップを掲げ、目標年度を示した分野ごとの政策を打ち出されていた。自身が手掛けた初めての総合計画であった「第4期総合計画」のスタート年でもあったこの年、《希望に満ちた「生活充実都市」を目指す》として挑んだ2期目、最も重視したことは何だったのか。掲げた政策はどこまで進み、進まなかったのか。

3)3期目(平成27年5月~31年4月)の評価について

3期目のマニフェスト「バージョンアップ!東村山2.0」では、「さらに安全で便利なまちへ」と「さらに安心で優しいまちへ」の2本柱を掲げ、各施策を列挙されている。3期目に力を入れたテーマ、2期8年の実績と課題を踏まえたマニフェストの達成状況について簡潔に説明いただきたい。

4)4期目(令和元年5月~5年4月)の評価について

 4期目は少し詳しく伺う。マニフェスト「バージョンアップ!東村山 3.0」では、《「住んでよし・働いてよし・楽しんでよし」三拍子そろった「たのしむらやま」に向かって、4つのアクションプランを実行する》とし、分野ごとのマニフェストを示しておられた。そこで以下伺う。

①《「東村山大改造」を進め、もっと安全で便利な活力あるまちへ!》について主項目の達成状況、課題を伺う。

②《「東村山創生」を進め、もっと元気でワクワクするまちへ!》について主項目の達成状況、課題を伺う。

③《「子育てするなら東村山」の更なる充実で、すべての子ども達が健やかで心豊かに育つまちへ!》について主項目の達成状況、課題を伺う。

④《「人生100年時代を支える良福祉・良環境」を整え、もっと安心でうるおいのある優しいまちへ!》について主項目の達成状況、課題を伺う。

5)4期16年で東村山市はどのような自治体になったのか。

①「みんなで進めるまちづくり基本条例」が掲げた基本原則について

 同条例は、1期目の平成22年3月議会で「(仮称)自治基本条例」をみんなで考えるための手続に関する条例」を可決し、同年6月に自治基本条例市民参画推進審議会を立ち上げ、検討を開始。2期目スタート後の平成23年10月から18回にわたり「自治基本条例策定市民会議」で議論され、パブリックコメントや市民説明会を経て、25年12月定例会で一部修正のうえ可決・成立、12月27日に公布された。基本原則は「情報共有」「市民参加「協働」の3つ。東村山市政の背骨として掲げられたこれらの原則は、それぞれに今、どこまでどう進み、課題はどこにあり、今後どうしていこうと考えておられるのか、伺う。

②同条例のバージョンアップについて

制定から来年で10年となる。公民連携やDXの進展、ジェンダー平等、障害者差別解消、子ども・若者の市政参加の方策等、社会の変化、地方自治をめぐる様々な状況を考えたとき、改正によってバージョンアップを図る必要性もあるのではないか。考えを伺う。

6)第5次総合計画が描く10年後の東村山と今後の市政運営について

昨年度スタートした第5次総合計画は、市長4期目マニフェストと概ね整合性のとれたものと受け止めている。「まちの生き残りをかけた重大な総合計画」と自ら述べられ、バックキャスティングの思考で策定されている同計画を着実に推進するためには、今後、自分ゴトとして理解し、積極的に参画する市民と職員の力が不可欠と考える。どのような姿勢でかじ取りを行っていくのか、伺う。

12月定例議会が始まりました(初日報告)

12月定例議会が今日から始まりました。

9時半、開会前に野崎副市長が登壇し、「奥様が25日に陽性判明したので、市長は濃厚接触者に。検査が陰性なら3日目からOKで、罹患はしていない。昨日からリモートで公務にあたっているが、議会は対面なので議員や職員へのリスク回避のため本日は出席を控えさせていただく」と説明。市長抜きでの初日となりました。

初日の冒頭は、議会運営上の手続きについていろいろと議決を取ります。最終日にも東村山市議会特有の議決を諮るものがあります。今日で言えば、①↓は他の議会ではやらないはずです。どうしてこんなことを毎回やるのかと言えば、私が入る以前の時代に、議会運営を巡ってまあそれは大変な問題や騒動が次々と起こったからと聞いています。アツモノに懲りてナマスを吹く…みたいなところがあるので、そろそろ卒業できるといいんですけどね。

①議員と議長の権利&義務を確認して、議長権限を認めることについて:共産党4人、朝木議員、藤田議員が×

②会期を11月29日から12月22日の24日間に決定することについて:朝木議員、藤田議員が×

③質疑の持ち時間を制限することについて:共産党4人、朝木議員、藤田議員が×

持ち時間制限に反対というのは考え方としてありだと思いますが、会期決定に賛成しないというのはどういう意味なんだろうなぁ。じゃあどうしろと言うのでしょうね。これに反対するのは、以前は草の根の矢野・朝木だけだったんですけどね…謎です。

その後、市長が不在なのでいつも行われる「所信表明」は無く、すぐに議案審議に入りました。※所信表明は机上配布となり、★全文がすでに市HPにアップされていますのでご覧ください★

