2022年初頭に思う

明けましておめでとうございます。

年が明けて1時少し前、2年ぶりに地元の金山神社と廻田不動尊光明院へお詣りに。

金山神社
廻田不動尊

寒風吹く中、地元の社寺委員会の方たちが参拝者を迎えてくださいました。コロナ禍で地域のイベントがことごとく中止になったこの2年。今年こそは顔を合わせてできるよう、心をこめて祈ってきました。

明けて元日の朝。娘たちがそれぞれに夫くんの実家でお正月を迎えるようになって数年。朝起きるとTVでニューイヤー駅伝の中継をしているので、あ、元日だな…という感じで、お雑煮でせめてものお正月気分。

今日(2日)は年末に仕込んであった膾がいい塩梅にできたので、父と母の写真の前に供えました。父方の祖母からうちの母へと伝え残された佐藤家オリジナル的な料理が二つだけあって、その一つが大根と人参を千切りではなく短冊切りにし、鮭を加えたこの膾です。母が亡くなる数年前にレシピを教えてくれと言ったら、目分量だからそんなものはないよ、と笑っていました。

5月のコロナ入院で落ちた体重も体型も半年かけて戻り過ぎました。心身のコンディション管理は大きな課題です。

元日だけじゃ意味がありませんが元日すらやらなければ話にならないと思い、速歩きとゆるランを適当に繰り返しながら多摩湖を往復してきました。強風で白波が立つ湖面の向こうには真っ白な富士の嶺が。元日だけにならぬよう、戒めとして体重を公開しておきます。

1月2日の今日は、昨日と打って変わって風も無く暖かくて、堤の上にはランニングやサイクリングの方も多く、凧揚げをする親子も見られました。

年の初めに思うことを少し書き残しておきます。

自分と違う考えを「違い」ではなく「悪」と捉え、あらゆることを敵か味方か、与党か野党かで扱う議員が増えたここ2年半。東村山市議会は今、大きな曲がり角にあり、ここ10年の議会挙げての取り組みが水泡に帰しかねない大ピンチにあります。

それは同時に、私自身の姿勢…他者から謙虚に学ぶこと、違いに寛容であること、経験則や感情に走らず憲法や法律など客観的根拠を持った主張を行うこと…が問われていることであり、経過の中で反省することも多々あります。

議会はもともと議員たちが行政の追及と手柄合戦に明け暮れ、有権者に評判の悪いこと…増税や公共料金値上げや施設の廃止等は首長や賛成した議員のせいにするという「他責文化」が大手を振って歩いていたところです。

しかし、もはや右肩上がりの社会ではないので、誰が市政を担っても、良い話ばかりができるわけはなく、負担増や廃止等が避けられないことも明らかです。

「議論して決める」ことが議会としての最大の責務です。十分な議論を行った上で、最後は決めなければ前へ進めることはできません。話し合いが整わなければ決めなくてよい、とする議員が増えていることも大変気になっています。

議決する、議決したことに対する責任と、住民に対する説明責任を果たさなければ議会は要らないと言われる時代になっています。この危機感を議会内で共有し、変革を遂げなければいけない。そういう思いでここ10年、取り組んできました。

本気で変わった議会が全国にたくさんあり、今後はそうでない議会、自治体との差がどんどん広がっていくことになります。それは、住民にとっての幸福度の格差に繋がっていきます。

うまくいかないことは他者のせいにして、批判と追及さえすればよい、という無責任な議会をどうしても変えていきたい。

正義は10人いれば10通りあり、殆ど意味がありません。

正義より公正。JusticeよりFairness。

他責文化から自責文化へ。

今年も当事者の声をしっかり聴いて、自分で考え、動き、発信し、制度や環境の改善に繋げられるように努力していきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

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今年も微増で締めくくり~東村山市の人口事情

12月1日付の総人口は151,674人(前月比+79)/男性73,780人(+47)/女性77,894人(+32)/世帯数74,815(+34)

(佐藤まさたか作成)

減少に転じる予測だった総人口は、1年前と比べると103人増えました。ピークだった2011年7月の153,558人に比べると1,884人減ですが、2016年3月には150,701人まで減って15万人を切るのも時間の問題と言われていたことを思えば、ここ5年間はよく踏み留まっている印象です。

住宅の新規着工件数との相関関係があると言われます。少しまとまった戸数のマンションは富士見町に近年完成した数棟がありますが、今年は無かったように思います。ということは、農地や工場等だった土地が開発されて宅地に新たにお住まいになった方たちが想定よりも多かった、ということなのかもしれません。

12月議会最終日に議決した一般会計補正予算の中に、東京都に支払う消防委託費を5,268万5千円増額するという内容が入っていたのですが、想定していた人口よりも増えたことが要因だという答弁がありました。

一方で世帯数は増加を続けているので、1世帯当たりの人数は減り続けています。高齢者の一人暮らしが増えていることを示す数字と言えそうです。

2011年1月からエクセルに数字を入れ続けているのですが、ちょっと興味深いのは、男女の人口動態の違いです。10年前のピーク時と比べて男性は2,037人減り、女性は153人増えています。この1年間でも男性は51人減り、女性は154人増えており、男女比はピーク時の49.4:50.6からじりじりと差が開いて、今月は48.6:51.4となりました。

★東村山市人口ビジョン(改訂版)★ P.50に掲載してある独自推計では、かなりのスピードで人口減少が進むと予測されています。詳細な分析結果をもとにまとめてありますので、ご興味のある方はご覧になってみてください。

12月議会の報告

今週20日(月)夕刻、12月定例議会が全ての案件を終えて閉会となりました。

30分後には全議員の賛否一覧表を作成してSNSにアップしたのですが、ブログへの掲載を怠っておりました。すみません。

今議会で審議に時間を要したのは、初日の「スポーツセンター指定管理者の指定」と、最終日の「一般会計補正予算(第5号)」でした。

スポセンの指定管理者は5年ごとに2度更新されてきて、今回が3回目の選定でした。

2つの事業者が手を挙げた中で、「東村山スポーツプロモーションJV」が選定委員会において僅差で競り勝ち、候補者として議会にかかりました。

ビルメンテナンス業の「協和産業」とJVを組んだ「東京アスレティッククラブ」は東中野に本社があり、多摩地区をはじめ全国の自治体のスポーツ施設を中心に管理者としての実績が豊富で、今回の選定ではオンライン申込みシステムの導入、混雑状況のリアルタイム配信、託児スペースの設置、障害者用トレーニングマシンの設置、出張事業やeスポーツ体験会の実施等、指定管理料の実質的な減額提案等が評価されました。

個人的には、かつて一般質問でも取り上げた「障害者スポーツ指導員」を置くとされていることを評価したいと思います。

「一般会計補正予算(第5号)」は、最終日の本会議で審議し、子育て世帯への子ども1人10万円を現金一括で支給すること、3回目のワクチン接種へ向けて必要な予算や、成人式をオンライン併用で行う費用等を盛り込むもので、36億9,322万円の予算を24人中23人の賛成多数で可決しました。児童手当給付世帯には恐らく今日手続きが行われ、それ以外の対象世帯には1月下旬に通知が届きますので、忘れずに申請してください。

あ、既にアップされていますね。★市HP「子育て世帯への臨時特別給付」★

大事な報告をもう一つ。

私も所属する政策総務委員会で審査し可決、最終日の本会議でも自民党以外の賛成多数で可決したのが、「沖縄戦戦没者の遺骨を含む土砂を埋め立てに使用しないよう求める意見書採択に関する陳情」でした。

本来であれば全会一致で採択すべき陳情と考え、委員会では重ねてそう発言しましたが、残念ながら届きませんでした。しかし、普段は自民党と足並みを揃える公明党も「人道的見地から賛成」とし、同名の意見書も25名中17名の賛成で通すことが出来ました。

矢野穂積氏の死去に寄せて

矢野穂積元市議が11月30日に亡くなったらしい、と先週土曜日の午後に知る。らしい、というのは、現職でなくとも通常は議会に関係者から知らせがあって葬儀の情報などが共有されるものだが、直後の12月1日〜3日は一般質問が連日行われていたにも関わらず、何ら知らされずに私たちはその週末を迎えた。なので、らしい、としておく。恐らく議長らも知らなかったのではないか。

葬儀の情報は耳にしたが、実際に参列したという人が周りに居ないし、存命の可能性もゼロではないが、1週間以上経って役所や議会内では既定路線になっているので、亡くなったと判断して、この記事をアップする。

矢野氏は、1995年の選挙で次点落選となったものの、4位当選となった朝木直子議員が「自分には被選挙権がない」と突如言い出し、議席譲渡という超ウルトラCで初当選。 2年後には最高裁の判決により失職し、その2年後に当選して2019年まで務めたので、6期というのか5期半というのかわからないが、1995年以前の会議録にも朝木明代議員の傍聴者として不規則発言を連発し、時には当時の議長から名指しで注意されているやり取りが残っているので、東村山市議会との関わりは30年以上にわたったはずだ。

平成元年12月22日 東村山市議会 会議録

これは平成元年12月22日の会議録だが、傍聴席でにわかには信じられないような発言を繰り返してるのが議員になる前の矢野氏だったことを、当時現職だった人に聞いたことがある。

この議員提出議案「朝木明代議員の発言を糾弾する決議」が日本共産党の田中富造議員によるものであったことも、今の共産党の議員たちは知らないだろう。昔は筋を通して厳しく対峙していたということになる。

