子どもを真ん中にした社会へ変えていくために 研修会参加記①

一昨日(2月11日)&昨日(12日)と、「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウム2022明石に参加してきました。

いろいろ立て込んでくる時期で少し迷いましたが…

長年追いかけてきた私にとっての最重要テーマであること。今年19回目を迎えるこのシンポジウムには出来る限り参加して自分自身の情報を更新して来たこと。そして何より、全国のどの自治体よりも本気の子ども施策を展開し続けている明石市で、命がけで牽引されてきた泉房穂さんが地元で市長として登壇される最後の機会になるであろうこと等々。これはどうしても外せない場だと判断しました。

2日間、講師陣や実践報告をされる方たちはすごい顔ぶれで、子どもをど真ん中にした社会へ変えて行こうという主催者側の意気込みが伝わって来ました。

初日はまず、「こども基本法・こども家庭庁と今後の自治体の子ども施策について考える」をテーマに、野村武司東経大教授の基調講演。

続いて、平野裕二さん(子どもの権利条約総合研究所運営委員)による「子どもの意見の反映」についての国際的動向。

泉房穂明石市長による熱き報告「こどもを本気で応援すれば、まちのみんなが幸せになれる」。

そして森田明美東洋大学名誉教授による「子ども施策における子どもの権利の具体化とまちづくり」と、泉さんと森田さんによる対談と続きました。

子ども基本法の施行を目前に控えたこの時期の開催。会場は全国からの参加者でいっぱいで、オンライン参加者を含めると900名と言っていたと思います。

散会後にはオプションで、明石駅前の再開発ビルの4~6階の公共施設見学へ。ここを初めて訪ねたのは2018年8月のこと。

前年に開館した施設を泉市長ご自身が熱い説明を加えながら案内くださいましたが、駅前の活気も含めてまだこれから…という感じもしていました。厚生委員長だった翌年には、障害者差別解消の取組みを学びに委員会の視察でも訪れた場所。

ところが今回3年半ぶりに歩いてみると、どの階も利用者がたくさんいて、中高生の居場所として開設された5階のユーススペースも子どもたちが自由に過ごしていました。駅ビルにも、スタバはもちろんのこと、有名高級チョコレート屋さんや人気の服屋さん、雑貨屋さんなどが入っていて人でいっぱい。活気あふれる駅周辺になっていました。

泉市長、今回も直々のご案内、どうもありがとうございました!

終了後、一人で魚の棚商店街へ向かい、たこ磯さんで明石焼きを食べて、腹ごなしに路地裏を歩いていたら明石港に着きました。淡路島への船が出ているのですね。

2日目は次の記事にします。

学びを今後へ活かしてこそ~市議会議長会研修会を終えて

第61回議員研修会@府中ドリームホール。

今年は26年に一度の東京都市議会議長会の会長市が回ってきているので、会長挨拶は土方桂議長、来賓は会長市の市長として渡部尚市長、司会は南部和彦事務局長がそれぞれ務められました。

企画・運営には議会事務局が総力戦で対応していたので、会長市1年間の最大の山場とされる今日を無事に終えたことでホッとしていることでしょう。まずは大変おつかれさまでした。

研修会講師の牛山久仁彦明治大学教授は、東村山市のまちづくりの根幹であり、他自治体では自治基本条例と呼ばれることの多い「みんなで進めるまちづくり基本条例(通称・みんまち条例)」策定時の審議会会長であり、現在も「見守り検証会議」の会長をお務めくださっている方。

今日のお話は「地方分権と自治体議会~分権改革の22年と自治体議会のこれから~」と題して、2000年の分権改革以降、自治体議会が果たすべき役割が根本的に変わってきており、当然に私たち議員がそれを前提に積極的に動くべきことについて、基本の「キ」とも言える土台を誰にもわかりやすく説いてくださいました。

私は幸いなことに、この激動の22年をほぼスタート時から意識して議員として活動してくることができ、そのど真ん中で変革をリードしてきた全国の議会関係者と知り合い、学びと実践を深めてくることができましたので、今日のお話は自分自身の血となり肉となっている1丁目1番地のような内容でした。

しかし22年という月日を考えれば、この大原則を初めて体系的に学ぶという人たちも多くあったはずであり、選挙で顔ぶれが入れ替わるたびに継承の難しさを痛感する「議会は何のためにあるのか」という大原則を学び合い、共有するために、大変有意義な場であったと思います。

さて、次の選挙で選ばれた25人で、この大原則を踏まえた議会改革を継続・発展できるのか否か。そこに繋げてこそ、26市の議長会会長市としてこの研修会を開催した本当の意味があるのだと思います。

政策総務委員会「投票率向上策に関する提言」

少し前のことになりますが…記録しておかないと。ということで、

所属する政策総務常任委員会(伊藤真一委員長・下沢ゆきお副委員長)で、2021年の9月から、「投票率の向上策について」を委員会としての調査事項に設定して研究調査を進め、2022年12月議会の最終日に伊藤委員長が報告を行いました。

それを踏まえて、議長名と委員長名で、市長、教育長、選挙管理委員長に「提言書」を手渡し、一連の活動を終了しました。

東村山市議会では4年間の任期の折り返しで正副議長をはじめとする人事の交代を行うため、4つの各委員会には2年間の時間が与えられます。市長から提出される議案や、市民から出される請願・陳情を待っているだけの受け身の委員会運営で済ませるのか、委員間で協議して自主的にテーマを定めて調査研究と意見交換を重ねて提言や提案まで行うのか、今のところ委員長以下のメンバーに委ねられています。