まず、一般会計補正予算第4号から。

▶【報告5号】専決処分事項(4年度 一般会計補正予算第4号)の報告

9月議会が閉会した直後、国の緊急経済対策(電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金)を実施するための予算が全国の自治体に交付されました。本来は議会に諮るべき案件ですが、コロナ禍での議会と市長との合意として「国や東京都からの急を要する政策で、財源も国や都が100%持つ=市の一般財源には手を付けない案件に限って専決処分もやむなし」としているので、既に10月11日に市長による専決処分されたものについて、済んだものを承認するか否かを議論し、諮りました。ゆえに、【議案】ではなく【報告】です。

この議案は、全員の賛成で「承認」しました。

続いて一般会計補正予算第5号。こちらはこれからの予算です。

▶【議案第60号】4年度 一般会計補正予算(第5号) 

国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した農業者や企業等の燃料費・光熱費応援金のほか、障害福祉サービス施設・高齢者施設等物価高騰への対策支援金、保育所等への物価高騰対応補助金など、主にエネルギー・食料品価格等の物価高騰に対応するため必要な予算が計上されました。

この議案は、朝木直子議員以外の賛成多数で可決しました。

ここで12時を過ぎていたのでお昼休みに。

午後は指定管理者を指定する議案2件を扱い、結論を出しました。

▶【議案第54号】子育て総合支援センターの指定管理者の指定

正式名称は「子育て総合支援センター」、愛称は「ころころの森」と聞くとお分かりになる方が一気に増えると思います。2012年4月から指定管理者により運営されています。指定期間は5年間で、1期目、2期目(コロナの影響で1年延長)ともに「東村山市子どもNPOユニット(以下、ユニット)」が選定され、通算11年目を迎えています。来年4月からの5年間の管理者を公募したものの、応募は「ユニット」のみで、審査の結果、3期目も指定することになったとのこと。「指定管理者の指定」は議会の議決事項であるため、審議の上、可否を諮りました。

この議案は、共産党4人、朝木直子、藤田まさみ両議員が反対、他の議員15人は賛成で可決しました。

続いてもう1件、指定管理者の指定議案です。

▶【議案第55号】市立児童館第1・第2野火止分室の指定管理者の指定

東村山市は、学童クラブのことを「児童館分室」と呼んでいます。つまり、野火止第1学童と第2学童の指定管理者を指定するための議案です。これまで、第1は市直営で、第2は民間(指定管理者)が運営してきました。市は今年6月に、5つある児童館は直営で、29ある児童クラブ(このうち5つは既に指定管理者)は段階的にすべて指定管理者による運営に切り替えるという方針を公表し、今回の指定はその方針に従った第1号ということになります。7つの事業者が手をあげ、2次選考まで進めた結果、これまで第2野火止を担ってきた「株式会社 明日葉」が第1と両方の指定管理者として選定されました。

この議案は共産党4人と朝木議員以外の16人が賛成し、可決しました。

明日は休会日で、明後日(12月1日)から一般質問が始まります。1日(木)5日(月)、6日(火)の3日間、毎日8人が己の関心事をもとに質問に立ちます。

私は全体の8番目なので、12月1日(木)の夕方になります。普通に進むと、16時以前ということは考えにくく、場合によっては17時を過ぎての出番になるのだろうと思います。

通告の内容は次の記事でアップします。お時間あったらぜひぜひ傍聴にいらしてください。

12月議会で審議&議決する議案はコチラ

12月定例市議会が11月22日(火)告示され、その日の夕方には議会事務局がすべての議案を市議会HPにアップしてくれました。ありがとうございます。

★市議会HP 市長提出議案★

以下、市長から提出された議案の内容を私なりに簡単に解説します。

▶【議案第49号】 東村山市議会議員及び東村山市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部改正

消費税増税分を選挙公費負担の上限額に反映させる、という内容です。何で今頃?と思ってみてみたら、前回の市長選&市議選が行われたのが平成31年(令和元年)の4月で、その年の10月1日に消費税が10%に引き上げられたので、次の選挙までに改正が必要だったようで、「今」となったようです。

▶【議案第50号】東村山市個人情報の保護に関する法律施行条例

個人情報の保護については、1980年代半ばから国よりも地方自治体が先立って条例として整備をしてきたので、自治体によってルールに少なからず差異があります。個人情報を国家レベルで、また民間でも「活用」することを最優先させたい国にとっては、特に「保護」に重点を置いて厳しいルールを課してきた自治体の条例は厄介な存在でした。反対に、脇の甘い条例だった自治体にとっては、レベルアップにつながる点があるのかもしれません。国がデジタル関連法に伴って個人情報保護法を改正して全国一律のルールを定めたことで、ほとんどの自治体は独自の個人情報保護条例を廃止し、「国の法律を施行するための条例」という立てつけに変える、という手続きに入っています。

▶【議案第51号】地方公務員法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備等に関する条例

条例名を見ても何のことだかさっぱりわからない条例がたまにありますが、まさにその一つだな、と思いつつ。内容は、これまで60歳だった地方公務員の定年年齢を段階的に65歳まで引き上げることを国が決めたので、それを市として実際にどのようなルールを定めて実施するのか、を条例化するものです。60歳での役職定年制の導入や、関連する複数の条例を改正するために「関係条例の整備等」という名称になっています。