それにしても、聞きしに勝るとはこのことだが、こんな会議録が平成当初の数年はゴロゴロしている。

私が矢野氏の存在を知ったのは、2002(平成14)年の春先、勤めていた保育所が矢野議員、朝木直子議員によって突如、虐待保育所だと議会で叩かれていると連絡を受け、その対応に当たった時に遡る。

地域のお母さん二人が、彼らの政治ビラである東村山市民新聞を手に、「こんなのデタラメです。この時、この公園にいましたが、全く虐待なんかじゃない。ひどすぎます」と駆け込んで来たのを昨日のことのように思い出す。

もちろん、虐待にあたるような事実はなく、彼らを昔から知る人から「何か別の目的があるはずだから調べてみた方がいい」と言われた。

彼自身が親しい者を園長に据えて市内に個人立の認可保育園を開設しようと準備に入っていたことがわかったのは、その年の夏頃だった。複数の議員から「一時そんな話もあったが、今無いってことは立ち消えたのだろう」と言われるも、12月議会が始まった頃に水面下で進行していることが判明。

100%税金で運営され、園ではなく市に申し込んで入園先が決まる認可保育園なのに、計画が議会にも伏せられていることはおかしいので、透明性をもってやってほしいという請願が、市内の教育・保育関係者から出され、12月議会最終日に厚生委員会に付託されて閉会中審査されることになった。

しかし市は「個人立だから個人情報だ」という「指示」に怯え、間もなく開園する予定だという園の名前さえ答弁を拒み、当時の厚生委員会で大問題になった。

結局、個人情報の担当である総務部長が急きょ委員会に呼ばれ、「個人情報には当たりません」と答弁し、園名や規模が明らかになった。

勤務先の保育所がなぜ彼らにいきなり議会で叩かれたのか全く分からなかったので、弁護士と対応を検討しつつ傍聴していた私に対して、「なんで勤務時間にあんなところに保育所の職員がいるんだ!?あいつの給料は誰がどこから出ているんだ!?」と議場から指差し怒声を浴びせて来た姿も忘れられない。

その後、3月の予算委員会を傍聴していた時も、ドスの利いた声で何度もすごまれ、あまりの酷さに「そっちに行くから待ってろ!」と思わず言い返した。

そんなこんなで4月の選挙に急きょ出ることになり何とか当選すると、市民新聞や彼らのHPに「創価のイヌ」「出稼ぎ市議」等と書かれ、議場では「コブタは黙ってろ」「イグアナみたいにキョロキョロしてるんじゃないよ!」「雉も鳴かずば撃たれまいってことだ」等々、悪罵を投げつけられ続けた。

こいつには被選挙権が無いと選挙人名簿からの削除要請を掛けられ、それが選管で退けられると、選挙後に当選無効を求める裁判を起こされた。

緊張感いっぱいに生まれて初めて出向いた裁判所には、百戦錬磨のホームグランド、余裕綽々の笑みをたたえる彼らが待っていた。あの顔も生涯忘れることはない。

1審、2審で負けても最高裁まで争って、人々の記憶から薄れるまでやり続けるのが彼らの流儀と聞いていたが、この裁判も最高裁で彼らの主張が棄却、確定するまで続けられた。

彼が立ち上げたコミュニティFMでは、自らキャスターを名乗ってアシスタントに新聞を読ませ、コメントと称して持論を1時間にわたって展開する番組があった。

あの3.11の日も、あくる日も、その次の日も、震災に触れることはなく、トップニュースは「東村山市民新聞からです。佐藤まさたか市議は…」という録音放送が1日6回も流れていた。

当選してきた無所属議員の以前の職を蔑み、ビラとネットで徹底的に叩いて潰しにかかり、「〇〇議員の辞職勧告を求める請願」が「市民」から出されたが、逆に彼らの差別的体質に怒った多くの人々が全国から傍聴に詰めかけ、第2会場を設けたがそれでも溢れた。

繊細な性格ゆえにメンタルで長期に休まなければならなくなった他党の議員について、自らのサイトで『長期欠席をして給料やボーナスまでも全額受け取るような「あつかましいまね」はできない』と叩き、またもや彼らの主張に沿った「〇〇議員の辞職勧告決議を求める陳情」が「市民」から出された。

ところが、2015年からの最後の4年間は、矢野氏自身が持病の治療のため全休や半休となる日が目立った。他会派の議員に向けられたあの時の発言、批判、罵声は何だったのか?と思った。

自分と違う考えを「違い」ではなく「悪」と考え、敵と認定し、徹底的に追及する。全ては敵か味方かであり、敵の敵は味方、敵の見方は敵。地方議会なのに、与党か野党か。自責ではなく絶えず他責。他人には厳しいが自分には甘く、決して「ごめんなさい」を言わない人。それが私が見て来た矢野穂積という人物だった。

2年半前の落選直後、朝木議員の傍聴に来た姿を見たのが私にとっては最後となった。

先日来、思うところあって「民主主義汚染」を読み返し、ブログマガジンエアフォースの新シリーズを読んでいた。そんな時に飛び込んで来た訃報だった。

世の中の大勢には何ら関係ないが、東村山市議会にとっても、私自身にとっても、一つの区切りであることは間違いない。

土曜夕方、市の行事があったので、ちょうど葬儀場の向かいにある中央公民館に居た。私に冥福を祈られたくはないだろうから、おつかれさまでした、とだけ心の中でつぶやき、頭を下げた。

一般質問の書き起こし①「北山公園の価値を次世代につなごう」

12月1日(水)に行った一般質問は大きく2題。北山公園のことと、ゴミ・環境のことを取り上げました。そのうち、北山公園の質問と答弁を録音から書き起こしましたので、以下掲載します。

尚、写真の緑色の冊子は、質問で触れた「未来の川へ・北川復元プラン原案」の実物です。答弁の際に粕谷部長が手に取って示してくれましたが、質問をした翌日、別の方から「2冊持っているので1冊差し上げます」といただきました。ありがとうございました。

今年3月14日に天に召された北川かっぱの会初代会長・三島悟さんが中心になってまとめられたもので、当時の方たちの熱い思いがぎっしり詰まっていて、読んでいるだけで胸が熱くなります。

では、約26分間の書き起こしなので長くなりますが、北山公園の価値を知っていただく手掛かりにはなるかと思いますので、ご覧ください。昭和51年頃からの話を遡って調べて答弁を準備くださった「みどりと公園課」の職員さんたちに感謝です。

佐藤ま)

大きな1番として北山公園の価値を次世代につなぐということで伺います。

令和2年度7月から市内公園に指定管理者制度を入れることになりましたので管理が大きく変わります。公園にはそれぞれの歩みがあります。制度が変わるその前に、当市のシンボル的存在の一つであり、私自身も関わりが深い北山公園について改めてその価値を確認し、次の世代、その次の世代へとバトンをつなぐため、以下質問及び提案をしたいと思います。

(1)北山公園の歩みと位置づけについて伺います。

①1976年に都市計画公園として決定された当時の北山公園はどのような状況だったのか、当時、市としてはどのような計画を持っていたのか伺います。

粕谷まちづくり部長)

はじめにですね、昭和51年以前の北山公園を含む北川北部の状況から昭和51年当時の状況までを申し上げさせて頂きます。歴史を振り返らせていただきますので少々長くなりますことをご容赦ください。

狭山丘陵と諏訪町及び野口町に広がる水田地域の方を当時は前水田と言っておりましたが、こちらを含めた一帯を当時北山地区と言っておりましたが、そのうち狭山丘陵部分と諏訪町にある水田地帯は、昭和37年に東京都の風致地区に指定されておりました。さらに緑化推進と保護について取り組む市でも、昭和47年、土地所有者のご厚意により丘陵の西側の一面、現在の八国山緑地の西側の部分になりますが、こちらを北山自然遊園に指定いたしました。その際、狭山丘陵全体と前水田を含む一帯の緑地保全の要望が市民より高まり、これに応えて市ではプロジェクトチームを、市議会においては緑地及び公害調査特別委員会を設置し、様々な検討をした経過がございます。

その結果、自然破壊が進む中で、残された緑の環境整備と保全は重要な事業と考え、土地開発公社による先行取得を進めていたものの、教育施設の充実や久米川駅前広場の開発など多くの事業が山積みであり、当時の市の財政規模では広大な狭山緑地等の買収が困難であるとの考えに至っておりました。

そこで東京都や国と折衝した結果、まずは残りの北山風致地区である八国山緑地は都施行事業として東京都が買収し、事業を進めていただくこととなったところでございます。しかし昭和48年に入りまして不動産業者による水田の買収が進められている事実が判明いたしました。そのまま宅地造成が進めば、緑や自然が破壊されることを問題視した市及び市議会による検討の結果、北山風致地区は従前どおり東京都の事業、風致地区から外れる野口町の水田については市の事業で都市計画公園にして、自然環境を保全する方針を定めたところでございます。

これを受けまして不動産業者が買収した用地を市が買い戻し、残りの土地についても土地所有者の方々と協議を進め用地買収を行ってまいりました。

このような経過から、昭和51年に可能な限り現状の自然環境を保全する考えのもと、北山公園を市の都市計画公園として都市計画決定したところでございます。

次に当時の計画でございますが、公園整備にあたっては水田、水路、川をテーマとした自然公園を目指すこととしており、公園の北側はこれまでの水田の区画割を生かした形状で菖蒲田、東側は大きな池を整備し、武蔵野から失いつつある野草を植栽し、かつての武蔵野の復元を目指す計画としておりました。