当然、後者の方が何倍も忙しく、特に指揮を執り、取りまとめにも責任を負う委員長は大変なわけですが、何のために委員会があるのか、何のために私たちは議員として報酬をいただいているのか、を考えれば、私たちがどうあるべきかのか。自ずと答えは明らかであると思います。

今回の取組みについては、市議会HPに★特集ページ★を設け、「終了報告書」「提言書」「オンラインアンケート」等を掲載していますので、ぜひご覧ください。

尚、1年3か月の調査活動は以下のような経過で進めました。

◇テーマ設定(2021年9月議会)

◇オンラインアンケート(2021年11月)…10月の衆議院選挙の直後に、オンライン市民アンケートを実施し、115名の回答を得る。

◇市民とオンラインで意見交換(2022年2月)…議会報告会の後半、zoomのブレイクアウトルームを活用して常任委員会毎にテーマを決めて意見交換会を行った。市民だけでなく、大学教授や他議会の議長も参加してくれた。

◇市教育委員会からヒアリング(4月)…市内小中学校における主権者教育・シチズンシップ教育について、正副委員長で教育委員会事務局からヒアリングを行い、6月の委員会で報告。

◇オンライン研修(5月)…佐藤淳・青森大学社会学部教授にお願いして、委員以外も参加できる公開形式で研修を行う。

◇各投票所の課題調査(7月)…参議院選挙の直後に、市内21か所の投票所の課題調査を委員以外の議員の協力も得て実施。

◇オンライン研修会(10月)…取手市議会と可児市議会にお願いし、それぞれの議会が主体となった「主権者教育」について、中心的な役割を果たしておられる岩崎弘宜議会事務局次長と、川上文浩可児市議会議員にオンラインで実践報告をしていただき、質疑応答を行った。

◇現地視察(10月)…箕面市に赴き、選挙管理委員会のご担当から同市の取組みの説明を受け、質疑応答。投票区の定期的な見直し/期日前投票の箇所と時間の拡大/オリジナル投票済証の活用 等について学ぶ。

◇選挙管理委員(3名)との意見交換を実施(11月)…議会として初めて選管委員長、委員、事務局と直接対話。

◇調査・研究結果の整理と委員間での討議、まとめへ(11月)

◇委員長報告を行い、終了(12月)

◇市長、教育長、選管委員長へ政策提言(12月/2023年1月)

数年ぶりの大津訪問は濃厚な時間

11日(水)12日(木)、久しぶりに琵琶湖のほとりにあるJIAM(全国市町村国際文化研修所)へ。稲沢先生の講義は8年ぶりくらい、小室先生は念願かなってようやく初めて受けることができました。全国から期の浅い方たちを中心にほぼ100名が参加されている中、わかったつもりになっていることでも時々基礎に立ち返って学び直さないと…という思いで参加しました。2日目の演習では、秋田県五城目町議会、愛知県知立市議会、大阪府松原市議会の方と同じグループになり、楽しく学びを深めることができました。

2日間の財政勉強会を終えた足で、唐崎~大津京~三井寺駅で降りて、グーグルマップを片手に初めて訪ねる目的地へ。
予定が直前まで固められなかったので事前のご連絡はせず、お会いできたらいいな…と願いつつ歩いていくと、昔からの通り沿いの民家に「こどもソーシャルワークセンター」の看板を見つけました。

「こんにちは!」と声を掛けたところ、お会いしたかった代表の幸重忠孝さんがおられました。やった!
「大津に来ていることをFacebookで知ったので、もしかしたら来られるんじゃないかと思ってましたよ」と笑顔で迎えてくださいました。

幸重さんとは、子どもの貧困が今ほど報じられる以前に、東京で開かれた研修会で初めてお会いして以来、10年近いお付き合いになるでしょうか。
子どもの貧困対策センターあすのば」の小河光治さんや、「山科醍醐こどものひろば」の村井琢哉さんと共に、厳しい状況にある子どもたちと向き合い続けておられる、私が敬愛してやまない方の一人です。

6年ほど前に開設された「こどもソーシャルワークセンター」は、どこにである普通の家のようなつくりになっていて、子どもたちが自分の居場所として「ただいま」と安心して帰ってこられる場所でした。

ソーシャルワーカーは役所や公的機関で勤務している方が圧倒的に多いと思いますが、幸重さんは個人で社会福祉事務所を立ち上げ、社会福祉の専門職として、またお兄さんのような存在として、スタッフや地域の方たちと共に、様々な困難を抱えた子どもや若者たちを支え続けておられます。

定期的に送っていただく便りを読んでいると、運営の大変さも伝わってきます。
自分にできる応援をささやかに続けながら、東村山でも子どもの貧困対策が着実に進むよう、これからも交流を続けていけたらと思います。

幸重さん、どうもありがとうございました(^^)/

そして、以前から訪ねたかった「三井寺」へ。古色蒼然とした山門に気圧され、入山料を納めて境内に入り、釈迦堂、そして国宝の金堂へと急ぎました。威容を誇る金堂では、新年特別公開の文殊菩薩像だけでなく、平安、鎌倉、南北朝、室町時代の仏像が並んでいて、圧巻。ちょっと覗くつもりだったのですが、すっかり見入ってしまいました。

4時半に大津市議会局の軍師殿を訪ねる約束をしていたので、まだまだ見たいところはありましたが、今回はここまで。大津市役所へ早足で向かい、奈良から駆けつけてくれたアロハの友と合流し、議会局へ。

全国の地方議会改革を牽引し続けておられる大津市議会。軍師・清水克士議会局長には、数年前に会派視察で伺ってお世話になったほか、大津市議会がマニフェスト大賞グランプリを受賞された2013年から様々な学び合いの場でご一緒させていただいてきました。この春で定年を迎えられる前に、お礼の気持ちを伝えるために表敬訪問したかったので、願いが叶いました。

局長室でしばしお話を伺ってから、静かなお店にお連れいただき、地の味と地のお酒を楽しみつつ、3人で語りまくりの贅沢な時間を過ごしました。

清水さん、君島さん、どうもありがとうございました!