▶【議案第52号】東村山市職員の給与に関する条例の一部改

▶【議案第53号】東村山市職員退職手当支給条例の一部改正

この2つの条例改正も、職員の定年延長に関係するものです。

▶【議案第54号】東村山市子育て総合支援センターの指定管理者の指定

正式名称は「子育て総合支援センター」、愛称は「ころころの森」と聞くとお分かりになる方が一気に増えると思います。2012年4月から指定管理者により運営されています。指定期間は5年間で、1期目、2期目(コロナの影響で1年延長)ともに「東村山市子どもNPOユニット(以下、ユニット)」が選定され、通算11年目を迎えています。来年4月からの5年間の管理者を公募したものの、応募は「ユニット」のみで、審査の結果、3期目も指定することになったとのこと。「指定管理者の指定」は議会の議決事項であるため、初日の本会議で議論した上で議決します。

▶【議案第55号】東村山市立児童館第1・第2野火止分室の指定管理者の指定

東村山市は、学童クラブのことを「児童館分室」と呼んでいます。つまり、野火止第1学童と第2学童の指定管理者を指定するための議案です。これまで、第1は市直営で、第2は民間(指定管理者)が運営してきました。市は今年6月に、5つある児童館は直営で、29ある児童クラブ(このうち5つは既に指定管理者)は段階的にすべて指定管理者による運営に切り替えるという方針を公表し、今回の指定はその方針に従った第1号ということになります。7事業者が手をあげ、2次選考まで進めた結果、これまで第2野火止を担ってきた「株式会社 明日葉」が第1と両方の指定管理者として選定されたようです。

▶【議案56号】~【議案59号】市道路の認定や廃止議案

開発行為に伴って新設されたり、いったん廃止して延長して認定し直す議案が4件出されています。

▶【議案第60号】令和4年度 東村山市一般会計補正予算(第5号)

国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した農業者や企業等の燃料費・光熱費応援金のほか、障害福祉サービス施設・高齢者施設等物価高騰への対策支援金、保育所等への物価高騰対応補助金など、主にエネルギー・食料品価格等の物価高騰に対応するため必要な予算が計上されました。

▶【報告5号】専決処分事項(令和4年度 東村山市一般会計補正予算(第4号))の報告

9月議会が閉会した直後、国の緊急経済対策(電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金)を実施するための予算が全国の自治体に交付されました。本来は議会に諮るべき案件ですが、コロナ禍での議会と市長との合意として「国や東京都からの急を要する政策で、財源も国や都が100%持つ=市の一般財源には手を付けない案件に限って専決処分もやむなし」としているので、既に10月11日に市長による専決処分されたものについて、承認するか否かを議論し、諮ります。ゆえに、【議案】ではなく【報告】となっています。

12月議会へ始動。

12月議会が告示され、来週29日からスタートすることが正式に決まりました。

正確に言うと、市長から「12月定例議会を招集したので11月29日に本会議場に集まってね」という「告示」があり、それを受けて議長から全議員に「ちゃんと来るように」という「通知」が行われた、ということ。理屈上、伝えられている日程も議案もあくまで「予定」です。

実際には、集まってから考えましょうというわけにいかないので、東村山市議会では定例議会最終日に次の定例議会の日程を「予定」として公表しています。議会によっては年間日程を出していますが、様々な要因で変更の可能性もあるので、どう扱うかは各議会次第というところです。

12月定例議会に市長から提出された議案は12件で、うち条例の新設が2件、条例の改正が3件、指定管理者の指定が2件、市道の認定・廃止が4件、補正予算が1件です。これ以外に補正予算の専決処分報告が1件あります。 初日の本会議ではこれら13件のうち4件を扱うことになりそうです。

残り9件は常任委員会で扱う見込みで、道路の改廃4件は「まちづくり環境委」へ。他5件は私も所属する「政策総務委」と思われますが、個人情報保護法成立を受けた新条例と、公務員の定年延長に関わる新たなルール作りの条例が膨大で詳細なものになっており、記憶にないほどの分量です。

11時に締切の一般質問通告書を、間際議連らしくなく珍しく小一時間前に提出した(十分間際か…)ので、こんなことを書いていました。

一般質問は以下の2題を通告しました。

1.渡部市政の4期16年で東村山市はどんなまちになったのか 

2.当市における「いじめ問題」の今

みんな元気でよかった(^^)/大学ゼミの同期会

昨夜は、大学時代のゼミ同期生の集まりで数年ぶりに三田へ。

教職課程の仲間や高校サッカー部の同期会は何度かありましたが、本丸である学部のゼミ同期会は卒業後初めてのこと。

私たち16人は、1920年生まれで、社会保障論の大家であった中鉢正美先生の最後の門下生でした。その先生が2013年に93歳で旅立たれていたことを数年してから知ったくらい、ゼミとは疎遠で来ましたが、同期のゼミ代表・小堺くんが地道に声を掛け、準備をし、実現にこぎつけてくれました。

昭和37年、38年生まれなので、今ではみんな定年前後。大学卒業時はバブルスタートの頃で、私以外は全員が名だたる企業に早々に就職を決めた中、教職試験に失敗&就職浪人で再挑戦を自分で決めていたものの、いくばくかの追いていかれる感を抱いていたことを思い出しました。

そんな大学3&4年生でしたが、ラーメン二郎に朝から並んだり、河川敷で野球大会をしたり、卒業間際に野沢温泉にスキーバスで遊びに行ったり…勉強以外のことをみんなたくさん覚えているものですね。