佐藤ま)

全然知らない歴史もあって、ありがとうございました、調べていただいて。熊木市長の時代のこととか伝説のように聞いてきましたけど、時系列でありがとうございました 。

②です。1980年代後半から90年代前半に再生工事問題、いわゆる人工公園化事業に対する問題が起きました。これから東村山市は何を学び、その後にどう繋げたのか、伺います。

まちづくり部長)

昭和63年度の北山公園再生計画は、のどかで素朴な水と緑のある公園を将来像として菖蒲田や、はらっぱ、茶店、休憩所、渓流の丘、水車、野草園、滝などを整備する計画としておりました。しかしこの再生計画は、都市計画審議会、緑化審議会、市議会への説明等を経たものの、市民や市民団体への説明や対話がなされずに検討が進められたことや、長年に渡り維持してきていた水田や自然環境、人と自然との関わりなどを踏まえず、にぎわいや華やかさを求めた計画となっていたことから、自然環境等が大きく改変することに市民からの賛同を得られず、しょうちゃん池の整備や円弧状の主園路の整備は進んだものの、その他の計画実施を断念した経過がございます。市といたしましては、市民との対話なくして公園整備や貴重な自然環境を保全することはできないことを学ぶとともに、これらの経緯と反省を生かし、市民の皆様の取り組みや意見を踏まえ、公園整備を行う仕組みづくりを作り、現在に至っているところでございます。

佐藤ま)

対話なくして…ということで進めて来られたという原点がここにあるのがわかりました。

③です。この問題が終息し、1995年6月に北川かっぱの会が発足していますが、1998年に当時の市長に提出した「未来の川へ・北川復元プラン原案」というものがあったそうです。自然護岸化を含め、当市の河川行政に与えた影響とあわせて伺います。

まちづくり部長)

「未来の川へ・北川復元プラン原案」…こちらでございます(と現物示す)。とは、北川復元基本コンセプトを、北川を自然の営みを蘇らせ、魚や鳥、昆虫等の在来の多様な生き物を育む豊かで清らかな流れを取り戻し、かっぱの潜んでいた原風景を復元する。そして子ども達が川遊びから多くを学び、地域の人々の健やかな交流を育む。そんな北川との川付き合いを発展させ、次代に愛を込め、受け継いでいく。とし、北川かっぱの会がこのコンセプトに基づき北川の自然を蘇らせ、多くの子どもたちが川で遊べるように多自然型の河川整備について取りまとめ、平成10年に東村山市に提出されたものでございます。

これを受けた市では、その後、北山公園親水施設及び北川の整備についての意見交換会、通称川端会議と呼ばれておりましたが、これによるワークショップを重ね、北山公園親水施設整備事業に繋がり、一部の区間ではあるものの多自然型護岸整備の実施に至った次第でございます。尚、現在においても、河川内の草刈りや浚渫を行う際には北川かっぱの会と意見交換を行った上で実施するなど、景観や環境に最大限配慮した維持管理に取り組んでおり、自然環境の保全が位置付けられた平成9年の河川法改正も背景といたしまして、当市の河川行政の転換期であったのではないかと認識しております。

佐藤ま)

自然護岸化もここに入ってるって事ですよね。今の冊子、現物を見たことがないんで、はい、ありがとうございます。後で見せていただけたらと思います。

④です。いま話がありました北川公園親水施設及び北川の整備についての意見交換会、通称川端会議ですが、これはどういう場でその後の公園のあり方にどう活かされてきたのか伺います。

まちづくり部長)

これまでの北山公園における整備の経緯や反省を踏まえ、市民、市民団体、市が、北山公園等の整備や管理、環境保全などについて意見交換を行う場として、平成12年度からの現在の北山公園整備計画意見交換会、こちらも通称川端会議を引き継いでおりますが、を開催し、現在に至っているところであり、北山公園の歴史を踏まえ、継続性のある公園づくりの取り組みの一端の場であると考えております。その後も北山公園整備意見交換会を開催するきっかけとなった北川復元プラン、北山公園親水施設整備に伴う調査報告書の提案をもとに、北山公園親水施設基本設計、北山公園親水施設実施設計を作成し、平成15年度、16年度に北川沿いの親水整備工事が行われたところであり、平成30年度に実施いたしました菖蒲田水路の改修や、令和3年度の北山公園整備基本計画の作成の際も、北山公園整備計画意見交換会でご意見や情報をいただきながら計画策定を進めているところでございます。

佐藤ま)

⑤です。市と住民が実行委員会形式で年2回のペースで…ここのところコロナでできていませんが、継続している北川クリーンアップ作戦や、市民主体の月1回定期的な清掃活動、1996年から始まっているわんぱく夏まつり等を、市としてはどう評価しているのか伺います。

まちづくり部長)

北川クリーンアップにつきましては、北川の流域にお住まいの皆様に恒例の行事として受け入れられてきており、身近な自然環境に目を向けていただくきっかけとなっているほか、清掃活動に参加していただくことにより、川にゴミを捨てないという共通認識の醸成につながっていると評価しております。

次にわんぱく夏まつりにつきましては、地域の子どもたちが自然と触れ合い、緑の大切さを学ぶことのできる大切な機会と捉えており、これまでも市主催の虫取りハイクをわんぱく夏まつりと同時に開催させて頂き、市報等での周知を行うなど協働関係を築いてまいりました。この2年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け中止になっておりますが、引き続き主催者の一員でもあります北川かっぱの会との北山公園における外来種防除に関する協定等に基づき、貴重な市民協働による緑の普及啓発及び外来種防除事業として協力してまいりたいと考えております。

佐藤ま)

北山公園と言えばもう一つ、菖蒲まつりです。今年開催されていれば第33回だった祭りの歩み、実績や課題について、市としての見解を伺っておきたいと思います。

武岡地域創生部長)

菖蒲まつりにつきましては、令和2年度、3年度はコロナ禍で中止になったところでありますが、今、議員おっしゃったとおり平成元年度に始まって以降33回を数えるまでになりました。この間、花菖蒲の美しさを堪能していただくだけではなく、北山公園とその周辺のみどり、自然環境といった面でも、市内外から訪れた方に東村山市の魅力として知っていただく、また交流人口が増加することで地域の活性化や地域経済の振興に貢献する狙いで長年開催されてきたところでございます。

その結果、来場者数は平成29年度に92,000人を数えるまでになる市の一大イベントとして確立し、都内でも葛飾区や足立区、青梅市と肩を並べる東京周辺での代表的な菖蒲まつりになっているものと認識してるところでございます。

次に課題についてでございますが、毎年数万人の方に訪れて頂いておりますが、交流人口の視点から申し上げあればその方々により多くの東村山産品の購入や店舗の利用をしていただくこと、また他の時期にリピーターとして市内に訪れて頂き、様々な東村山の価値に触れていただくきっかけとしてより昇華させること、市民の点から申し上げれば身近に毎年10万人近くが訪れる素晴らしいところがあることに誇りを持っていただくとともに、市外から訪れる方に対するおもてなしの機運を醸成することだと考えております。市の一大イベントである菖蒲まつりを通して多くの方にいわゆる東村山ファンになっていただくきっかけづくりを行うことが重要であると認識しているところでございます。

佐藤ま)

7番です。都市計画決定から45年です。用地取得や整備状況はどう進捗してきたのか、概要を伺います。また、公園南側つまり北川の対岸になりますが、この竹林を取得するに至った経過、評価を伺っておきたいと思います。

まちづくり部長)

こちらの方も少々長くなります。まずですね、用地取得の経過につきましては、先ほどご答弁申し上げました用地取得を経て、北山公園は昭和51年1月14日に都市計画決定がなされ、昭和59年4月1日から都市計画公園として供用開始となりました。その後、平成16年10月20日に、たいけんの里用地に係る都市計画公園区域の拡張変更、平成20年12月1日に議員ご質問の公園南側の竹林を含む土地に関わる都市計画公園区域の拡張変更を行っており、現在の都市計画決定区域の総面積は全体で約5.3ヘクタールとなっております。この5.3 ha の中には民間所有者の土地も含まれておりますが、公園の供用開始から現在に至るまで、たいけんの里西側の土地や北川右岸の土地を中心に民間所有者からの土地取得を進めてまいりました。結果として現在4haについては市の所有となっております。

なお北山公園内の未取得用地については、東京都特別区市長が令和2年度に作成した都市計画公園緑地の整備方針においても優先整備区域に位置づけ、用地取得に努めるものとしております。

次に整備状況の変遷でございますが、北山公園のこれまでの整備計画、整備等は、大きく4期間に分けることができると考えております。

まず昭和50年度の都市計画決定後から整備に着手し、昭和59年の供用開始までの間に元々の水田の区画割りを生かす形で菖蒲田や池を整備し、供用を開始しました。

次に昭和63年度に北山公園再生計画の作成、再生計画に基づき園路、しょうちゃん池北側の菖蒲田や池、木道、管理棟等が整備されました。

次に、市民からの提案を受け、平成12年度に川端会議を開催し、北山公園親水施設基本設計を作成、北川の自然護岸化や親水整備工事、魚道設置が行われました。

直近では、平成23年度に老朽化した木道の改修、平成30年度には管理棟側の菖蒲田の水路整備が実施されました。

最後に公園南側の竹林の経過につきましては、繰り返しとなりますが平成20年12月1日に地区における緑化面積の拡大、緑の質と緑率の向上、公園の一体化強化を目的に、当該区域を含める都市計画公園区域の拡張変更を行っており、その区域の一部土地については平成22年、23年に市が取得をしております。市といたしましても同竹林が北川沿いに接していることで貴重な河畔林として保存するとともに、多様な生き物が生息する環境や豊かな自然に触れ合える里山の景観保全の一端を担っており、この景観も含めて新東京百景に選ばれた風景と評価しているところでございます。