この世界に飛び込んで間もなく20年。1期目は自分の議会だけを見ていると落ち込むことや頭にくることだらけでしたが、2期目を前に外に飛び出して大小の勉強会に参加したことで、少しずついろんな方を知り、あるいは知っていただき、人の輪が広がり、深まっていきました。困った時にはメールや電話一本で相談に乗ってくださったり、情報を惜しげもなくくださる方たちが全国にいる。これは、私にとってかけがえのない財産であり、チカラの源泉。本当にありがたいことです。

学びたいことを学び、会いたい人に会い、見たいものを見に行った詰め込みまくりの大津訪問。くたびれましたが、最高の時間でした。

議員力の向上へ~学びの場のご案内

理事の端くれを務めている★NPO法人多摩住民自治研究所★

1月&2月の講座情報をお知らせします!

①よくわかる!市町村財政分析基礎講座

ご存知、大和田一紘さんによる人気の講座です。既に1月24日&25日は満席ですが、来週11日&12日は若干空きありです。お急ぎください。

②議員の学校「よくわかる自治体財政の基本から応用まで~2023年度国家予算の傾向と自治体予算審査の肝」

2月15日(水)16日(木)の2日間です。会場枠は既に満席ですがオンラインは受付中です。森裕之先生(立命館大学教授)による講義は、一方通行ではないので毎年大好評。

3月定例議会間近という方も少なくないと思いますが、令和5年度予算の審査に向けて押さえておくべきポイントをぜひつかみにいらしてください。

お申し込みは、いずれも研究所のHPまたはFAXで。

ぜひお早めに(^^)/

ぐるっと一回りの年

新しい年・2023年が始まって3日目。遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

子どもたちが巣立って数年が経ち、改まって正月らしいことをすることも、なんちゃってお節料理を仕込むこともなく、佐藤家の味・鮭入り膾(なます)と雑煮だけをつくったくらいで、かなり通常運転に近い形での年末年始となっています。

大みそかはDining mogumoguで年越しそばと、美味しい肴で稀少な日本酒をいただき、大満足。ごちそうさまでした。

元日の多摩湖は、澄み切った空と明るい陽射しに溢れていました。

今年は、暦が還ると書く年男です。いくつになってもジタバタしながら毎日を生きていますが、必要とされて仕事ができることへの感謝を忘れずに、責任を果たす一年にしたいと思います。

昨日(2日)は気心の知れたおじさん&おばさんチームで新春国立名人会@国立演芸場へ。

お正月らしく獅子舞で幕が開き、お目当ての柳家三三さんで初笑い。中には首を傾げるほど面白くないベテランさんもいましたが、まあ玉石混淆なのが寄席の味でもありまして。大トリはもう一人のお目当てだった柳亭市馬さん。

三三さんも、市馬さんも、出て来て座って一声発するだけでどことなく漂う品の良さと、艶と張りのある声が魅力の噺家さん。お二人とも柳家一門だし、三三さんはお弟子さんだったこともあり、大好きだった小三治さん譲り、という感じがします。

帰り道、西武新宿駅近くの餃子がウリの酒場でささやかな新年会。右を見ても左を見ても若者ばかりのお店の平均年齢を一気に引き上げてまいりました。

今日は、年末から積み残しになっていた宿題を数時間やってめどをつけましたので、明日から通常運転に戻ります。

今年も一年、どうもありがとうございましたm(__)m 【96号をアップします】

あと3時間少しで新しい年がやってきます。今年も一年間、お陰様で心身の健康を保ちつつ、与えていただいた職責を果たすべく、何とか走り切ることができました。どうもありがとうございました。

平和や経済の安定など、大方が当たり前に享受できると思っていたことが音を立てて次々と崩れた2022年。無邪気に遊び、笑い転げる孫たちを見ていて、「私たちの世代は逃げ延びるのかもしれないけれど、この子たちが大人になった時、この社会はどうなっているのだろう?戦争は?地球環境は?」と不安な気持ちが湧いてきます。

先行きの不透明感がどんどん増す中で、地方自治体の舵取りも、一層難しくなっていくことは間違いありません。放っておいても人口が増え、税収が増えた時代は、あれやります、これ造ります、がいくらでも通用した時代。それなりの人なら首長が務まったのかもしれません。しかし今は、知力体力気力が人並外れた人でなければ無理です。

翻って私たち議員は?

敵と味方を決めつけて、自分の陣地から持論を繰り返すだけでは、市民にとって最善の解に辿り着ける可能性は極めて低くなります。現状を変えること自体に抵抗し、ブレーキを踏んでばかりいれば、その議会は時代に取り残され、衰退し、存在意義を失うことでしょう。

全国には覚悟を決めて、徹底的に住民のためになる機関への変革を追求している議会がいくつもあります。議会の優劣が自治体の成否を決める時代が来ています。

東村山市が、人と緑が大切にされ、活気のある自治体として生き残っていくためには、市議会が果たすべき責任はさらに重くなります。もっともっと働く議会に変えないとなりません。

新しい年が少しでも穏やかに、そして世界中の子どもたちに平和な日々が訪れることを祈らずにいられません。

28日の仕事納めの日から12月議会報告を含めたレポート96号を配って歩いていますが、お届けできていない方の方が多いので、画像としてコチラにアップします。お目通しいただければ幸いです。