それぞれに30数年分の公私の歩みを数分で報告し、あとはあれこれと自由に…。

リアル参加7人、オンライン3人での2時間は、あっという間に過ぎました。人生の後半戦、再び糸がつながったご縁に感謝して、またみんな元気に会おうと誓い合って別れました。

全生園の中に花さき保育園があること。それは…

一昨日(11月7日・月)10時、政策研究会「多磨全生園の将来構想に市議会は何ができるか」の第7回を開き、全生園の敷地の一角にある「花さき保育園」の運営母体である社会福祉法人土の根会の理事長・新保庄三さんにお越しいただき、お話をいただきました。

新保さんは「今日の結論を先に見せます」とおっしゃって、元患者の山内きみえさんと保育園の年長さんたちとの交流の様子をそのまま映したDVDを30分ほど観せてくださいました。

その後、ご自身が2003年に東村山市の児童育成計画推進部会の会長として着任され、数年後に急な事情で花さき保育園の園長をお引き受けになり、さらに社会福祉法人「土の根会」を新たに立ち上げられ、今から10年前に現在の場所・全生園の南東の角地へ移転・開園されるまでの経過を詳しくお話しくださいました。

たくさんの言葉を心に刻みましたが、特に「そうか、そうだったんだ!」と思ったこと。それは、「花さき保育園は、入所者の方たちが自分たちの希望を要求として、将来構想の一つとして実現に力を尽くされた」ということです。

新保さんは、全生園の将来構想は子どもたちに託すべきだ、とおっしゃいました。花さき保育園では、著名な存在となった方だけでなく、全生園に暮らしておられる多くの入所者の方たちと子どもたちが保育園の日常として接しています。幼い頃の「当たり前」は、大人になっても変わらずに、心の中に、行動の中に生き続けるものなのだと改めて認識しました。

新保さんが東村山市に最初にお越しくださる少し前から存じ上げ、ライフワークであるアウシュビッツ収容所、コルチャック先生について教えていただき、以後20年。折に触れてご指導いただき、励ましていただくとともに、いくつかの局面では叱咤され、時に反駁もし、ご無礼をしたこともありましたので、今回の企画段階から実は大変緊張し、ドキドキしながら事前の打ち合わせにも出向いてきました。

しかし直接お話を重ねる中で、新保さんは、出会った頃から何も変わらぬ情熱と、並々ならぬ覚悟と、圧倒的な大局観で、様々な難題に向き合ってこられ、乗り越えてこられたのだということを痛感しました。

6月に立ち上げたこの政策研究会は、これまでの学び合いを踏まえたまとめ作業に入っていきます。シリーズの最終回を新保さんにお願いして本当に良かったと思います。

10月の【まさたかミーティング】

「市議会議員・佐藤まさたか」として、誰でもご参加いただける情報&意見交換
の場を19年間続けています。

【朝まさたか】10月29日(土)10〜11時半@廻田公民館

【午後まさたか】同日14〜15時半@市民センター

【夜まさたか】同日20〜21時半@zoom

今回は、9月議会の報告を中心に10月末に3回、12月議会の議案や陳情等の直前情報が届き次第、11月末に3回開催します。市政や市議会のあんなことこんなことにも率直にお答えしています。

私をご支持いただくかどうかに関係なく、どうぞお気軽にご参加ください。

※公民館や市民センターへは直接お越しください。オンラインはZoomアドレ
スをお送りしますのでメールでご連絡ください。

【速報】全議員の賛否一覧~9月定例議会終わる

8月29日から続いた9月定例議会が先ほど20時30分過ぎに閉会となりました。

市長から提出された議案16件はすべて可決し、市民からの陳情3件は、1件を採択&2件を不採択という結論を出しました。

私自身はすべの案件に賛成としました。

いつものように、どこよりも早く全24人(土方議長は議決に加わりません)の賛否一覧を作成しましたので、公開します。

詳細は追ってご報告します。

【若者の声が生きる自治体をつくる】※参加者募集中(^^)/

NPO法人多摩住民自治研究所が年4回開催している「議員の学校」。
今回は「若者政策」を真正面から取り上げます。
開催は10月24日(月)&25日(火)です。

こども基本法の施行が来年4月に迫り、地方自治体には子ども・若者の声をしっかり聴いて施策に反映させる仕組みや取り組みが責務となっていきます。

そこで、集中講義の講師には、東京都立大学特任教授の宮下与兵衛さんをお迎えします。
長野県立高校の教諭を37年勤められ、辰野高校で学校運営に生徒・保護者が参加する三者協議会を立ち上げ、実践された方であり、まとまったお話を伺える貴重な機会です。

実践報告は、最前線のお二人にお願いしています。

まず、山形県遊佐町の少年議会から、元少年町長を3年間務められた齋藤愛彩さん。約20年前から続く町政の取り組みに参画してきた当事者の率直な声に耳を傾け、自らの自治体での仕組みづくりを考え合いたいと思っています。

続いて、茨城県取手市議会の岩崎弘宜事務局次長。
議会が主体となった主権者教育として、地元の市立中学校とコラボした取り組みを展開している内容、成果等を伺います。全国議会改革度調査で2年連続トップとなり視察が殺到している市議会から学べるビッグチャンス。