佐藤ま)

丁寧にありがとうございました。あそこを一体として保全してるっていうのは本当に価値があることだというに私も思います。ちょうど都市計画決定の拡張変更の時を思い出しました。ありがとうございました。

昔話のような話でしたけども、丁寧に辿っていただいてありがとうございました。

(2)です。北山公園の現在、そして未来ということで①です。現在、北山公園整備計画の策定が進められております。なぜ今なのか伺います。計画策定の目的と目指す姿、今後の進め方、スケジュールについて伺います。

まちづくり部長)

北山公園内の木道、水路及び管理事務所棟の公園施設につきましては、老朽化や経年劣化が進み、各所傷みが激しい状況となっております。これまでは部分的な修繕を行い対応して参りましたが、長期的に見た維持管理を考えますと、暫定的な修繕対応ではなく維持管理を計画的に行うとともに、木道や水路等の一部の公園施設については修繕ではなく更新についても検討が必要であると考えたところでございます。

そのため東村山市第5次総合計画でもお示しいたしました通り、中長期的な視野で公園の整備や維持管理を行うための計画の策定が必要と考え、この度その一つとして公園整備の基本基本方針となる北山公園整備基本計画を策定することといたしました。

計画策定にあたりましては、まず1点目として、平成12年度、北山公園親水施設基本方針をはじめとしたこれまでに検討されてきた北山公園の整備の考え方を継承すること、2点目として東村山市第5次総合計画第2期東村山市都市計画マスタープラン、そして緑の基本計画2021の上位計画で位置づけられている整備計画の方向性を反映すること、3点目としてはやはり市民の皆様からのご意見を反映すること、これらを基本に北山公園の里山風景の保全と多様な生物が生息し、豊かな自然に気軽に触れ合える公園を目指し、計画を策定して参ります。

また計画策定にあたっては、これまで北山公園整備計画意見交換会の場を利用し、6月に書面ヒアリングにより市民の皆様からの意見聴取を行い、11月6日には対面式による意見交換を実施してまいりました。最後に、今後はこれまでに頂戴いたしましたご意見を整理し、計画に反映させるとともに、2月に実施予定の意見交換会にて再度ご意見を頂戴したのち、計画をまとめていきたいと考えております。

佐藤ま)

一点伺います。先ほどあったように5.3haのうち4haが取得済みで、あとまだ1.3ha残っている、民地が残っていて、これはお相手のあることなのでこちらで決めることできないんだと思いますが、そういう中で今回意見交換会に示された案とかマップをちょっと拝見したんですけれど、これは案であって、これからみんなで考えて固めていこうということで考え方としてよろしいでしょうか 。

まちづくり部長)

基本的には議員がおっしゃる通りでございまして、あくまでも案でございまして、皆さんの多様な意見をなるべく反映した公園づくりを進めていきたいと考えております。

佐藤ま)

②です。北山小、回田小の学校田として長く使われて来た田んぼですが、現在どのように活用・管理されているのか確認したいと思います。また、次年度の公園管理方式変更に際してはどう扱っていく考えか、伺います。

まちづくり部長)

北山小学校、回田小学校の学校田として長く使われてきた北山公園内の田んぼにつきましては、指導者の高齢化及び代わりに受託可能な方がいないことを理由といたしまして平成30年度末をもって事業が終了したことはご案内の通りでございます。その後、北山公園の田んぼは里山風景の保全や生物の生息環境の保全としても大変重要な要素となっていることから、令和元年度の一年間の空白期間を経て令和2年度より水田運営のコーディネーターに委託するとともに、市民協働型の北山水田として水田運営を再開し、管理しているところでございます。再開後につきましてはですね、水田の風景が復活し、北山公園周辺の里山の原風景の保全につながっていること、ボランティアの方々と田んぼ作業を通じて活動継続していくことも大切さ、里山の原風景を残していくことについての理解を深めることができたこと、市民協働による水田作業を一年通じて実施できたことでボランティアの方々に田んぼ作業に関するノウハウを伝えることができたこと、農薬を使用せずに稲作を行ったことで北山公園内に生息する希少生物も生息環境を保全することができ、水田では東京ダルマガエルをはじめ多様な水生生物を確認することができたこと、などが成果としてあげられます。また北山公園の水田運営につきましては、次年度以降、指定管理者へ移行後も市民協働型の水田運営を継続して参りたいと考えております。

佐藤ま)

本当にあの田んぼがまた復活してよかったなと、夏も綺麗だし、はざかけの風景なども、原風景と言うお話がありましたけれど、残していきたいなぁとホントに思います。所管もそうですし、市長自らお出いただいて作業に加わっているというのも見て来ましたけれど、本当にありがとうございます。

③です。私はかっぱの会の会員ではないんですけど、月1回の川掃除に時々参加するんです。その中で善行橋の下流の両岸の木々の織りなす景観というのは、本当に素晴らしいといつも思っています。夏は本当に涼しい別天地です。北山公園に欠かせないものであって、保全を望む声も強いものがあります。生物多様性の保全のためにも、先ほどお話した竹林と同様、公園と川と一体的に整備することをぜひ検討いただきたいと考えております。市長の考え方を伺いたいと思います。

渡部市長)

善行橋の下流両岸の緑については、佐藤議員と全く同じ感想を持っております。ご案内と思いますが、左岸側については当然もう公園用地として取得をしておりまして、現在は公園管理用の資材置き場のような形で使っている状況です。右岸側にあります樹林地についても、現在も駐輪場の隣接地ついては一部確か民有地が残っているんですが、その下流部については平成13年に土地所有者のご厚意でご寄付を頂いてますので、既にこちらは市の緑地として管理をされているものでございます。当然、竹林同様にですね、川の両サイドに両岸に緑があるというのがやはり北山の風情を醸し出してる一体的な景観としてこれからも守っていかなければならないものというふうに考えておりますので、佐藤議員ご指摘のように善行橋の下流域についても今後、公園と北川と右岸側の樹林地、一体的に自然環境を残しつつ、適切に管理に努めて参りたいと考えております。

佐藤ま)

ありがとうございました。携わる人たちとの信頼、それから生き物との信頼というのもあるなと思うんですね、行っていると。そこを大切に北山公園を未来にしっかり繋げるように、ぜひ息長く丁寧に取り組んでいただきたいということをお願いして、本当に丁寧に答弁いただいて感謝申し上げます。

今回は北山公園&ごみ・環境~明日の夕方、一般質問に立ちます

今議会も通常の持ち時間より5分短い15分間になりましたので、通告した内容をすべてやれるのか?という声も耳にしていますが、今回も時間の許す限り目いっぱい頑張りたいと思っています。ということで、お題は大きく2つ。

まず一つ目は「北山公園の価値を次世代につなごう」です。このテーマはいつか扱いたい、扱わなければいけない、と考えていました。来年度から市内の公園の管理手法が大きく変わることから、このタイミングで取り上げることにしました。

朝10時スタートで8人目なので、夕方5時前後になってからのスタートではないかと思いますが、進行具合は市議会Twitterから確認いただけます。私も余裕があったらお知らせします。お時間ありましたら、ネット配信をご覧ください。耳だけでもぜひ(^^)/

以下、質問通告書から転載です。

▷令和4年度7月から市内公園の管理が大きく変わることを前に、当市のシンボル的存在の一つである北山公園について、改めてその価値を確認し、次の世代、その次の世代へとバトンを繋ぐため、以下質問及び提案をしたい。

1)北山公園の歩みと位置づけについて
①1976年に都市計画公園として決定された当時の北山公園はどのような状況だったのか。当時、市としてはどのような計画を持っていたのか伺う。

②1980年代後半から90年代前半に起きた再生工事問題(人工公園化事業)から、市は何を学び、その後にどう繋げたのか、伺う。

③1998年に北川かっぱの会が当時の市長に提出した「未来の川へ・北川復元プラン原案」とはどのようなものだったのか。自然護岸化含め、当市の河川行政に与えた影響とあわせて伺う。

④「北山公園親水施設及び北川の整備についての意見交換会」(通称:川端会議)とはどのような場で、その後の公園のあり方にどう活かされてきたのか。

⑤市と住民が実行委員会形式で年2回のペースで継続している北川クリーンアップ作戦や、市民主体の定期的な清掃活動、わんぱく夏まつり等を市としてはどのように評価しているのか。

⑥菖蒲まつりの歩み、実績や課題について、市としての見解を伺う。

⑦都市計画決定から45年。用地取得や整備状況はどう進捗してきたのか、概要を伺う。公園南側(北川対岸)の竹林を取得するに至った経過、評価を伺う。

2)北山公園の現在、未来
①現在、北山公園整備計画の策定が進められているが、なぜ今なのか。計画策定の目的と目指す姿、今後の進め方、スケジュールについて伺う。

②北山小、回田小の学校田として長く使われて来た田んぼは、現在どのように活用・管理されているのか。次年度の公園管理方式変更に際してはどう扱っていく考えか、伺う。

③善行橋の下流に両岸の木々たちが織り成す景観は、北山公園に欠かせないものであり、保全を望む声も強い。生物多様性の保全のためにも、前述した竹林と同様、公園と川と一体的に整備することをぜひ検討いただきたい。市長の考えを伺う。