「女性議員が多いですね」

「東村山市議会は女性議員が多いですね」

視察にお越しくださった殆どの議会の方たちからそう驚かれます。

「どうしたら女性議員が増えますか?」と尋ねらることも多いのですが、国政政党が以前から一定の割合で女性候補を立てているのと、基本的に女性候補のみの生活者ネットワークの存在や、無所属でも絶えず女性が当選してきたことなどが要因であり、「議会として何か取り組んでいるというわけでなく、私が入った頃から結構多かったですよ」とお答えしています。

そこに自民党から2015年に初めて1人、2019年には2人目の女性議員が生まれたことが加わって、定数25のうち男性13人、女性12人となり、現在の48%になったと言えると思います。

これは、北海道江別市議会と並んで、全国に792ある「市」のうちでは最も高い割合です。
「内閣府見える化マップ」
https://wwwa.cao.go.jp/shichoson_map/?data=7&year=2021

町村や特別区を加えた「市区町村」1,741自治体で見ると、神奈川県大磯町議会が定数14人のうち男女7人ずつの50%なのでトップです、と申し上げてきましたが、念のために確認してみたところ…11月に行われた町長選挙に女性議員が出馬され、同時に行われた補欠選挙で男性議員が当選したため、男性8人、女性6人で42.86%に変わったようです。

これは数字で示せた方がいいな、と思ったので、過去の選挙結果を調べてこんな表を作ってみました。 

私が最初に入った時が既に3割を超えていたからかもしれませんが、この20年間で、男性だから、女性だからということを気にした記憶がありません。委員会の構成も、特に男女のバランスを…ということはないので、蓋を開けてみたら6人のうち男性が1人だけとか、その逆もあったりします。

世の中ほぼ半数…正確に言えば全国の総人口も東村山市の人口も、男性より女性の方がやや多いわけなので、国会も地方議会も社会を映す鏡として半々に近づくことが当たり前、なのですよね。

女性議員の割合が…なんて話をしなくなる日が早く来ることを願うばかりです。

さて、来春の選挙に向けて日夜動いている人も増えてきましたので私も頑張らねばなりませんが、同時にこれからも東村山市議会を知っていただくための基礎情報をできるだけお伝えしていこうと思います。

#データで見る東村山市議会
#佐藤まさたか

「少なくとも今年度はやめるべき」~スピーキングテストの都立入試への活用 【陳情は不採択となりました】

12月議会に提出され、最終日に議決した「都立高校入試に英語スピーキングテストの導入中止を求める陳情」。

生活文教委員会では賛成2:反対3で不採択になった、と委員長から報告があり、最終日の本会議で委員会の委員ではない3名(藤田、白石、佐藤)が採択すべし(陳情に賛成)の立場で討論を行いました。

結果は、議長以外の議員23人(1人欠席のため)のうち、自民党7人、公明党6人、無会派の鈴木たつお議員の計14人が反対、他の9人は賛成とし、賛成少数で不採択となりました。

私は以下の討論を行って採択を主張しましたが、通りませんでした。この問題を知れば知るほど、国際化とか英語教育とかとは関係のないところにこそ大きな問題があるのだと考えるようになりました。

【陳情の採択を求める私の討論】

グローバル化の進展の中で、英語教育の強化や、その結果の考査の必要性を否定する声は殆どないのだろうと思います。私ももちろん異論はありません。ですので、この件に反対の声があると初めて聞いたときは、最初から完璧な制度やシステムを求めることには一般的に言っても無理があり、移行期、過渡期にありがちな問題だろう、程度に正直言って思っておりました。

しかし、市内の方々のみならず、先日も小金井市でこの問題に取り組んでいる方にお会いして資料を示しながらのご説明を伺い、11月27日に実際に初めてのテストが行われたことの報道や、都議会議員連盟による実施状況調査の結果を見る中で、考え方を変えざるを得ない、というか、現実を踏まえれば、少なくとも、現状を追認して今年度の入学試験へ導入することには明確に反対すべきだと考えるようになりました。

理由は明確です。現段階でのスピーキングテストには解決されなければならない問題が多すぎて、入試に導入できる水準ではない、ということに尽きます。

大学入試制度や都立高校入試制度のこれまでの変遷などを見ても、過渡期の不利益はある程度やむを得ない、と考えますが、そんなことでは説明のつかないような課題、欠陥が次々と明らかになっています。実施前に懸念された点以上の問題が露呈したと言ってよい状況です。

テストにおいて絶対的要素である「公平・公正」を損ねる事実が、全197会場のうち125か所で指摘されていることに、東京都教育委員会は謙虚に向き合うべきです。

都教委がありえない、としている「録音を確認したら周りの声が大きくはっきり入っていて、自分の声としてきちんと正しく採点されるのか不安だ」といった子どもたちの訴えにきちんと耳を傾けるべきです。

テストを受けなかった生徒の扱いも理解に苦しむ不可思議な設計になっています。

中学校学習指導要領を逸脱した出題があった、という問題も、都教委自身の事前の説明と明らかに異なるという指摘がされていますが、教育長の回答には全く説得力がなく、中学生の声に向き合おうとする姿勢もありません。

繰り返しになりますが、人が作る制度や仕組みですので、最初から完璧ということはありません。大事なのは、事実、現実と真摯に向き合って、誤りがあれば立ち止まり、修正、改善を図り、実施に移し、また検証するという姿勢だろうと思います。しかし、先日の都議会で東京都教育委員会の教育長は、「適切に実施された」と繰り返すばかりで、具体的な課題指摘に対して何ら説得力のある答えを出すことはありませんでした。