シリーズ講義は、議員の学校・池上洋通学校長です。

感染防止の観点からオンライン参加を原則としていますが、会場参加も限定6人お受けしています。

「議員の学校」と銘打っており、議員の方には相応の参加費をお願いしていますが、関心をお持ちの市民の方、議員を志している方も大歓迎!1コマ1,000円と格安になっています。

学びの秋、ぜひぜひご参加を(^^)/

お申込み&お問い合わせは多摩研事務局までお願いします。
http://www.tamaken.org/?page_id=3095

※企画・運営に携わる法人理事の一人としてPRでしたm(__)m

【速報】全決算を認定して決算委員会終了

4日間続いた令和3年度決算の審査が先ほど20時20分に終わり、すべての会計の決算を市議会として認定しました。

▶まず、各委員の賛否は次の通りです。※伊藤真一委員長は採決に加わっていません。土方議長、村山副議長、駒崎監査委員は委員外です。一般会計の採決後に藤田委員が何らかの事情で不在となったため、以後の審査には加わっていません。※以下、敬称略

1.一般会計 

認定15人…自民党(熊木、小町、小林、下沢、志村、清水、木村)、公明党(石橋、渡辺英、横尾)、無会派5人(白石、かみまち、鈴木、藤田、佐藤ま)

不認定6人…共産党(渡辺み、山口、さとう直、浅見、山田)、無会派1人(朝木)

2.国民健康保険事業特別会計

認定14人:不認定6人 

3.後期高齢者医療特別会計

認定14人:不認定6人 

4.介護保険事業特別会計

認定14人:不認定6人 

5.下水道会計

認定19人:不認定1人(朝木)

▶次に、一般会計決算に対する私の討論を全文アップします。 

コロナ対策と市民生活の下支えに全庁一丸で奔走された1年、大変お疲れさまでした。福祉、教育をはじめ、公を多様な立場で担ってくださっている皆様に感謝するとともに、公務は納税する市民が納得するものでなければならないと改めて思います。

高めの実質収支、財政力指数や経常収支比率の下落等は、国や都からの臨時的な財源が大きく影響しており、必ずしも実態を表してはいません。市民への丁寧な説明に努めていただきたい。

その上で、3年度予算審査の賛成討論において期待を込めた点が着実に推進された一年であったと認めます。

既存の事業に加え、移動支援策の拡充、新しい生ごみ減量策、ごみ排出困難者支援、公園の指定管理制度への移行準備、萩山公園基本計画の策定、前川公園の取得準備等、新たな取り組みも着実に進められました。多摩湖町の稜線に残る緑地1.1haの公有地化は、狭山丘陵の貴重な景観を保全し、未来の世代にまちの価値を繋いでいく決断と高く評価します。ICT化による住民サービス、働き方改革が大きく進み、DX化が加速した一年でもありました。駐輪場は、利用料金制への移行を柱に、八坂駅前の整備、無料時間拡大による放置対策等、長年の課題を計画的に解決して来られたことに敬意を表します。

本決算には、議員個人ではなく議会が機関として機能した成果が反映されていることを高く評価します。まず、新しくなる東村山駅へのホームドア設置が財源措置を含めて確実なものになったことは、市内の視覚障害当事者の方から令和2年6月に議会へ提出された請願を全会一致で採択したことが原動力です。野火止用水の保全への新たな補助金の活用は、市議会から都への意見書提出が起点となりました。実現へのご尽力に感謝申し上げます。

課題と考えることを申し上げます。

民間が公を担う分野が急速に増える中、それを管理・監督する市職員の力量向上が求められています。経済的な効果と同時に、公の事業としての使命、公平・公正さの担保…すなわちプロセスの透明性、結果についての説明責任が必須です。かねてより指定管理や包括管理委託の議論で懸念を提示してきましたが、特定目的会社を活用した事業展開ではさらにわかりづらいものがあります。職員だけがわかればよいわけではなく、市民、議会の信頼を深めるための見える化、伝わる説明に努力いただきたい。

5年度からの定年延長は極めて大きな課題であり、大変さを察します。活力ある組織づくりに向けた準備のほどお願いいたします。

産前産後ヘルパー事業はもはや不可欠の子育て支援事業の一つと考えます。研究ではなく実現への具体的検討を求めます。

当市の道しるべ「みんなのまちづくり基本条例」には3つの基本原則が示され、第9条では「市が保有する情報は市民のものである」と明記しています。見守り・検証会議の答申「市民意見の反映、見える化」を踏まえてより高いレベルで実現できるよう、特に子ども・若者の意見反映の仕組み実現へ取り組んでいただくことを求め、決算認定の討論とします。

東村山タウンマネジメント株式会社

一般質問の報告もせぬうちに、東村山市議会は昨日から決算委員会が始まっています。今日が2日目。あと2日です。

今日は700億円を超える一般会計の歳出のうち、総務費、民生費(福祉関係費)を扱いました。

総務費で質疑が集中した一つ目は、「公共施設再生計画推進事業費(6億2,948万254円)」の光熱費(2億9,017万9,948円)と、委託料(3億3,839万9,998円)。まず光熱費。