二つ目のお題は「環境・資源循環分野の現状と課題について」です。

通告内容は以下の通りです。

第5次一般廃棄物処理基本計画の10年がスタートして半年。全ての市民の生活に直結する計画として、順調に進捗し、目的、目標が達成されることを期待しつつ、以下何点か伺う。

1)市報6月15日号では環境省の元年度調査結果が伝えられた。市民の理解、協力、所管や事業者のたゆまぬ取り組みの成果であり、感謝申し上げたい。ここでは、ごみ減量・資源化について、今年も8月に公表された(公財)東京市町村自治調査会「多摩地域ごみ実態調査2020(令和2)年度統計」を踏まえ、以下伺う。

①市民1人1日当たりのごみ排出量(集団回収除く)は664.0g、30市町村中では第9位となったが、その要因をどう分析しているか伺う。

②総ごみ排出量で前年度比微減となった自治体も一部あるが、増えた自治体が圧倒的に多い。当市も例外ではなく、紙ごみの増加率では30市町村でかなりの上位となり、プラごみに至っては30市町村で最も増え、1人1日当たり排出量順位(少ない方から)も9位から25位と大きく下げている。2年度の当市のごみ排出の実態をどう捉えているのか伺う。

③「可燃ごみの組成(同調査・表7)」では、紙ごみが44・9%と小村大(小平・村山・大和衛生組合)の46.8%に次いで高く、プラごみ23.2%も狛江市に次ぐ高さとなっている。一方で生ごみは5.4%と極端に小さい(いずれも湿ベース)。生ごみ排出量が極端に減っていること(前年度比82%減・12位⇒1位)について説明願いたい。

④紙ごみのごみ種別総資源化率(集団回収含む)は昨年に続いて25位となっており、一つの課題と考える。国分寺市、小金井市、調布市等、紙ごみの資源化率が高い自治体とは何が違うのか、どうすれば向上するのか、所管の見解を伺う。

⑤総資源化率では43.2%で第4位となっている。この要因は何か。

⑥資源化率の算定要素である不燃物について伺う。当市が破砕機の維持管理費用や騒音問題等から秋水園内での中間処理を全面中止し、積み替えのみで搬出、遠方の民間施設での処理に切り替えて久しい。当時は同様の形態をとっている多摩地区の自治体は無かったと記憶しているが、現在はどうか。

⑦その上で、「不燃ごみの処分内訳(同調査・表12)」に関して伺う。当市の処理方法では搬出先で有価物以外は焼却処理することで熱回収=資源化率100%となっているが、自前の施設で破砕、分別、残渣を焼却処理している自治体は100%とはならない。ルールに沿ったものであることは理解するが、実質的には同様の処理をしていることになるのではないか、と常々疑問に感じている。搬出先での熱回収の効率、活用がどの程度なのかも気になる点である。説明と見解を伺いたい。

2)アメニティ基金の取扱いについて

今年3月の予算委員会で取り上げたアメニティ基金繰り入れの件について、市長と部長から一定の答弁があったことを念頭に置きつつ、以下改めて何点か伺い、提案もしたい。

①平成2年に設置されたアメニティ基金の処分については、条例上どのように定められてきたのか。4回の改正のうち、平成16年以外の改正内容を確認したい。

②処分方法、処分先(繰入)については、議会において度々議論になって来た経過があると記憶している。いつ、どのような議論がされたのか、主なものを説明いただきたい。

③平成14年、ごみ袋有料化時の条例改正時に、処分に関する規定が抽象的なものとなったことで裁量の範囲が広がった。その必要性は一定理解するが、それでも「本体予算が厳しい=財政上の都合」で今回のように特定の繰入先の充当率が大きく変更されたことはなかったのではないか。炉の建替えや、環境分野の新たな政策等にも活用が期待される基金なので、今後の処分先の拡大や変更については、一定のルールを設けるべきと考える。見解を伺う。

3)今年度の組織改正を大きなチャンスに

環境部門を資源循環部門に統合する組織改正が行われた効果を最大限に発揮していただきたいと考え、以下伺う。

①この組織改正の目的、期待する効果を改めて市長に伺う。

②焼却施設の方向性がほぼ固まり、施設更新に向けた動きが本格化することになると思うが、環境政策の視点はどう盛り込まれているのか伺う。環境基本計画に盛り込まれたコジェネには新施設整備ではどう取り組まれるのか。

③整備計画としてこれまで進められてきた中身を基礎とした上で、世界で加速度的に進む地球環境保全への政策転換を当市としても十分に踏まえた計画としていくことが、SDGsを最大の看板に掲げた自治体としての責務であり、むしろ大きなチャンスであると思う。迷惑施設という概念を根本的に変える施設を実現していただきたく、市長の見解を伺う。

12月議会初日の速報~議案審議と「市長所信表明」メモ

今日から12月定例議会が始まりました。

10時開会で市長所信表明が40分少し。

続いて職員給与条例議案を共産党5人と朝木議員以外の賛成多数で可決して、お昼。

午後に入り、市民スポーツセンターの指定管理者指定議案の審議を17時半頃まで続けました。

採決の結果、選定委員会を経て提案された(株)東京アスレティッククラブと協和産業(株)で構成する「東村山スポーツプロモーションJV」が、10年間担った事業者「東京ドームグループ」に替わって新たな管理者に選定されました。共産党5人、朝木、藤田両議員以外の賛成多数です。

その後、村木尚生教育長の再任議案を審議。朝木議員以外の賛成多数で同意。議決後、教育長から再任にあたっての所信が述べられました。理路整然かつ思いのこもったお話だと感じました。

さらにすべて議事が終わった後、土方桂議長から議場内の全員に向けて5分ほど話がありました。11月23日に青少年健全育成会大会で行われた「中学生の主張」で感銘を受けたという「エンパシー(共感力)」の話を例にとり、「ぜひ力を貸してほしい」と議会運営への協力を議員全員に向かって訴えました。

極めて異例のことですが、最近の議会運営の憂うべき状況に腐心している議長が、特段の思いを込めて真っ直ぐに訴える姿には心打たれました。しかし相変わらずこんな時でも私語の絶えない行儀の悪い議員もおり、情けない限りです。

以下は市長所信表明を聴きながら取った私のメモです。既に市HPに全文が掲載されていますので、気になるところは原文を読んでみてください。

★市長所信表明全文★

尚、新型コロナ対策として9月議会まで制限させていただいきた傍聴については、間隔をあけてなので席数は少なくなりますが、通常の場所でご覧いただけるようにしました。

【ワクチン】

  • ワクチン接種…半年経過。9月にかけては予約困難状態だったが、追加供給などで10月上旬には希望者が予約可能な体制を確保した。11月22日付で1回目接種は11万7,712人で84.8%、2回目接種済が11万5,212人で83.0%となり、国の目安8割を達成。医療関係者や市民の皆様に感謝。
  • 12歳や、これまで受けられなかった人たちが接種できるよう会場の運営は継続する。11月28日分は定員に達しているが、12月と1月の初回接種の予約受付を12月6日12時半から行う。年明けも継続。
  • ブースター接種は、2回目接種者全員への準備進めている。8か月以上経過した18歳以上、6か月は感染状況などが特殊な場合だけで、地域の判断で前倒しを認めるものではない。まずは11月18日に医療従事者に接種券を送付した。今年5月以降の2回目完了者に、8か月経過する2週間前に接種券送付できるように進める。集団接種会場はバス運行も含めて検討中。
  • 5~11歳への接種の体制も準備を進めている。

【コロナ拡大への対応】

  • 感染状況…8月は全ての日で2桁ペースで増加。8月18日は39人。8月だけで787人、8月23日には療養中が351人。以降は減少し、10月は13人で、0人の日が21日間、11月は新規感染1人、療養中0人。
  • 自宅療養者支援…都のセンターがキャパオーバーとなったつなぎとして9月10日発送分から実施し、第5波終息と共に支援要請が無くなった。9月30日が最後。食料品は15世帯34人 パルスオキシメーターは11世帯に貸し出した。
  • 障害者、高齢者施設でのPCR検査…費用補助は都の推進事業に基づき実施し対応してきた。11月22日付で令和4年3月まで延長決まったので、引き続き支援。

【3年度の財政運営】

  • 4回の補正予算編成してきた。臨時交付金の当市上限額が示されたので、経費を最終日の5号補正予算案として提案する。国の経済対策としての10万円、住居確保給付金や生活困窮者支援の延長等、時機を逃さず対応する。

【4年度予算編成】

  • 10月4日に方針示達した。守りと攻めが重要。守りは感染症、防災減災等の基礎的自治体の基本的使命を果たすこと。攻めとは、ポストコロナを見据えて計画に掲げた取り組みを着実に進めるということ。先行き不透明な中、元に戻すだけでなく、ライフスタイルとニーズに合わせ、住・職・遊のバランス、多様性に富んだ都市コミュニティの創造等、進める。
  • ポストコロナの取組み①…ICT化基本方針策定をDXの視点加えて検討進めている。DX推進基本方針として年度内の策定完了目指す。
  • ②…DXプロジェクトチームをスタートし、勉強会や座談会開き気運醸成図って来た。3部会を設置して体制整えた。4年度中に取組みの試行、実装を進める。デジタル加速、社会は大きな変革。地に足つけてDX進める。