そもそも、保護者や子どもたちだけでなく、我が国の英語教育に長く携わってきた専門家からも数多くの欠陥が指摘され、警鐘が鳴らされてきたにもかかわらず、東京都、都教委はなぜまともに向き合おうせずに突き進んできたのか、大きな疑義が残っています。

当市で学ぶ現在の中学生のことを思えば、市議会として、現段階での入試への導入は見合わせるべきという声を、実施主体である東京都に対して意見書をあげることが不可欠だと考えます。

古い話ですが、私が教員を目指していた少し前の1980年前半、都立入試が3科目から理科と社会を加えた5科目になったことで、中学校社会科は入試対策として暗記科目のように扱われることが増え、戦後に社会科が生まれた土台と言われる自由で深い学び、面白さが一気に失われたと言われたことを思い出します。

近年の英語教育を、小学校から学ぶようにしたのも、会話を重視した学びに力点を移してきたことも、国際語ともいえる英語を高い水準で使いこなせる人材の育成と共に、グローバルな社会でコミュニケーション豊かに生きていけることや、多少間違っていても思い切って話せることことも重要な要素としているのではないでしょうか。

ここは一旦立ち止まり、次年度以降に向けて、誰もが安心してテストに臨み、それをどうすれば不安なく入試に反映させることができるのか、またはできないのか。専門家の意見、そして当事者である子どもたちの声にもしっかり耳を傾けて、落ち着いた議論をやり直すべきと考えます。

以上、本陳情を採択すべきとする理由を申し述べ、ぜひ同調いただけるようお願いし、私の討論といたします。

全議員の賛否一覧~12月議会が終わりました

今年を締めくくる12月定例議会が、11時過ぎに閉会となり、昼をはさんで開かれた広報広聴委員会も終わりました。

今日の本会議は、4つの常任委員会に付託されていた議案や陳情の審査結果を各委員長が報告した上で、全員での採決をはかりました。

初日に議決した指定管理者の指定や一般会計補正予算も含め、今議会で結論を出した市長提出議案、議員提出議案、陳情に対する全議員の賛否一覧をいつものように作成しましたので、アップします。

慎重に確認したつもりですが、もし誤りがあった場合にはその旨を書いて修正します。

どこよりも早い報告ということでご勘弁くださいm(__)m

冬晴れのお餅つき

保育所「空飛ぶ三輪車」のお餅つきに参加させてもらい、少しお手伝いをしてきました。

お昼過ぎから風が冷たくなりましたが、最後までお天気に恵まれて、若いお父さんもお母さんも職員さんもそのご家族も大活躍!午前と午後で20臼以上?蒸し続け、つき続け、中には掌にできたマメにテーピングまでして頑張るつわものもあり、アッパレでした!

餅つきは準備も本番も片付けも本当に大変だけれど、みんなが力を合わせてたくさん頑張ると、おいしい~ご褒美が待っている、最高に好きな行事です。

残念ながら今回は感染対策のためにその場での飲食はNGでしたが、それでも季節を感じられる体験活動を可能な範囲で実現させたいという職員さんや親御さんたちの熱い思いを感じました。

あぁ~楽しかった~(^^)/

昔のようにその場であったかいお餅をみんなで食べられる日が早く来ますように。

そうそう、私が職員だった20年前も今も変わらずに野口町の農家さんからお借りしている「巨大かまど」(↓3枚の写真)の構造の科学が話題となり、みんな興味津々でした。

皆さん 大変大変おつかれさまでした。

本日の政策総務委員会報告

5件の議案について審査の上、いずれも賛成多数で可決して17時近くに終了しました。

議案の分量が多かったので、通常1人15分の持ち時間を委員間で協議して全員の賛同を得て20分としました。委員会審査に時間制限を設けている議会の方が珍しいので胸を張れるような話ではありませんが、委員会運営についてみんなで話し合って合意できたことは、小さいながらも前進だと思います。

また、議案50号については委員間討議を提案して他の委員に受け入れていただき、論点や残る課題について発言して共有できたことも、小さな前進。忘れずに記しておきます。

世の流れをきちんと見て、他の議会の常識にも照らして、決して思考停止することなく少しずつでも改善を図ること、心ある議員たちで共有し、積み重ねていけたらと思います。

議案50号では最終的に賛成しましたが、だいぶ厳しい論調で質疑させてもらいました。ロングランの議案審議、市長をはじめ関係所管の皆様、おつかれさまでした。

今日の賛否一覧表を取り急ぎ作成しました。

公開質問状「統一教会との関係」への回答

この仕事をしていると、時々「公開質問状」が届きます。

送ってこられる多くは、市内で活動されている市民団体の方たちで、障害福祉、保育園、学童保育、高齢者問題、公共交通、男女共同参画といった市内の現状を前提としたものから、改憲、沖縄、安保法制等、国政レベルの問題まで幅広くあります。

これらの多くが、4年に一度の選挙が近づくと送られてきて、「その回答を団体の会報やHPで公開します」と書かれています。1つのテーマに関して候補となるであろう者たちの考え方の違いをわかりやすく共有して伝えていただけることは大変ありがたく、歓迎するところですが、実際には紙幅の関係で回答が端折られることが多く、こちらの意図するところが正しく伝わらないことも少なくありません。

ゆえに、今後はお答えした段階で自主的に先行公開をしていこうと思います。

ということで、来年4月に次の市議選、市長選が見えてきた中、10月に「東村山市立小中学校給食に関するアンケート」、11月に「統一教会との関係」をいただきました。それぞれに対して私なりに丁寧にお答えしたつもりです。

今日は一昨日に投函した「統一教会との関係に対する質問」への回答をアップします。質問をくださったのは、「東村山革新懇」という団体です。私は議員歴が長くなったので、会自体も中心的なメンバーの方も存じ上げていますが、1期目や2期目の議員は、団体についての詳細説明が書かれてなかったので答えづらかったかもしれません。

まずいただいたペーパーはコチラです。

続いて、問いの部分を再掲し、私の回答とセットで以下アップします。

①上記関連団体などの勉強会に参加したことがありますか?