市は電気料の支払い業務を、一昨年4月に設立した「東村山タウンマネジメント株式会社」に委託しており、それによる効果や課題を複数の議員が取り上げました。

東村山市はが庁内で使用する電力(特に高圧)の9割以上を同社の構成員であるエネオス(株)が調達しており、金額的には従来の電力供給会社との直接契約と比べて年間4,500万円ほど安く済み、これは5年間の長期契約ゆえとのこと。

燃料費高騰の影響で自治体の多くは光熱費の上昇に頭を痛めている中で、全国初のトライがグッドタイミングだったと言えるかもしれません。施設ごとや所管ごとの契約事務も一括して任せているので、事務コストも低減されています。

と、ここまではまあ良い話なわけですが…

小林美緒議員(自民)、石橋光明議員(公明)、渡辺みのる議員(共産)の質疑と答弁を聴いていて、いくつか引っかかったことがあったので、次のような問いを投げてみました。

①エネオスとアジア航測と市の3者で設立した株式会社の実態がようやく見えてきて、会社決算としては示されているが、予算段階では議会に情報はもたらされない。「議会からすると見えない、つまりは市民から見えない」と感じる。同社の社長が、設立当初は野崎副市長だったが現在は原田経営政策部担当部長になっていることも、今まで説明などはなく、法的に問題ではないのだろうけれど、違和感が残る。いつ、どのような経過で交代されたか。

②同社の収益を原資に、市のまちづくり事業を展開するとしているが、それは市の総合計画や実施計画のスキームの中なのか外なのか?

③社長を市の部長が務めていて、市の計画とは関係なく市民福祉向上に資する事業を展開する組織というが、万が一にも市と会社の利害が対立する事態が生じたときにはどういうことになるのか?これは利益相反ですよね?

④そもそも、地方公務員法38条(兼職の禁止)規定は、どのようにクリアしているのか?①と②については答えがあり、「準備しているまちづくり事業は市の事業ではなく、民間としての事業」なのだそうです。

立ち上げから2年半が経つのに、これまで詳細を検討、吟味してこなかった私自身の認識不足を恥じなければならない面もあり、一般質問でもないので③と④は改めて…ということで今日のところは一旦終えましたが…さて。

財政的にいくら効果的な取り組みも、公平・公正さに一点の曇りがないことが大前提。自分の理解度が足りないのかもしれませんが、モヤモヤ感が残ります。

民間提案制度として始まった事業。この続きは、西の方で敢然と頑張っておられる敬愛すべき議員に学びながら、少し掘ってみようと思います。

明日9時半、一般質問に立ちます

賑やかだった蝉の声に替わって秋の虫たちの合唱が急に大きくなってきました。

東村山市議会は8月29日から9月定例議会が始まっており、昨年度の決算審査を含め、今月末まで日程が続きます。

明日(5日・月)朝9時半から一般質問に立ちます。

今回は、「子ども・若者の声が活きる東村山市に」と「悩みを抱えた人に人権擁護の視点で支援を」の2題を取り上げます。

★質問通告書はコチラ★です。※この投稿の末尾に通告内容をテキストで掲載します。

子ども・若者を支援・育成の対象として施策展開を図って来た日本社会ですが、憲法と子どもの権利条約を拠り所とした「こども基本法」が来春施行されることとなり、自治体も子ども・若者を「権利の主体」として位置付けることが求められます。

これまで再三にわたり、「子どもは有権者ではないが主権者なので、彼らの声に耳を傾け、彼らが主体的に市政に参画できる継続的な仕組みを」と投げかけて来て、なかなか動きませんでしたが、今年6月議会では市長から「これまでの児童福祉的な発想から大きく転換し、権利主体としての子どもをどのように社会として受け入れ、かつ参加を促していくのか。大きく変わっていかなければならない。」と答弁がありました。9月議会冒頭でも「こどもの意見を表明する機会の確保、施策への反映などを具体的にどう進めていくか、関連する経営政策部、子ども家庭部、教育部で検討するよう指示した」と発言がありました。

ここは、間を置かずに問い掛け続ける事が大事と考え、明日の一般質問でも重ねて「場づくり」を提起する予定です。

また、市には多くの相談窓口がありますが、困っている人にとってわかりやすくて使いやすいものには未だなっておらず、ワンストップ化も進みません。特に、やっとのことで相談に来られた方の話を丁寧に聴いて、適切な支援に繋げ、その後も必要に応じて相談を継続するという「伴走型」支援が決定的に不足していると感じることが多くあります。振り分けたら終わり、ではない対応が求められているので、そのあたりを問いたいと思っています。

9時半ちょうどに始まりますので、お時間ありましたらぜひ傍聴にお出掛けください。

★市議会インターネットライブ配信はコチラ★からご覧いただけます。音声だけを「ながら」で聴いていただくだけでも嬉しいです。

では、以下が通告書3枚の画像と、テキスト全文です。

1.子ども・若者の声が活きる東村山市に

こども基本法(令和四年法律第七十七号)(以下、同法という)が成立し、令和5年4月1日より国にも自治体にも新たな責務が課せられ、様々な対応、対策が求められることとなった。日本国憲法と子どもの権利条約を拠り所とした同法が成立直前であった本年6月議会では、法案に示された基本理念や進むべき方向を確認させてもらった。今回はそれらを踏まえ、主権者である子ども・若者の声が活きる自治体をつくるために必要な仕組みや政策などについて、提起し、施策の前進に繋げたいと考え、以下質問する。