【各事業の進捗】

  • 総合計画推進の取組み「SDGsオープンラボ」…パートナー認定制度。個人、事業者、団体の取組みを市HPで紹介。12件を認定した。小学校からの申請が多い。市民の参加を呼びかけ、交流会企画なども検討したい。
  • 民間事業者提案制度…旧第2保育園の跡地活用。用途制限ある中では困難と結論付け。詳細協議終了し、当該地の方向性を検討していく。
  • ふるさと歴史館内の地域サービス窓口廃止…毎週水曜日の窓口はサンパルネ開設後の利用率低く、非効率性から課題となっていた。3年度いっぱいで廃止する。丁寧な周知等進める。他の巡回型の恩多ふれあいセンターと多摩湖ふれあいセンターも検討していく。
  • エネルギービジョンの策定…環境基本計画の施策編で取組み。2050年までの温室効果ガスゼロを書いた方が成立したので、脱炭素社会のロードマップとしてビジョン策定進める。
  • 国保…30年度から国は制度大改革で安定化図ると共に、早期赤字解消が求められている。2年ごとに見直し定め、4年度は見直し年度になっている。改定について運協に諮問し、審議してもらっているところ。3月定例会には議案として提出する予定。
  • 児童館・児童クラブ基本方針策定…5月の待機49人と報告したが、10月1日では2人となった。ある程度の幅をもって需要見極める重要性感じている。策定状況は8月26日に検討会から最終的な提言受けたが、所管で職員との意見交換行なって、公の立場で担いつつ、民間活用の検討進めている。学保連役員と情報共有、意見交換で合意形成に向けた場づくり。丁寧な取組みを継続しながら、基本方針策定を着実に進めたい。
  • 東村山駅周辺まちづくり…高架下の活用と駅周辺の賑わい。WS開催し、3月の社会実験に向けた検討進めている。まちの顔となるよう、市民と一緒に街づくりに取り組む。年度末にはまちづくり実行プランとしてまとめ、1月にはパブコメ行う。東口6haの活用も1月にパブコメ実施予定。
  • 久米川駅周辺まちづくり…10月29日に第1回検討会議を開催し、自治会や商店会が参加。お互いの考え方を意見交換、WEBアンケートの結果も踏まえ検討する。
  • 地方創生推進…魅力創造核としてスポセン周辺の事業者に市の考えを示し、検討深めて来た。気運醸成進める必要。JAみらいの移転先にも挙がっているので検討進める。
  • 公園指定管理者制度の予定者公募…令和4年7月から制度導入予定し、選定委員会で募集要項と申請書等について熟議を重ねて内容決定した。10月14日の説明会には17事業者が参加、熱意感じた。12月14日から応募書類受付、1月13日に候補を決定予定。10年間の期間、柔軟な発想とノウハウで市民と市が協働して築いてきた歴史を大切にしながら、新たな公園づくりに取り組む意欲的な事業者に数多く応募してもらえることを期待している。
  • 学校教育…夏休み中にコロナに感染した児童・生徒51人、教職員8人だったが、9月中旬以降は減少傾向。10月1日からは通常の教育活動に近づくことに努め、実施してきた。宿泊行事キャンセルの補助金で安心して計画できるという学校からの声。
  • スマートスクール構想…2学期開始以降、タブレット活用して学習。主体的に取り組むことをさらに推進する。不登校生徒への支援からも在宅での活用進めている。
  • 通学路安全対策…八街の事件を受けて、安全点検実施した。指定通学路、改善要望を見直し、35か所を抽出した。14か所を対象に対策検討している。

北山公園の価値

今は花菖蒲で有名な北山公園の歩みを、手持ちの資料やネット情報をかき集めて辿っている。

1980年代後半に市が計画した人工公園化を巡り、90年代に入ると行政と住民が激突。田んぼは埋めて芝生化、池や湿地はコンクリ張り、水はポンプで循環…。バカげた計画を食い止めてくれた先人たちに感謝しかない。

そして、計画の内容以上に、市民にろくに知らせることなく進められたプロセスへの反省から、東村山の市民と行政の協働が始まったと言っても過言ではないことがわかる。

忘れちゃいけない歴史。

網を手にした親子が魚やカエルやザリガニを追いかけられる公園なんて、今や都内に殆ど残っていない。

将来の子どもたちに、どんな公園として残していくのか…改めて考えたい。

議会だよりに私の一般質問が載っていない件

東村山市議会では定例議会が終わるごとに「市議会だより」を編集、発行しており、9月議会の報告を中心とした11月15日号が今日あたりから届いていると思います。

その中の各議員の一般質問の欄に、私を含む3名の議員の掲載がありません。これは、質問終了3日後までに、どの部分を掲載してほしいかを選んで提出しなければならないにも拘らず、されなかったためです。

私以外の2人の理由はわかりませんが、私はハッと気が付いた時には締切日時を過ぎていたという、全くお恥ずかしい理由であり、言い訳のしようがありません。従来は未提出の議員に対して担当が催促し、掲載してきたのですが、今回からそれはしないと決めた矢先の失態です。

広報広聴委員会の委員として長年市議会だよりに携わってきた立場であるにもかかわらずこのようなことになり、深く反省し、お詫び申し上げる次第です。

提出すべく用意していた部分は以下の通りです。また、★当日の映像配信★も行われています。ご関心のある方はご覧いただければ幸いです。


9月2日の一般質問では次の2つのテーマを取り上げました。

1.市として自宅療養者支援に至急取り組んでほしい

佐藤ま)市長に伺う。私なりに多摩地区26市を調べたところ、当市含めた3市以外の23市で取り組んでいる。「市が一刻も早く市民の苦しさを受け止めて動きます」というメッセージとしても、一刻も早く判断いただきたい。

渡部市長)市長会として知事に申し入れてきたが、市として日常生活物資の供給をできるだけ速やかに執行できるよう進めていきたい。※9月10日から実施されました。


2.公園管理への指定管理者制度導入に、超えるべきハードルとは

佐藤ま)事業者公募条件として想定する「協働」担当の配置人員は何名で、具体的にどのような役割と活動を求めていくのか。

粕谷まちづくり部長)提案書には市民協働、地域連携を記載し、具体的な取組みも求める。高いレベルでの地域連携推進を期待し、西東京市と同程度以上の人数配置と、市民相談業務、公園ボランティア育成、なかよし広場の有効活用等を求めていく。

佐藤ま)公園は近隣住民の一時避難場所、障害者施設や保育所等の利用等、多様な姿がある。指定管理者任せにせず、所管を超えて早期に調査と公表が必要と考える。どう進めるか。

粕谷まちづくり部長)実態調査は理念実現の鍵となる。早期に開始して3年かけ進め、市と管理者で共有して活かしていく。

佐藤ま)課題の優先順位の吟味や、全庁的な連携と後押しも不可欠。公園が地域のインフラとして活用されるよう取り組み、住民の声も聴いてほしい。市長の考えを伺う。

渡部市長)全国に先駆ける取組みなので所管の意気は高いが、市長としてはリスクもあると思っており、指摘の点は丁寧に進める必要がある。本事業を重く受け止め、選考委員会の委員長は私が務める。防災や子ども家庭や保健福祉等にもまたがるので、各所管と十分協議するよう指示している。

地域連携推進型の指定管理者に求めることは、適正な公園の管理に加えて、市民協働を発展させていくことが大きなポイント。公園を核とした地域の活性化を目指すところまで視野に入れている。単純に経費削減を目指す趣旨ではないので、よりよい公園づくりができる事業者を選定できるかがポイントになる。東村山市にあった事業者が選べるよう最善を尽くしたい。


※現在は公園管理を任せる民間事業者を選定中で、来年3月議会に諮り、7月スタートとのこと。市長の答弁通りに進むよう、引き続き注視していきます。

投票所入場整理券が遅れるそうですが、手元になくても期日前投票できます!