答)一切ありません

②メッセージを送り、あいさつなどをしたことがありますか?

答)一切ありません

③機関紙・書籍などを定期購読したことがありますか?

答)一切ありません

④旧統一教会や関連団体の名前を1つ以上知っていますか

答)もちろん知っています。具体的には、統一教会、勝共連合、原理研、世界日報が同根であることは40年前から知っています。他の団体は今回の報道で知りました。

⑤旧統一教会や関連団体が、霊感商法や高額寄付の強要などで多くのトラブルを起こしている認識はありますか?

答)もちろん知っています。学生時代は原理研が台頭して大きな問題になっていましたし、当時、渋谷駅前交差点の世界日報の看板を知らない者は周りでいなかったと思います。霊感商法も集団結婚式も、私たちの世代で知らない人はいないのではないでしょうか。

⑥被害者救済法などに対するご意見がありましたらお書きください。

答)国会の仕事ですので、実効性のあるものとなるよう、与野党関係なく合意に至るまでしっかりやってほしいと思います。

⑦カルト集団との関係についてご意見がありましたらお書きください。

答)カルト集団と「何と」の関係なのか判然としませんが、仮に「政治と」ということであれば、憲法や関連法規に則して適正に判断され、扱われるべきものと考えます。

いただいた質問と回答は以上なのですが、私として申し上げたいことがありましたので、そのことを記したペーパーを1枚(以下)添付しました。

① いただいたご質問に私なりに誠実にお答えしたつもりです。その上で、革新懇の皆様の活動もお顔も多少なりとも存じ上げるゆえに、率直に伺いたいことがございます。

この質問状を市議会議員に送り、その回答を公開する目的を教えていただけないでしょうか。

これまでも憲法を土台に、平和や地方自治に関するテーマでいただいたことがあり、それは地方議員として当然お答えすべきものと理解し、都度そのようにしてきました。来春の選挙に向けてまた何らかの質問をいただくのだろうとは思っていましたが、いただいた文章に憲法に照らしてのくだりもなく、今回は初めて「これは何のために?」と首を傾げています。

旧統一教会の悪行三昧は法で厳しく裁かれるべきであり、被害者救済も迅速に進められるべきですが、革新懇の皆様は、この問題を地方議会で他に優先して取り扱うべき重要課題とお考えなのでしょうか。私はそうは考えていませんので、理由も含めてご説明をいただければと思います。また、少なからず時間をとってお答えする以上、質問の意図はきちんと示していただきたかったと思っています。筋を通して丁寧に活動をされてきた革新懇の皆様からだからこそ残念に思います。

私自身は一切の国政政党や大きな団体に依拠しない完全な無所属を貫いていますので何を問われても一向に構いません。しかし、旧統一教会以外にも様々な宗教や宗教まがいの団体、上意下達の政党その他、現実にはいろいろあって、私たちは憲法が保障する思想信条、信教の自由との兼ね合いも頭に入れておかねばなりません。この質問に回答する議員がどれくらいいるのかわかりませんが、新聞を騙るゴシップ紙のような扱いにならないことを老婆心ながら祈るばかりです。

②最後にお願いです。今後も質問状をいただくことがあるのかもしれません。その際は、ぜひメールでも答えられるようにしていただけないでしょうか。選挙が近づくと様々な方からいただくので、作業効率上、手書きでの答えを求められるのは厳しいです。お答えしたことに責任を持つために送信済データとして保存もしないといけません。どうかご検討とご対応のほど、よろしくお願いいたします。

自治日報に掲載いただきました

★自治日報★の3面「議会」欄に「議会同士の切磋琢磨をエンジンに」と題した拙稿を掲載いただきました。

編集部から送っていただいた現物を開いてみると、1面には敬愛する松本武洋さんの稿。同じ号で光栄です。

さて、議会改革という言葉に出会った2007年。あれから15年~

4年毎に顔ぶれが替わる定めの中、改革のサイクルを継続できる議会なのか、うちのように瞬間風速は吹いたけれどいつの間にか後塵を拝す議会なのか。その違いはどこにあるのだろう?と考える日々の中、原稿依頼をいただいたので、そんな文章になりました。

論考などとはとても呼べない雑感みたいなものですが、自分の考えを整理するには大変ありがたい機会でした。お声がけをいただき、どうもありがとうございました。

掲載の許可をいただいているので、画像としてアップし、以下テキストで全文を掲載します。

議会同士の切磋琢磨をエンジンに (自治日報2022年12月5日 3面)

先日、「議会に関する視察」を久しぶりに中京と関西の議会から受ける機会に恵まれた。テーマは「議会報告会」と「政策提案」に関するものが多く、コロナ前から通算すると全国から50議会ほどをお迎えした。複数の議員で対応して説明するが、醍醐味は後半の意見交換にある。私たちよりよほど活発に活動されている議会も少なくなく、視察の受け入れは居ながらにして学べるありがたい機会であり、議会同士の貴重な外交の場である。全く先駆的な議会ではないが、学び合い高め合う相手として、ぜひ東村山市議会へお越しいただきたい。