1)子ども・若者の意見を真剣に聴こう

①自治体には、同法3条(基本理念)の3及び4、11条等を踏まえ、子どもに関係する施策への子どもの意見表明、反映についての仕組みの整備が求められる。そこで伺う。 当市で、より多くの子どもたちの声に耳を傾け、考えを把握するために行っている取組みにはどのようなものがあるか。

②立川市では、平成28年度に続いて2回目となる「子どもの自己肯定感などに関する調査」を令和3年度に行い、報告書としてまとめている。これをどう受け止め、評価するか。当市においても、子どもたちの意見や気持ちを継続的に把握するために、同様の取り組みに着手することを提案し、見解を伺う。

③山形県遊佐町の「少年議会」、愛知県新城市の「若者議会」等、子ども・若者が主体的に自治体運営に関わる場を常設し、継続している自治体の事例を示したことがあるが、当市でも実現することを前提に調査や研究を進めていただきたい。これらの取組みの評価を含め、見解を伺う。

④本年6月議会一般質問で問い、一定の答弁があった点だが、具体的な取組みを強く求めて改めて伺う。平成元年9月議会一般質問で「中学校校則を人権の視点で見直しを」と提起し3年が経つ。当時、教育長からは「毎年度見直していかなければならないものだと捉えている」との答弁があった。校則の内容の是非以上に、「ルールは見直せるし、作れる」という最も大切な点を、生徒のみならず教職員も含めて共有する取組みはこれまで行われて来たか。同法の成立や、その後の社会情勢の変化も踏まえれば、中学校における極めて重要な課題として位置づけるべきと考える。NPO法人カタリバが全国の学校と共に成果をあげている「ルールメイキング」を確認の上、当市でも具体的な取組みを進めることを改めて求め見解を伺う。

⑤今後、当市が予定している重要な事業やプロジェクトにおいて、子どもや若者の声を聴いて進めるべきと考えているものがあれば伺う。単に教育や児童福祉分野だけでなく、公共施設再編計画やまちづくりに関わる分野等々、前向きに取り組んでいただくことを願い、伺う。

2)子ども・若者にやさしいまちをつくろう

①当市の施策を本気で進めるために、ユニセフ(国連児童基金)「子どもにやさしいまちづくり事業(CFCI=Child Friendly Cities Initiative)」への参画を前提に、諸施策の整備を進めることを提言する。ユニセフ日本型子どもにやさしいまちの構成要素とはどのようなもので、実践自治体の一つである町田市の事例を確認の上、当市として取り組むために必要なこと、課題、意欲等を含め、見解を伺う。

②平成28年6月議会一般質問で、川西市「子ども人権オンブズパーソン」や世田谷区「せたホッと」の取組みを提示しつつ、子どもの権利利益を擁護するための第三者機関の設置を急ぐよう求めた。その後、調査研究くらいはしていただけただろうか。今こそ、本気で取り組むべき課題と考え、現段階での認識を問う。 

③様々な悩みを抱える18歳までの子どもたちは、当市ではどこに相談すればしっかり受け止めてもらえるのか。「子ども相談室」として令和3年3月に「18歳まで相談できます」と打ち出しておられるが、実績、成果、課題を伺う。

2.悩みを抱えた人に人権擁護の視点で支援を

市役所には様々な相談機関・窓口があり、問題解決や救済に繋げている。一方で、行政の対応に不満や不安を抱き、苦情や不服申し立てとなってあらわれるケースや、悩みや苦しみを深めてしまうケースも少なからず存在する。当市は、悩みや不安を抱える人にどのような姿勢で寄り添い、支援しているのか。実情を確認しつつ、質的な充実を求めて以下伺う。

1)相談機関の現状と課題について

①現在、当市役所が「市民からの相談機関」として組織上に位置付け、有している部署と、それぞれの機能、取組み等を説明いただきたい。

②仕事のこと、生活のこと、家庭の問題等々、困りごとで悩んでいる当事者の中には、適切な窓口を自ら選択して扉を叩くことが難しいという人も少なくない。ほっとシティによる多層的な事業展開やジョブラ東村山の就労支援等の成果を理解しつつも、あらゆる相談を一元的に受け、一緒に問題を整理し、課題を解決しながら伴走型で支援する体制が必要と感じることが多い。全国的にその存在を知られた野洲市の市民生活相談課をハブとした取組みや、14年前に開設された日野市のセーフティネットコールセンターを参考に、困難に直面した誰もの目に留まり、気軽に相談できる総合的な初期相談体制の充実を求め、見解を伺う。

③33年間にわたって社会福祉協議会に委託運営していた幼児相談室と、市直営の教育相談室を、市直営として統合し、子ども相談室として再スタートしてから6年ほどが経つ。平成27年3月議会の一般質問における答弁を踏まえ、現在までの成果と課題を伺う。

④本件を議論した当時は、委託を解消し、直営で0~18歳までの切れ目のない支援体制を構築することで、情報の一元化や、発達に応じた適切な支援が可能となることや、保護者が我が子の生育状況を何度も説明をする精神的負担の軽減を図ることが期待できる、とされていた。新しくなる相談室が、教育的な視点に基づき当事者である子どもの発達支援に力点が置かれることに期待する一方で、相談者を丸ごと支援するという視点、特に「乳幼児期の我が子の発達に不安や悩みを抱いている保護者に、継続的にどう寄り添い、支え得るのか」という点が気掛かりであった。乳幼児健診等をきっかけに相談室に繋がるケースが多いと思われるが、一度相談に来られた方に対して、どのような姿勢で向き合い、適切と思われる支援先につないだ後は相談者とどのように関わり、支援を継続しておられるのか。