市選挙管理委員会委員長と事務局長名で「衆院選の投票所入場整理券の発送について」という文書が各議員に配布されました。

選挙日程が当初言われていたよりも1週間前倒しになったことにより、全国一斉の選挙だけに、各陣営は選挙カーや機材、印刷物の手配や選挙スタッフの人繰りに想定外の苦労をされて今日の公示日を迎えたことと思います。市選管も頑張って準備にあたってきたはずですが影響を受けました。

▶配付された文書の要点

・選挙管理委員会として急ピッチで準備を進めているが、投票所入場整理券(以下、券)の印刷・作成及び配送に若干の遅れが生じ、期日前投票開始までにお届けするのが困難な状況。

・封筒作成業者や郵便局と調整を重ねてきたが、券を10月20日(水)に郵便局に持ち込み、10月22日(金)までにほぼ配布が完成する予定。

・20日(水)から始まる期日前投票には、券がなくても東村山市で投票資格があれば本人確認のうえ、投票は可能なので、詳しくは市報選挙特集号やホームページをご覧いただきたい。

※市報特集号の記載内容は「投票所入場整理券裏面の宣誓書に記入し、期日前投票所へお持ちください。※宣誓書は期日前投票所にも用意しています。入場整理券が届いていない場合でも会場で記入できます」となっています。要は手ぶらで行っても大丈夫と言うことです。

▶期日前投票は今回も2か所で行われます。

①市役所北庁舎1階「第2会議室」…明日20日(水)~選挙活動最終日の30日(土)/午前8時30分から午後8時まで

②東村山駅西口2階サンパルネ内ホール…10月28日(木)~30日(土)/午前9時~午後8時まで

私たちの1票には投票権を持たない子どもたちや孫たちの1票も含まれているので、自身が最も託せると判断した候補者(政党)へ1票を投じに投票所へ運びましょう。

視覚障害者のホーム転落を防ぐために… ~オンラインフォーラムに参加して

日曜日(10月10日)の午後にオンラインで開かれた「ホーム転落を無くす会」のフォーラムに初めて参加しました。全国から視覚障害当事者の方々、ガイドヘルパーや歩行訓練士など支援に携わっている方々、大学の研究者の方々等々、283人もの方が参加されていました。

私が市内在住の全盲のTさんに初めてお会いして、その数日後に案内してもらいながら萩山駅ホームや周辺の踏切などを3時間かけて一緒に歩いたのは、もう15年ほど前。以来、どんなことが課題なのかわからないので、西武鉄道本社へ出向いての話し合いや、萩山駅前広場の点字ブロック敷設についてURとの交渉に同席させてもらったり、その後も視覚障害者にとっての市内の危険個所をたくさん教えてもらってきました。

秋津駅と新秋津駅間を利用する埼玉県在住の視覚障害者の方たちと、所沢市議を介して出会ってのは10年ほど前。延長300mの道路上に凸凹のついた白線が引かれるまで5年近く掛かりました。

昨年秋には、市内在住のHさんから「私たちのグループで新しくなる東村山駅にホームドアをつけてほしいと鉄道会社に申し入れたら絶望的な答えが返って来たんだ…」と相談を受け、議会に陳情をお出しいただく手伝いを少ししました。

陳情は全会一致で採択となり、それを受けて市長も鉄道会社に一生懸命働きかけをしてくださっています。


「見えてしまっている」私には、「見えない」人の大変さがどこまでいっても実感としてはわからないわけですが、どんな状態が危ないのか、どうすれば少しでもその危険性が低下するのか…という目線で、いつの間にか見るように、少しはなったと思います。
そんな私にとって今回のフォーラムは、提供される情報の中身としても、どのような方たちがどんなご苦労をされながらホーム転落事故を無くそうと懸命に頑張っておられるのかという点でも、知らないことばかりで、本当に勉強になるありがたい場でした。

基調講演と2人の方から基調報告があり、その後は質疑応答の時間でした。

・講演「駅ホームの点字ブロック、敷設の経緯と今後望むこと」竹内昌彦さん(認定NPO法人ヒカリカナタ基金・理事長)

・報告①国土交通省の会議のこれまでの進展状況報告」宇野和博さん(筑波大学附属視覚特別支援学校・教諭)

・報告②「ホーム中央に誘導ブロックを敷いた実証実験について」大倉元宏さん(成蹊大学・名誉教授)

以下、当日の自分のメモから

・全国に9,500駅、全部で19,951番線あるうち、ホームドアが設置されているのは1,953番線、9.8%。つまり90.2%にはついてない。

・これまで年間100番線ずつ設置していくとしていたものが、今年からは200番線ずつ設置する方針となったので、毎年1%強ずつ増える計算だが、85年間かかる。転落事故の8割は乗降客数1万人以上の駅で起きており、その2,100駅だけでも24年かかることになる。

・当然、最も有効な対策であるホームドアを増やしてほしいが、時間が掛かる現実がある中で、ホームドアが無い駅でいかに事故を防止するのかを考えないといけない。国交省の安全対策検討会はその目的で設置された。

・転落事故の状況として、この10年間で視覚障害者のホーム転落死亡事故は21件。命を失わなくても転落する案件は747件あり、5日に1人のペースで視覚障害者が全国のどこかで落ちている計算になる。

・転落率は、視覚障害者が全国で31万人なので、4,500人に1人。晴眼者は2,800人で転落の殆どが酔客。総人口1億3,000万人として45,000人に1人。視覚障害者は10倍高いことになる。

72.9%が普段使っている駅で起きている

・国交省の会議は、7回の議論を経て中間報告を行ない、様々な対策が検討されている。AIカメラを使い、視覚障害者を改札で検知したら駅員に伝えたり、有人改札に駅員がいない場合も今はあるが、駅員を呼び出せるアプリも検討されている。

・ホーム上の端に来た視覚障害者をAIカメラが感知して警告音を発する技術も開発されている。

・安全な歩行経路も検討され、歩行訓練の充実の必要性も謳われている。転落があったらすぐに駅員に伝える技術も紹介されている。

・ホーム上の点字ブロックについて転落原因に関する中間報告によると…調査に回答した303人のうち109人が転落経験あり。転落した際、長軸方向(線路と並行)に歩行中が63.5%、短軸方向(線路に垂直)が36.5%。

・長軸方向では、ホーム中央を長軸方向に歩いていて端に接近していることに気づかずに落下、黄色い点状ブロック沿い歩いていてそれていることに気づかずに落下、点状ブロック沿いを歩いていて他人と接触して落下等のケースがある。

・短軸方向では、乗車しようと点状ブロック付近まで進んでの落下や、列車がホームに停車していると勘違いして落下、降車して反対側のホームの端から落下等のケースがある。

・ホーム端に内包線付き点字ブロックの敷設が少しずつ進んでいるが、それがあっても転落事故が起きている。ホーム中央に誘導ブロックがあるようにすれば、ホーム端で人をよけるために80cmを踏み越えることによる落下はなくなる。中央なら壁を伝って誘導ブロックに辿り着ける。

・死亡事故57件のうち、41件がホーム中央にあれば助かったと考えられる。

・ホーム中央には、蕎麦屋や売店や障害物がある場合が多い。柱はどうしようもないがベンチや自販機は歩行動線を優先して移動すべき。障害物を迂回することの懸念も示されているが、今後の実証実験で検証されていくことになるだろう。

・歩行者側に問題は無かったのかの検証も大切なことであり、歩行訓練の重要性もある。

・一方で転落経験者のうち、歩行訓練を受けた人の方が高かったという厚労省の調査結果もある。転落者の28%は白杖をスライドさせていても落ちている。特にブロック沿い、線路側に居た時に落ちている。

・誘導ブロック設置、声がけ、AIカメラ導入など、いろんな対策を二重三重に行っていくことが大事。それが進めば、ホームドアが無い場合も事故は確実に減る。

・安全な歩行環境を整えることが最優先であるべきで、とにかくやれることから始めることが大事

・護国寺駅のホームや、札幌の狸小路は、中央に誘導ブロックがついている。

最後に、会の相談役を務められているという藤野高明さんがこう発言されました。

「自分が若い頃は、助けてくださいとはなかなか言えなかった。当事者が言わなければ、歩くことすら認めてもらえない時代だった。こんな忙しい時にめくらが何をウロウロしているんだ!と言われたこともある。

(当事者や関係者の中でも)意見の違いはあるだろうが、視覚障害があっても、働くこと、学ぶこと、社会参加を自由にすること、独りで歩けること(の実現を)。

単独歩行は心配されるが、大いなる自由だし、生きていく喜びであり、自覚に繋がる。

これからもぜひフォーラムを続けてやってほしい。やりましょう!」

東京新聞の記事について(その1)

今朝の東京新聞多摩版に大きく掲載されたこの件。問い合わせやご意見もいただいていますので、取り急ぎコメントします。

殆どの議員が当てはまらない話だと思います。しかし、全てと言い切る自信はありません。何年かに一度、これは自分で100%作ったものではないだろうな、と聴いていて思うことがあります。それが、職員に全部書いてもらったのか、職員と相談しながらつくったのか、自分の会派の先輩議員に面倒見てもらったのか、そこはわかりません。

私自身は右も左もわからず飛び込んだ19年前、一般質問は自分の最大関心事を取り上げることからスタートできましたが、市政の現状や多岐にわたる課題や議会のルールなど全く知りませんでしたので、条例改正や契約議案や予算・決算などはチンプンカンプンで途方に暮れたことを思い出します。それでも、何処の誰なのか訝しがられていた無所属議員は、自分独りですべての議案書や関係書類を読み、例規集を引きまくり、予算書も決算書も分担する仲間がいませんので一から十まで目を通し、悪戦苦闘しながら質問(質疑)通告書を何とか形にすることが続きました。今思い出すと、ずいぶんとピントのズレた質疑をしたり、辻褄の合わない討論をしたこともあったように思います。

大変だからといって職員に頼んでいいとは全く思いませんし、議院内閣制の国会の与党議員が政府に質問するのと同じような感覚で、二元代表制をとる地方議会議員が、市長部局がしてほしいと考える質問だけをすることは、自殺行為に等しいと思います。

その上で、この記事はずいぶんと浅薄な内容であり、記事にするまでの経過にも雑なものを感じています。この記事は、9月議会最終日(9月28日)の最後に行われた議員提出議案「東村山市議会はICT技術を積極的に活用し、さらなる議会改革を進める決議」の審議での発言をめぐって書かれています。最初に出てくる無所属議員は朝木直子議員であり、2人目の無所属議員は立憲民主党の藤田まさみ議員です。答弁した自民党議員とは、私を含む提案者5人の一人・熊木敏己前議長です。