○議会報告会を継続する意味

東村山市議会が2年半の議論と作業の上、議会基本条例を施行したのは2014年4月のこと。「市民に開かれた議会」を掲げ、傍聴の際の住所や氏名の記載廃止、傍聴席での録音・録画の自由化、請願者・陳情者の陳述の制度化等を行うと共に、議会報告会様々な手法やテーマでトライ&エラーを重ねて3か月ごとに継続してきた。(➡https://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/gikai/katsudo/gikaihoukoku/index.html

2020年春にコロナで一度止まったが、休まないことが市民との約束と考え、8月からは手持ちの機材でyoutubeによる録画配信を、そして今年2月からはグループでの意見交換もzoomを活用して復活することができた。11月には久しぶりに会場で開催できたが、オンライン継続を望む多くの声に応え、併用とした。緊急避難的に始めたオンライン開催だったが、忙しい現役世代や、子育てや介護で会場へ出向けなかった、参集するほど熱心ではないが気にはなっていた…といった、それまでとは明らかに異なる層に参加を広げることに繋がった。

8年半前の開催当初、私たち議員は答える側に回ると途端に力不足が顕在化し、市長部局に日頃偉そうに求めている「説明責任」を果たすことが容易ではないことを学ぶこととなった。「議員数を減らせ」「給料が高すぎる」という参加者に定数や報酬を尋ねると、「知らない」と答えた。「責任者の市長がなぜいないのか?」と問われたこともある。地方自治・市議会の仕組みを説明する数分のスライド「ようこそ!議会報告会へ」を急きょ作成し、次の回から冒頭に上映することにした。

議会報告会の定期開催は、住民に議会や地方自治を理解してもらい共に考える大事な機会であり、私たち議員のコミュニケーション力を鍛えるために不可欠な場でもある。

○議会同士の切磋琢磨をエンジンに

 初の議会基本条例が北海道栗山町議会で誕生して16年、北川正恭早稲田大学名誉教授が三重県知事時代にマニフェストを提唱して来年で20年。この間、議会間での善政競争が伝播し、機能強化のサイクルを確立できた地方議会は、目的である住民福祉の向上へ一丸となって歩みを進めている。翻って私たちは…2012年に419位だった全国議会改革度調査(マニフェスト研究所)では、議会基本条例施行の翌年に32位まで評価を高めたが、以後は下降を続け、直近では300位手前となった。何かを後退させたわけではないが、改革マインドをビルトインした全国の議会に追い抜かれ続けた結果である。

 社会は刻々と進化していて、地方自治の世界も例外ではない。今年のマニフェスト大賞も、受賞者はいずれも圧巻の実践で、特に最優秀議会改革賞に輝いた会津若松市議会と、ローカルマニフェスト大賞「議員・会派の部」に輝いた自由民主党横浜市会は、今回も他の追随を許さない取り組みであった。審査委員の廣瀬克哉法政大学総長や江藤俊昭大正大学教授が講評で口を揃えておられたのは、「現状を維持しての受賞ではなく、高い改革意識ゆえのさらなる挑戦、進化の結果」ということだった。

○いつも「なんのため」に立ち返りながら

20年間ずっと完全な無所属として議員を務めてくる中で、4年ごとに顔ぶれが替わり、多様な考え方が共存する地方議会で、「なんのため」に議会改革に取り組むのか、というミッションを共有し、進化させる難しさを日々痛感している。

成功体験が重要ではないかと考え、ここ2年は特に、議員より議会として成果を上げることを重視し、所属する常任委員会では「投票率向上策」を所管事務調査に定め、オンライン市民アンケートの実施や、佐藤淳青森大学教授、可児市議会、取手市議会とオンラインで結んでの勉強会を重ね、選挙管理委員や教育委員会との意見交換も行ってきた。議会基本条例で定めた「政策研究会」を超党派で立ち上げ、市内にある国立ハンセン病療養所「多磨全生園」の将来構想に議会はどう関わるべきなのかをテーマに関係者との対話も続けている。

来春は選挙を迎える議会が多い。公共施設の統廃合や負担増など、厳しい選択が待ち受けているのに、「アレオレ詐欺(あれはおれがやった)」候補が増えないことを願うばかりだ。おいしい話ができる時代ではないし、そもそも議員一人で成し得ることなど、実はほとんどないのだから。「チーム議会」として、正義(Justice)より公平・公正(Fairness)を重んじ、考え方の違う議員同士が対話と討議を重ね、合意形成を図り、住民にとって少しでもベターな解を導き出す。そんな議会をつくりたい。議会のレベルが自治体の未来を左右する時代になっている。

「渡部市政の4期16年で東村山市はどんなまちになったのか」~明日(12月1日)夕方、一般質問に立ちます

昨日開会した東村山市議会12月定例会は、明日から3日間は24名の議員による一般質問が行われます。

1日8名ずつで、今議会は議席番号の若い順ですので、9番の私は明日のラストバッターとして質問に立ちます(議席1番の土方議長は一般質問を行いません)。出番はおそらく4時か5時頃になると思いますが、ぜひとも傍聴にいらしてください。もちろんネット中継でもご覧いただけます。

今回のお題は大きく2つ。

まず「1.渡部市政の4期16年で東村山市はどんなまちになったのかです。

渡部市長が誕生した2007(平成19)年に既に議員だったのは、朝木議員と私しか残っていません。来年4月で4期目の任期満了を迎える渡部尚市長に対し、各期ごとに掲げたマニフェストをもとに振り返り、私たちのまち・東村山はどう変わったのか、変わらなかったのか、今後どのようなまちをつくっていくのか、という大きなテーマで議論したいと思っています。