2)権利擁護のための新たな仕組みづくりを

①私たち議員は、市の対応への苦情や相談を受けることがしばしばあるが、議員個人にはもとより調査権はなく対応に限界がある上、職員の執務に対する不当な圧力ともなりかねない行為は慎まなければならない。市民からの苦情を速やかに受け止めて、一定の権限を持った上で、公正中立な立場で調査や勧告を行い得る公的な第三者機関を有することが、市民の権利を擁護、救済すると共に、職員個人への過度の負荷を軽減し、市政への信頼を高めることにも繋がっている、と実績ある自治体からは伺う。公的オンブズパーソンに代表される仕組みの構築を検討し、実現に向けて努力いただきたい。多摩市や三鷹市、間もなく子どもオンブズパーソン制度がスタートすると聞く小金井市等の状況を問うと共に、市長の見解を伺いたい。

未来に繋がる薬師山緑地

↑芽吹きの時期の緑地

多摩湖町1丁目の稜線の緑地1haを将来にわたって残すことになった、という朗報を以前お伝えしましたが、都市計画(原案)の説明会が9月17日(土)13時~14時半に廻田公民館で開かれます。

★東村山都市計画緑地第12号薬師山緑地に関する都市計画(原案)に関する説明会の開催★

↑私のレポート93号に掲載したオリジナルイラストマップ

昨年秋、「トトロのふるさと基金」が地権者さんからの申し出を受けて緑地の約1割ほどを第56号地として買い取ることを決めてくださり、その後の協議で東村山市が残り9割を公有地として買い取ることを決めたものです。

英断と言っていいと思っています。

狭山丘陵が関東平野へと落ち込んでいく何本かの稜線のうちの一つで、東京都のフィンガープランを構成している貴重な緑です。季節を伝えるこの豊かな雑木林を残してほしいという多くの方たちの想いを受けて声を届けて来た一人として、19年間の議員生活でもトップ3に入るくらい嬉しい出来事でした。

ところで、今回の説明会の周知に当たり、この緑地に「薬師山」という名称がついています。私は初めて聞いたので、みどりと公園課みどり係に尋ねたところ、東村山市史にそうあり、地元の方も昔からそう呼んで来られたのだそうです。納得!

↑芽吹きの時期の緑地
↑多摩湖町側から見た早春の緑地・今は青々と茂っています

質問ちゃいまっせ、イチャモンでっせ

議会の「一般質問」は、「市の事務に関することについて」議員それぞれが自らの問題意識、関心事に従って問いを組み立て、事前に通告書を提出する。

ちなみに東村山市議会は、多くの議会で行われている、通告書を出したあとに担当課の職員が来て行う「聴き取り」とか「答弁調整」と呼ばれる作業は一切やらない。昔はやっていたと聞くが、良いか悪いかは置いておいて、少なくとも私が入った19年前も無かった。ゆえに、通告書には質問の意図や内容をかなり細かく書き込み、当日に質問してみて、初めて答弁がわかる仕組みになっている。


通告書を出すにあたっては、どういう答弁があるかを想定した上で、いくつかの材料を懐に当日までに再質問やその先を準備する。そう来たらこう、こう来たらこう、と。


それでも想定を超える答弁がいくらでも来るわけで、大事なのは、自らが考える改善、改革の方向性を示しつつ、質問を通じて執行部と対話をすることにある。

さらに重要なのは、自分がここは攻めどころだと思って質問したことに対して、根拠を示したしっかりした答弁で返された時だ。それを真摯に受け止めつつ、今度はさらなる根拠を示して再質問する番がやってくる。

ところが今日も、そこで行き詰まり続ける議員がいた。
なぜか?

結局、どんな答弁が返ってこようと、市がやっていることはダメだ、ダメな自治体だという自らの結論を言って終わりたいだけ。全くキャッチボールにならない。あれじゃ手間を掛けて答弁を用意する甲斐もなく、気の毒にさえなって来る。

質問に立つにあたって、法的な根拠や制度の中身、その問題の当市での変遷など、調べる気があればいくらでも調べられることを調べて臨んだのだろうか?先進自治体を引き合いに出すなら、ちゃんと調べて引っ張ってこようよ。同じテーマで過去に質問した議員がいるはずだ…と会議録を検索して目は通したのだろうか?

ピントのずれた再質問にも嫌な顔をせずに答弁した者に対して、「そうは言うが、私はそうは思いません」。
最後は、「これは質問ではない…」と言いながら、何ら新たな根拠を示すことなく、「私はそこが疑問だと思っている」で終わるなら、通告書を出して答弁を用意させてまで質問する必要がどこにあるのか?

自分の中の結論、自分の言いたいことを言うために、質問という形を借りているだけなので、やり取りから何か新しい価値や方向性が生まれるという感じが1ミリもしてこない。1期生ならいざ知らず。

これは質問ではない。
「一般イチャモン」と私は呼んでいる。