そして記事のタイトルは「質問原稿作成 市職員に丸投げ」となっていますが、誰の発言の中にも「丸投げ」という言葉はありませんでした。

決議文の冒頭2つの段落に「東村山市議会は、市民を代表して二元代表制の一翼を担う議事機関であり、市民全体の福祉向上を目指し、信頼される議会であり続けるため、平成25年12月定例会において、東村山市議会基本条例(以下、条例という)を制定し、26年4月1日より施行している。 条例第1条では、市民の負託に応えて市政の発展及び市民福祉の向上に寄与することを目的として定め、第2条では市民に開かれた議会とするため、市民にとって身近でわかりやすい運営が行われるべきことを定め、不断の改革を重ねることとしている。」としていることに対し、朝木議員が「質問を作ってもらっている議員がいるのに何が議会改革だ」という主旨の発言をし、藤田議員が「私も物証を見た」という主旨の発言をした、という流れでした。

「とんでもない!」「八百長じゃないか!」という憤りを持たれるのは十分理解しますし、この記事もそういう視点で書かれていると思いますが、この問題は、実はいろんな論点を含んでいると考えています。長くなってしまったので、続きはまた書きます。https://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/…/giin0304.html

【速報】9月議会 全議員の賛否一覧

昨夜閉会した9月定例市議会。

外が暗くなってから1時間以上かけて審議した議員提出議案第4号「東村山市議会はICT技術を積極的に活用し、さらなる議会改革を進める決議」の提出者の一人だったこともあり、議案が賛成多数で可決されて20時前に全て終わった段階で力尽き。今日も10時からの広報広聴委員会への準備のために9時前に登庁して会議やら打合せやら続きました。

ようやく静かな議員控室で、恒例の賛否一覧表作成に取り掛かり、なんとかまとまりましたので、アップします。

既に市議会HPに動画がアップされているものは採決の様子を確認して書き込みましたが、それ以外は自分のメモが元になっているので、間違いがあるかもしれません。あった場合は追記した上で修正します。

また、この一覧だけではそれぞれの中身や経過がわかりませんので、この議案は何のため?とか、どうしてこの議案には反対したの?とか、疑問質問ありましたら、遠慮なくどうぞ。なんでもお受けします。

ポイントになったいくつかの案件については、ピックアップして順次報告していきます(^^)/

ということで、取り急ぎ。

東村山市のワクチン接種について最新状況

9月議会最終日は、一般会計補正予算の審議が続いています。朝の開会前に、「ワクチン接種の現状と見通し」について、副市長から報告がありましたので、メモした中身を以下お知らせします。(その場で取ったメモなので、もし間違いがあったら修正します)

松谷副市長)

・接種実績は、9月27日時点で98,767人、71%にあたる方が1回目接種を終えている。年代別では、65以上は86%、12~64歳は64%が接種済み。妊婦とパートナーに限った募集では196名が接種された。

・夏からファイザー社製ワクチンの大幅縮小となり、多大な不便をお掛けしている。国からは12歳以上の8割が可能な量を供給すると通知され、8割接種を目指してきたが、現状の供給量では到達しないと判断し、9月13日に市長と共に都を直接訪問して福祉保健局に要望書を提出し、強く配分を求めた。それもあって10月上旬には3,500名分が追加供給されることになった。

・10月6日12時30分受付分では13,000人分の予約枠を設ける。12~15歳は接種できる会場が限られており、予約も取りづらいという声があるので、10月9日、10日、16日、17日の保健センター枠を専用枠として500人分用意し、市HPで速やかに伝える。

・これらを踏まえた市接種分の見込みは66%が可能となる。大規模や職域接種の実績では14%が1回目完了している。あわせて80%は確実に摂取できる状況に加え、10、11月の職域と大規模も見込まれるので、その時点では82%程度に接種してもらえると見てる。

・国からは8割程度を基準に配分されているので、大規模な予約は10月6日が最後となる見込みであり、希望者はぜひ申し込んでいただきたい。また、大規模や職域が可能な方はそちらでぜひ受けてほしい。

・では8割で本当に足りるのか?という懸念があると思うが、先行実施している自治体では接種率が7割後半になると予約が入らなくなり頭打ちになっていく傾向がある。ゆえに、現在の供給量で一定満たせると認識しているが、今後、行動制限解除のためのワクチン接種が示される中で希望がさらに増えることも考えられる。もし10月6日もあっという間に埋まるような状況であれば、さらに都に供給を要望していく。都もモデルナも含めて今後も協議に応じると言っているので、11月末の完了に向けて機を逃さずに動いていく。

・3回目接種については、9月22日に厚労省説明会があり、2回目から8か月経過した人に追加接種の方針が示され、12月から医療者に接種始めるので市でも体制を、となった。市としてシステム改修、接種券印刷発行など進める。今後も全庁体制進めていく。疑問点があれば、私か担当まで訊いてほしい。

決算委員会が終わりました~討論全文をアップします

昨日(17日・金)夜7時過ぎに4日間続いた決算特別委員会が終わりました。

令和2年度の決算についての賛否は以下の通りです。

【一般会計】

認定に賛成…自民(6名)、公明(4名)、鈴木たつお、白石えつ子、かみまち弓子、佐藤まさたか

認定に反対…共産(5名)、朝木直子、藤田まさみ

【国民健康保険特別会計】

賛成…自民(6名)、公明(4名)、鈴木たつお、白石えつ子、かみまち弓子、佐藤まさたか

反対…共産(5名)、朝木直子、藤田まさみ

【後期高齢者医療保険事業特別会計】

賛成…自民(6名)、公明(4名)、鈴木たつお、白石えつ子、かみまち弓子、藤田まさみ、佐藤まさたか

反対…共産(5名)、朝木直子

【介護保険事業特別会計】

賛成…自民(6名)、公明(4名)、鈴木たつお、白石えつ子、かみまち弓子、藤田まさみ、佐藤まさたか

反対…共産(5名)、朝木直子

【下水道事業会計】

賛成…自民(6名)、公明(4名)、共産(5名)、鈴木たつお、白石えつ子、かみまち弓子、藤田まさみ、佐藤まさたか

反対…朝木直子

尚いずれも、土方桂議長(自民)、村山じゅん子副議長(公明)、駒崎高行議員(議会選出監査委員)は決算特別委員会の委員ではなく、小林美緒決算特別委員長(自民)は採決に加わっていません。

一般会計決算に対しておこなった私の賛成討論は以下の通りです。

本決算を認定する立場で討論に参加します。

議会に入って19回目の決算審査でしたが、1年間に6回の補正予算が組まれたのは恐らく初めてのことであり、コロナ禍がいかに先が読めず、長期化しているのかを実感します。国や都の方針や対策が二転三転する中でも、市民の命と暮らしを守るための施策が着実に実施されました。

コロナ対応には全庁体制で当たられ、副市長2名制が功を奏することとなりました。ご本人、市長から語られた方向が深められることに期待をします。すべき総括を行い、今後へ向けて想定外を減らすための方策を練っていただきたい。

国や都の100%の財源による事業以外は、市長専決を行わずに市議会の議論、議決をもって執行したことは、地方自治体の本来のあり方に照らしても、財政規律という点でも、意義あることと考えます。

その上で、以下は指摘や改善要望になります。

正確さを期し、丁寧に行うことは、一方でスピーディーさに欠ける、という指摘に繋がり、難しいところです。のあった場合、的を射ている時は極力速やかに対応すると共に、そうではない時や、そうできない事情がある時も、まずは正面からその声に向き合い、相手にこちらの真意が伝わるまでしっかり対話をする、それを組織として誠実に進めることが大切だと考えます。市民の信頼あっての市政なので、苦情やトラブルと共に、よい評価や感謝の声も、庁内でシェアし、次へと繋げる仕組みを考えていただきたい。

障害者差別解消の取組みは所管の努力を評価しつつ、市内機関、事業者の対応が着実に向上し、市民の理解が広げるよう本気で進める必要があります。市として責任をさらに果たせるようなルール化、仕組みづくりを真剣に検討いただきたい。

保育園、児童クラブ、そして市内小中学校も、現場の先生方はコロナ禍でも子どもたちのため、保護者のため、全力で対応くださいました。子どもたちの意見もしっかり聴きながら、最善の選択をしていってほしいと思います。

一貫して提起してきた保育の質の向上については、その土台となる各施設との信頼関係づくりに努力いただいていることがわかりました。

顔の見える関係を一層築くとともに、親同士も顔の見える関係を作れるようにサポートすることが、子ども一人ひとりを社会の宝としてみんなで育てることに繋がると考えています。残念ながら、保護者会の休止や解散の知らせも聴きます。保護者同士の繋がりを忌避する風潮もありますが、保護者を孤立させず、単なる利用者ともせず、保育士や指導員と共に子育てする当事者として育っていただけるよう、専門職たる5エリアの市の職員が大いにリードして取り組んでいただきたいと思います。

最後に、しつこいようですが、人口減、超少子高齢社会へ向かう中で多様化、複雑化する市民ニーズに応えるためには、事業の見直し、再編は避けて通ることができません。事務事業評価については、経常的・義務的な事業や人件費按分まで含め、全事業についてフルコストの可視化を図ることで、庁内議論のみならず、議会における審査も真に意義あるものとなり、市民にも大いに共有いただくことが、必ずや近い将来に生きて来ます。今は大変な作業であっても、ぜひ踏み込んで取り組んでいただきたい。以上、決算認定の討論といたします。