通常この時期は、市長の出身会派である自民党の議員が、「来春の市長選への意向」を問い掛けて市長が応答するという場面があり、新聞記者が傍聴に来ていたりするもので、4年前も当時の会派代表の肥沼茂男さんがその任を務めておられました。今回も当然あるのだろうと思いつつ、私は私の立場と考え方に基づいて取り上げたいし、被っても構わないと思って通告をしましたが、蓋を開けてみたらどなたもおやりにならないことわかりました。さて、どうなりますか。

明日も触れるつもりですが、渡部市政の誕生には、2006年夏から冬にかけての東村山駅西口再開発事業をめぐる住民投票条例運動が大きな影響を与えました。1万8千を超える直接請求の法定署名で成立し、12月議会最終日に上程された「東村山駅西口再開発事業を現計画のまま行うことについて市民の賛否を問う住民投票条例」は、思わぬ展開の中で可否同数・議長裁決で否決され実現できませんでした。

ところが、命拾いしたはずの前市長が御用納めの日に突然退陣を表明し、年明けには前市長の意中の人ではなかった、当時は4期目の市議だった渡部さんが市長選候補となり、4月の選挙に出馬。他の候補が「開発反対」を掲げる中で、住民投票条例を葬った立場であった渡部候補のマニフェストに「住民投票を含む自治基本条例の制定」が掲げられたことに私は心底驚き、「勝負あり」と思ったものでした。あれから16年。東村山市はどう変わったのでしょうか。

それでは通告内容を画像とテキストでアップします。

1.渡部市政の4期16年で東村山市はどんなまちになったのか

平成19年5月に初当選されて以来、間もなく4期目を終えようとしている渡部市政。そのスタート前の事情から知る現職議員も今や2人となる中、この16年間で東村山市はどのような点が変わり、また変わらなかったのか、どのような自治体になったのか、という議論を私なりに一度させていただきたいと考え、以下質問する。

1)1期目(平成19年5月~23年4月) の評価について

当時打ち出されたマニフェスト「八国山からの新たな風宣言」では、3つの柱を立て、東京都で「イチバン」になる政策として3つの分野でNo.1を目指すとしていた。前市長の突然の退陣表明を受け、出馬を決意された最大の要因、当時の課題意識、目指していた市政の姿、掲げたマニフェストの主だった項目の達成状況について、改めて簡潔にご説明いただきたい。

2)2期目(平成23年5月~27年4月)の評価について

2期目のマニフェスト「バージョンアップ!東村山」では、1期目マニフェストを検証しつつ、4つのバージョンアップを掲げ、目標年度を示した分野ごとの政策を打ち出されていた。自身が手掛けた初めての総合計画であった「第4期総合計画」のスタート年でもあったこの年、《希望に満ちた「生活充実都市」を目指す》として挑んだ2期目、最も重視したことは何だったのか。掲げた政策はどこまで進み、進まなかったのか。

3)3期目(平成27年5月~31年4月)の評価について

3期目のマニフェスト「バージョンアップ!東村山2.0」では、「さらに安全で便利なまちへ」と「さらに安心で優しいまちへ」の2本柱を掲げ、各施策を列挙されている。3期目に力を入れたテーマ、2期8年の実績と課題を踏まえたマニフェストの達成状況について簡潔に説明いただきたい。

4)4期目(令和元年5月~5年4月)の評価について

 4期目は少し詳しく伺う。マニフェスト「バージョンアップ!東村山 3.0」では、《「住んでよし・働いてよし・楽しんでよし」三拍子そろった「たのしむらやま」に向かって、4つのアクションプランを実行する》とし、分野ごとのマニフェストを示しておられた。そこで以下伺う。

①《「東村山大改造」を進め、もっと安全で便利な活力あるまちへ!》について主項目の達成状況、課題を伺う。

②《「東村山創生」を進め、もっと元気でワクワクするまちへ!》について主項目の達成状況、課題を伺う。

③《「子育てするなら東村山」の更なる充実で、すべての子ども達が健やかで心豊かに育つまちへ!》について主項目の達成状況、課題を伺う。

④《「人生100年時代を支える良福祉・良環境」を整え、もっと安心でうるおいのある優しいまちへ!》について主項目の達成状況、課題を伺う。

5)4期16年で東村山市はどのような自治体になったのか。

①「みんなで進めるまちづくり基本条例」が掲げた基本原則について

 同条例は、1期目の平成22年3月議会で「(仮称)自治基本条例」をみんなで考えるための手続に関する条例」を可決し、同年6月に自治基本条例市民参画推進審議会を立ち上げ、検討を開始。2期目スタート後の平成23年10月から18回にわたり「自治基本条例策定市民会議」で議論され、パブリックコメントや市民説明会を経て、25年12月定例会で一部修正のうえ可決・成立、12月27日に公布された。基本原則は「情報共有」「市民参加「協働」の3つ。東村山市政の背骨として掲げられたこれらの原則は、それぞれに今、どこまでどう進み、課題はどこにあり、今後どうしていこうと考えておられるのか、伺う。

②同条例のバージョンアップについて

制定から来年で10年となる。公民連携やDXの進展、ジェンダー平等、障害者差別解消、子ども・若者の市政参加の方策等、社会の変化、地方自治をめぐる様々な状況を考えたとき、改正によってバージョンアップを図る必要性もあるのではないか。考えを伺う。

6)第5次総合計画が描く10年後の東村山と今後の市政運営について

昨年度スタートした第5次総合計画は、市長4期目マニフェストと概ね整合性のとれたものと受け止めている。「まちの生き残りをかけた重大な総合計画」と自ら述べられ、バックキャスティングの思考で策定されている同計画を着実に推進するためには、今後、自分ゴトとして理解し、積極的に参画する市民と職員の力が不可欠と考える。どのような姿勢でかじ取りを行っていくのか、伺う。